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2006年05月26日

日産婦シンポジウム「妊娠と栄養・代謝」の続きです。

 

やっと書き始めました。。。

 



演題3 妊娠中母体低蛋白栄養が胎児胎内プログラミングに及ぼす影響とその発現メカニズム

順天堂大学産婦人科 伊藤茂先生

 

 

私が特に同意した演題が、この演題と次の演題です。


4月26日のエントリで書きましたが、現在産婦人科を含めた医療の世界でホットな話題なのが(一過性のブームで終らないといいのですが!)、「Barker仮説」です。

 

Barker仮説」とは、「胎児期に低栄養状態であることが成人期における心血管障害のリスク因子である」と言う説です。

英国の疫学者Barker氏が広範な疫学調査を行ったところ、低出生体重児(2500g未満)で生まれた児は、成人になって心筋梗塞・糖尿病・高血圧などのいわゆる「生活習慣病」と呼ばれる疾患にかかる人が多かったことから、このような仮説を発表しました。(BMJ 307;1519.1993, Lancet,1(8489):1077,1986)

 

動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、糖尿病などのいわゆる「生活習慣病」は、その名の通り「生活習慣」に原因があるとされています。もちろん遺伝的な原因もありますが、運動不足、カロリー過多、脂質過多、肥満、喫煙などが、これらの病気を起こすと一般的には考えられています。

しかし、このようなリスクファクターを持っていなくてもそれらの病気にかかる人も多く、その成因は不明な点が多かったのです。

そこでBarker氏は、イギリスで心臓病の多発する地域は貧しい地域が多かったことから、小児期、新生児期、はては胎児期までさかのぼって原因を追究していったところ、出生時体重が少ない(=母体が低栄養であった)児は、将来それらの疾患にかかりやすいことがわかったのです。


Barker氏の説は一見突拍子のない仮説に見えますが、この説を裏付ける研究結果が続々と発表されており、「Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)学説」なるものに発展しています。これは「次世代(次々世代を含む)の健康および疾患の素因は、受精卵環境、胎内環境、乳児期環境で多くが決まる」という説です。


栄養療法の実践者としては至極納得できる話ですし、しかもかなり切羽詰った問題だと思います。

というのは栄養状態が悪い若い女性が本当に多いからです

日本人長寿神話は確実に崩壊しつつあります。

日本人の栄養に対する考え方を根本的に改めないとならない時代になっていると思います。


長いので続きは次回。

 

2006年05月24日


波のしぶきが巻き込まれるのが見える。


体が持ち上がって、あぶくの渦にまみれて飲みこまれそう、と思った瞬間、水の壁を突き抜けて水面が現れる。

水面から差し込む光を切り裂いて、体は先へ先へと向かっていく。

 

肩に、髪に、爪先に、水の圧力を感じ、それを利用して、自由自在に水の中を滑っていく。

体そのものがエッジの利いたボードのようになっている。

 

後ろは決して視界には入らない。

見えるのは、先にある海の中の光だけ。







Dolphin Glide




ジェネオン エンタテインメント
ドルフィン・グライド

http://www.laidback.co.jp/movies/surffilmfestival3.html

2006年05月22日

昨日たまたまTVをつけていたら「○る○る大辞典」が始まったので、なんとなく見ていたら、ビタミンCの特集だった。

 

この手の番組に対しては私はいつも、

「アマゾンの奥地でとれたナントカ芋」とか、「珍しいナントカから発見された超素晴らしい物質○×」みたいな非現実的な食べ物(もの珍しいけど人体(もしくは日本人)にとってあまり必要度が高くない食べ物)なんかを特集してないで、タン白質とかビタミンとかミネラルとかの基本的に人体に必要なをちゃんと摂るように啓蒙して欲しい!

