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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

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2006年04月14日

 

現代のホラーです。

 

西日本新聞社「食 くらし」取材班
食卓の向こう側 (別冊)

より抜粋。

 



 

中食(なかしょく)――――ラベルを見ていますか

 

「豚体実験はもうこりごりだ」

 

二年ほど前、福岡県内の養豚農家で、”事件”が起きた。

母豚のお産で死産が相次いだのだ。やっと生まれたと思ったら、奇形だったり、虚弱体質ですぐに死んだり。透明なはずの羊水はコーヒー色に濁っていた。

「えさだ」。ピンときた農場主は、穀物などもとのえさに変えた。徐々にお産は正常に戻ったが、二十五頭の母豚が被害に遭い、農場主は生まれるべき約二百五十頭の子豚をフイにした。

母豚が食べたのは、賞味期間が切れた、あるコンビニの弁当やおにぎりなど。「廃棄して処理料を払うより、ただで豚のえさにした方が得」と考えた回収業者が持ち込んだ。期限切れとはいえ、腐っているわけではない。「ちょっとつまもうか」と、農場主が思ったほどの品だった。

肥育用の子豚に与えれば、肉質にむらがでる。そこで母豚に、それだけを毎日三キロ与えた。農場主の計算では月二十万円のえさ代が浮くはずだったが、百十四日(豚の妊娠期間)後、予期せぬ結果が待っていた。

 

原因はわからない。だが、予兆はあった。与え始めて間もなく、母豚がぶくぶく太ったのだ。すぐに量を減らした。

獣医師によると、豚はストレスに弱いため、短期間(半年)に二~三回えさの与え方を変えただけでも、調子が狂うことがあるという。

「人間でいえば、三食すべてをコンビニ弁当にしたのと同じこと。それでは栄養バランスが崩れてしまう」と、福岡県栄養士会長で中村学園短大教授の城田知子。

一般的なコンビニ弁当は高脂質で、濃いめの味付け、少ない野菜。毎食これで済ませたら…。

家庭にはない食品添加物も入っている。「腐る」という自然の摂理から逃れるには、何らかの形で人の手を加えなければならない。例えば、おにぎりを「夏場で製造後四十八時間もつ」ようにするには、添加物などの“テクニック”が要る。だが、そのおかげで、私たちはいつでもどこでも、おにぎりをほおばることができるのだ。

 

二〇〇三年のコンビニ業界の市場規模は約七兆三千億円。全国に一万店舗を展開する業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンの販売構成比を見ると、弁当、パン、清涼飲料水、カップラーメンなど四分の三が食品だ。利用者は同社だけで年間延べ三十六億人。コンビニが「家の台所」化しているのは、決して若者だけではない。

同社など、食品管理を工夫して添加物を減らそうとするメーカーもある。中食(弁当、惣菜)が生活の中に定着しているからこそ「中身に関心を持ってほしい」。添加物に詳しい阿部司52)は力を込める。

「商品に張られたラベル(内容表示)を見て自分で判断するか、確かな材料を手に入れて自分で作るか。食は自己責任。年間約八千人が交通事故死しているからといって、社会から車を追放せよ、とならないのと同じことだ」

 

平和が戻った養豚農家。昨年は約二千頭の子豚が、母豚の腹から当たり前のように生まれてきた。

「豚体実験はもうこりごりだ」。農場主はうんざりした顔で言った

 

 

 

産婦人科医として、今も何人もの妊婦さんを診ているけれど、彼女たちの健康状態は、決して良いとはいえない。体調の悪い、不健康な妊婦のなんと多いことか。つわり、便秘、貧血、切迫流産・切迫早産、皮膚のトラブル、妊娠中毒症、肥満、やせ、難産、低出生体重児、胎児の先天奇形、…etc。妊娠に伴うトラブルは、大きいものから小さいものまで、妊婦の栄養状態と無関係ではない。生まれてくる赤ん坊が「自分が食べたもので作られている」という認識は、もしかしたら彼女たちにはあまりないのかもしれない。自分の体が自分が食べたもので作られているという感覚すらも、希薄に見えるのだから。でもそれはきっと妊婦だけではなく、いまの日本人の平均的な姿なのだろう。

この話は、決して“他人(豚?)事“ではない、と思うのは私だけだろうか?

2006年04月12日


前回のタン白質濃度の話の続きです。


肉体改造挑戦中に出現した、「頭重感・ボーっとした感じ・頭痛・異様なのどの渇き」などの症状が、総タン白質濃度の上昇による膠質浸透圧の上昇に基づいたものである、というのが前回までの考察です。


確か、某ロック歌手の方の健康に関する本にも、ジムでガンガンプロテインを飲んで肉体改造をしていたときに、頭痛や頭がボーっとすることがあったと書いてありました。

その方は、それが「タン白質の毒性によるもの」であり、「だからタン白質はあまり摂るべきではない」、と結論付けていらっしゃったのですが、私はその説には反対です。

データおよび実体験から、このような症状はあくまでも膠質浸透圧の上昇による「脳の脱水状態」が原因だと、私は推測しています。

それに、ヒトの体を構成する要素であるタン白質が「毒性を持つ」というのは、生化学的に考えて、ありえない話だからです。


ですから、今までの話を読んで、「じゃあやっぱりタン白質って摂り過ぎないほうがいいのね!」と思った方がもしいらっしゃったとしたら、それは私の言わんとしていたことではありません。

今回の私の例は特殊なケースで(過激にやりすぎました!)、普通に食事からタン白質を摂っている限りでは、このような事態まず起こり得ません


それどころか、このブログでは口を酸っぱくして言っていますが、一般的には、タン白質が不足(もしくは欠乏)している人の方が圧倒的に多のです。

私の見た限りでは、私自身もそうでしたが、現代の日本人の多くは、タン白質不足のために血液濃縮が起こっています。

これは血液検査でわかりますが、一般的な医療現場ではそういう視点がありませんから、指摘されることはほとんどありません。


話は肉体改造からずれてしまいますが、このタン白質不足と膠質浸透圧、そして循環血漿量の問題と言うのは、実は性のQOLと深く関わっているのです(女性だけとも限りませんが…)。


血液濃縮≒循環血症量の減少(血液の量volumeが少ない)があると、どんな症状が起こるでしょうか?

先にも書きましたが、むくみの原因になりますし、低血圧立ちくらみなどが起こりやすくなる可能性があります。

それに、多くの女性が悩んでいる「冷え症」。

冷え症とは、血行不良です。

血液の量が少なくなっていたら、血管の容積はほぼ一定ですから、当然血行は悪くなります。

同じ太さのホースに、水をちょっとだけ流すのと、たくさん流すのとでは、流れる勢いが違いますよね?

つまり、タン白質不足による血液濃縮=循環血漿量の減少は、血行不良を引き起こし、冷え」という症状を引き起こす、と考えられるわけです。


私は、冷え症の原因としてこれはかなり「主犯格」だと思っています。

もちろんこれ以外にも、血・ビタミンB不足・E不足・鉄不足・筋肉不足・基礎代謝の低下・冷えやすい体質・体を冷やす環境など、いろいろな原因が複合的に存在して冷え症が起きていると考えられますが、上記の機序を考えると、ビタミンE(だけ)を摂ったり半身浴をしたりという一般的な冷え症対策は、やった方がいいのは確かだと思いますが、根本的な解決とは言いがたい、と私は思っています。

漢方治療はどうかというと、証に合っていれば有効だと思いますが、そのような症例ではほとんどタン白欠乏があると思われますから、タン白欠乏を是正することも同時に必要なことで、そこを是正しないで漢方だけやっても完治は難しいのではないかと思います。

私自身もそうだったのですが、実際に栄養療法で蛋白欠乏を是正していくと(もちろんタン白質以外のほかの栄養素も補っていくのですが)、それだけでえ症はほとんど良くなってしまうのです