と思っていたところなので、おおッ、やるじゃん!、と思ったのだが、いかんせんマス向けテレビ番組なので、曖昧な点が多すぎた。


だって、何を食べたら血中ビタミンC濃度がいくつ上がった、というデータは単位も出てないし、食事とサプリメントを比べて、もっとも血中濃度が維持されたのは食事だったから、ビタミンCは食事で摂るべきだ、と結論付けて、ジャガイモを食べよう!などと言っていたが、一体どんなサプリメントをどんな食事と比べたのかがさっぱりわからない。


そして、つまるところどれくらいビタミンCを摂ったらいいのか、というのが「100mg/1日」だというところで、ため息が出た。


厚生労働省が必要栄養処方量として1100mgと定めている以上、明らかに反することを言うわけにも行かないだろうから仕方がないだろうけど、残念ながら「健康状態を最適に保つ」と言う意味では、栄養で病気を治そうという立場から言わせていただけば、1100mgぽっちでは全然足りないのである。


ほかの栄養素も同様だが、必要所要量である1100mgというのは、栄養不足による欠乏症を防ぐ「最低限必要な量」でしかない。

ビタミンCの欠乏症は、ご存知「壊血病」である。

大航海時代、多くの船乗りが皮下出血・歯肉出血を起こし、やがて死亡した。

これは長い航海の間に起きたビタミンCの欠乏によって、コラーゲンの生成が傷害され、血管壁がもろくなることによるのだが、これは一杯のレモンジュースを配ることで解決した。

というのは今では常識になっていることだけど、それを最初に指摘したのはジェイムズ・リンドという開業医で、その時の“権威筋”に無視され、その後40年の間に何万人もの船乗りが命を落とした。

 

以上のように、「壊血病を防ぐ」と言う目的でなら1100mgも摂れば十分なのであるが、ビタミンCにはもっと多くの効能がある。

簡単に言えば、ビタミンCは「毒消し」だ。

活性酸素や過酸化脂質、体内異物、ウイルスなどと戦ってくれる、体内のもっとも頼もしい味方なんである。

ビタミンCの生理作用としては

 

(1)             抗酸化作用

(2)             コラーゲンの合成

(3)             ノルアドレナリンの合成

(4)             カルニチンの合成

(5)             胆汁酸の合成

(6)             生体異物の代謝

(7)             還元作用(鉄・葉酸など)

(8)             インターフェロンの生合成の促進

(9)             糖代謝改善

(10)         メラニン生成の抑制

(11)         鉄の吸収促進

(12)         ヒスタミン分泌抑制

(13)         免疫増強作用

(14)         ウイルス不活性化作用(10gの経口摂取で、次のウイルスの不活化が実証されている。 ポリオウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、狂犬病ウイルス)

 

…などなどである。

栄養療法として、「欠乏症を防ぐ」と言う目的を超えて「生体機能を高める」ためには、1100mgぽっちでは不十分で、少なくともg単位が必要である。

ヒトはビタミンCを作る能力を失ってしまったが、ヒトと同じ体重のヤギは113000mgのビタミンCを体内で作る。ほかの動物も同様で、ヒトも同じくらいのビタミンCを摂取すべきであると考えられるのである。

この量をとろうと思ったら、当然食事からでは不可能なので、サプリメントが必要になってくる。

 

もちろん、食事を気をつけたほうがいいのは決まっている。

サプリメントもピンきりなので、質の悪いサプリメントを摂るくらいなら食事のほうがよっぽどましだ。

はっきりいって巷に流通しているサプリメントはあくまで「食品」なので、治療効果を期待することはできない。

一言でサプリメントと言ってもピン(治療用)とキリ(一般のもの)では似て非なるものなので、どんなサプリメントを番組で使ったのかTV局に聞いてみたいものである。

 

だから、若く健康で美しくいたい皆様は、113gはビタミンCをとりまSHOW(信頼できるサプリメントでね!)

起こる副作用は人によって下痢が起こるくらいである。



壊血病とビタミンCの歴史


ケニス・J. カーペンター, Kenneth J. Carpenter, 北村 二朗, 川上 倫子
壊血病とビタミンCの歴史―「権威主義」と「思いこみ」の科学史

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すべての患者様にOptimal Healthを得ていただくことが、私達の願いです。


未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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∥∥雑誌掲載情報∥∥



「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。