循環血漿量が減少していることを、現実に血液の量を計って証明することはもちろんできません。

しかし面白いことに栄養療法を行っていると、血液データ上、治療前にあった血液濃縮が治療後に改善していることを示す変化が見られます。

(ちなみにTPは血液濃縮の影響を受けるので、それのみではタン白質不足の判断をすることはできません)

こんなことは医学書には載っていませんが、栄養療法を行っていると頻繁に遭遇します。

冷え症を治すために栄養療法をやっているわけではなく、「ついでに」治ってしまうのですけれどね。


というわけで、冷え症に栄養療法はとても有効ですが、もちろん食事できちんとタン白質を摂ることがとても大事です。

詳しくは過去ログ「お肉を食べよう!~タン白質の重要性~」をお読みください。

もちろん理想を言えば、複合的な治療レベルでの栄養補給(=栄養療法)を行ったほうが、治療効果は高いです。



肉体改造小咄、まだまだ続きます。


2006年04月09日



引き続き、肉体改造日記です。

前回までの分をお読みになってからご覧くださいませ。


前回示した、肉体改造挑戦中の血液検査データについての考察です。


まず特筆すべき点は、開始後5日目のTP(総蛋白濃度)が、開始前の7.2から8.6に急上昇していることです。

これは結構びっくりする変化です。

このTPの上昇が、3日目ごろから現れた「頭重感・ボーっとした感じ・頭痛・異常なのどの渇き」の原因だと考えられるのです


TP(総蛋白)とは、血液中のタン白質を総合した濃度を表します。

総蛋白のおよそ6070%がアルブミンというタン白質なのですが、このアルブミンは人体にとってとても重要な役割を担っています。

そのひとつは、血液の「膠質浸透圧(こうしつしんとうあつ)」を調整するという働きです(医療関係の方は生理学の講義で習いましたね!)。


以下ちょっと専門的な話になりますが、説明が必要だと思うので書いておきます。

(浸透圧についてはこちらの一歩一歩学ぶ医学生理学が詳しいです)


浸透圧と言うのは簡単に言えば、「水を引っぱる力」なのですが、アルブミンは血管内に水を引き込み、保持する作用を持っているため、アルブミンの量で血液中の水分量が決まります

すなわち、アルブミンの量が血液の濃さ(および量(volume))を決めているのです

低蛋白血症(=アルブミンが少ない)では、水を血管内に保持できにくくなるため、循環血漿量が減少し、血液濃縮が起こります。さらに進行すると、血管外へ水分が漏れてしまい(漏出)、浮腫(むくみ)が起こります。

血液の量をある程度保つためには、アルブミンの絶対量が必要なのです。


ということは、逆にTPが高い(濃い)ということは、血管外から血管内へ水分を引っ張ろうとする力が働きます。

つまり、タン白質を過剰に摂りすぎたためにTPが上昇→膠質浸透圧が上昇→脳が脱水状態に陥り、「頭重感・ボーっとした感じ・頭痛」などの症状が出現したのではないか考えられるわけです。

特にプロテインを飲んだ後やタン白質の多い食事をした後に、頭痛が起きていたこともこれを裏付けています。

のどが渇くのは、血液の浸透圧が上昇したために、水分を摂らずに脱水状態になった場合と同じ理屈で、「のどが渇いた」というサインが出るのでしょう。


この時、タン白質と野菜中心の食事を摂り、ジムや自宅でもプロテインをガンガン飲んでいました。

1日のタン白質摂取量は、はっきりはわかりませんが、80g以上は摂っていたかもしれません。

私の体重はほぼ50kgで、筋肉量が比較的少ないことから考えると、激しい運動をしていたとは言え、私にとっては過剰な摂取量だったのでしょう。

また、栄養療法ですでに蛋白質不足が是正された状態だったために、比較的急速にタン白質の血中濃度が上がってしまったのではないかと考えられます。



この話、まだまだ続きます。



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トーマス・エジソン
(1847-1931)

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「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。