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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

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2006年06月28日


今日は分子栄養学(正確には分子整合栄養医学)の話しをします。                    

 

分子整合栄養医学に基づく栄養療法を行う際に重要なのは、血液検査です。

病院や人間ドックなどで、血液検査をお受けになったことのある方は、沢山いらっしゃると思います。

しかし、この血液データの読み方が、一般の医師と、分子栄養学を行っている医師では、かなーり違うのです。

このデータの読み方が、栄養療法のキモであると言ってもいいでしょう。

(ちなみに、もうひとつのキモは治療に使うサプリメントです。残念ながら日本で治療に耐えうる良質のサプリメントを提供している会社はごくごくわずかです)

 

症状があって病院にかかった時、血液検査では何の異常も見つからず、原因がわからなかった、という経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

例えば、頭痛や腹痛などいろんな症状に対し、医師は必要に応じて、検査を行います。

血液検査のみならず、超音波やレントゲン、CTMRI、細菌検査など、現代西洋医学の検査技術は非常に素晴らしいものです。

しかし、いろいろな検査を行っても、原因が見つからない!!ということは、よくあることです。

その場合にどうするかと言うと、明らかな原因が見つからなければ生命に別状があるわけではないことが多いので、差し当たり症状をとるための治療を行います。

痛かったら痛み止め、かゆかったらかゆみ止め、眠れなかったら眠り薬、と言う具合です。

これがいわゆる「対症療法」というものです。

西洋医学による治療法には、こういった対症療法がとても多いのですが、これは西洋医学的な検査では「機能的な問題」による病態を診断するのが非常に難しい、ということによります。

 

機能の問題に関してはまたの機会に書きますが、血液検査でなぜ問題が見つからないのか?

 

それは、血液データの解釈の仕方にあります。

 

一般の医師は、私も分子栄養学を勉強する前はそうでしたが、血液データを見る時にその数値が「基準値の中に入っているか否か」で、正常なのか異常なのかを判断します。

しかし、この「基準値」というのがくせものなのです。

 

基準値とは、そのデータをとった母集団のうち、(およそ)95%の人の数値がその範囲の中に入った、という程度の意味でしかありません。

もちろん目安にはなるのですが、基準値の中に入ったからと言って、その数値が「望ましい数値」であるわけではないのです。

基準値=正常値ではない」のです。

 

確かに、基準値の中に入っていれば、「病気ではない」と言えるかもしれませんが、基準値の中に入っていても、様々な分子栄養学的な問題点を見つけることができます。

 

タン白質不足、ビタミンB不足、鉄欠乏、亜鉛欠乏、低血糖、インスリンの過剰分泌、脂肪肝、肝機能低下、ストレスの度合い、などなど。。。

 

一般のどんぶり勘定的な見方ではわからない、栄養素の欠乏状態やそれに基づく代謝の異常を把握すると、患者さんの訴えてる症状の多くが当てはまるのに驚きます(自覚症状の感じ方には個人差がありますが)。

例えば、頭痛やめまい、うつなどの精神症状、月経困難症、にきび、肥満などの原因が、データから読み取れるのです。

 

血液データは思った以上に、体内環境を雄弁に語ってくれています。

そもそも、エネルギーの産生や体蛋白の産生、ホルモンや神経伝達物質の生成など、(後天的に)体の機能がどのように働いて生命が維持されるのかと言うことは、ほぼ体の中に入ってくる栄養素によって決められるのです

そしてそれらの不足やアンバランスにより、様々な代謝の異常が起こり、それらがいずれ病気となって現れるずっと前から、きちんと血液データには現れてくるのです。

しかし、「基準値の中に入ってさえいればOK !」という見方をしている限り、それらを読み取ることができないので、結局「原因不明」になってしまうのです。

ということは、治療は対症療法に頼らざるを得なくなり、根治療法は難しい、と言うことになります。

 

残念ながら、このデータの読み方は医学部では教わらないことなのです。

まあその判断ができても保険診療では薬を出すことしかできませんから、根本治療(つまり栄養素を使った治療です)は難しいのですけれどね。

 

アメリカの開業医の60%は、何らかの形で栄養素を治療に取り入れていると言われています。

日本でももっとそういう考え方を持つ医師が増えてくれるといいのに、と思います。


supplement.jpg




 

 

2006年06月27日







今更ながら、「ボウリング・フォーコロンバイン」を観ました。

想像したより過激じゃなかった、というのが印象です。


銃社会アメリカの実情を描いて物議をかもした有名な映画ですが、銃やNRA云々に関しては知識がないのでコメントを避けますが(根が深すぎて解決するのは難しいでしょうね…)、コロンバイン高校で起きた悲惨な銃乱射事件に、アメリカの極悪な栄養状態が関係しているのは間違いないでしょう。

主犯の生徒がうつのために抗うつ剤を内服していたというのは有名な話ですが、微量栄養素の欠乏は精神神経機能に大きな影響をもたらします(事件が発生したことそのものは抗うつ剤の副作用のせいだとも言われています)。


何しろ、以前取り上げた「スーパーサイズ・ミー」という映画でも出てきますが、学校給食がひどい。

給食が、ピザ、ハンバーガー、菓子パン、パスタ、フライドポテトなどのジャンクフードの嵐です。

そして学校にはコーラやスプライトの自販機があって、子どもがガンガン飲んでいるのですから、キレないほうがおかしいです。

(最近になってアメリカの学校内での清涼飲料水の販売が禁止になったのは記憶に新しいところですが)

しかしこれは学校も苦しいところで、福祉にかける予算が少ないために学校はお金がなく、安価な外食産業に頼らざるを得ないと言う事情もあります。

これらのジャンクフードは、脂質・糖質過剰で、タン白質やビタミン・ミネラルが欠乏した、最悪の食事です。

家で食べる食事だって似たようなものでしょうから、家でも学校でも、ほとんど毎日こんなものばっかり食べているわけです。


これらの食事では脳神経機能を正常に働かせるビタミンB群が徹底的に不足していますし(昔から栄養学の世界では「B足りんは脳足りん」と言うそうです)、砂糖やブドウ糖果糖液糖などをはじめとする精製された糖分の過剰摂取により、低血糖症が起きる可能性が非常に高いのです。

低血糖症は、脳がエネルギー源として必要とするブドウ糖の代謝異常ですから、うつや統合失調症、パニック障害、強迫神経症、凶暴性など、実に多彩な精神症状の原因となります。

私が思うに、いわゆる月経前緊張症(PMS)も低血糖症が主犯格でしょう(症状が非常に良く似ています)

低血糖症は、糖尿病患者さんがインスリンを打ちすぎた時に起こるアレではなく、精製された糖質の摂取により、インスリン分泌が過剰反応して、結果的に低血糖に陥る、というものです。

これは老若男女を問わず、広く現代人を蝕んでいます。

甘いものは体に良くない、というのは真実です。

(低血糖は非常に深いテーマなので、今度書きます。。。)


もちろんビタミンB不足や低血糖症だけでなく、体の材料であるタン白質や鉄や亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル、食物繊維なども足りません。ないない尽くしです。

ファストフード世代・コンビニ世代である我々が親となっている今、子どもたちの栄養状態は、想像をはるかに超えて悪いのです。


私には関係ないわ、とお思いの方。

決して、これはアメリカだけの話だと思わないでください。

アメリカよりは多少ましですが、日本も同じようなものです。

これはまたの機会に書きますが、今、日本の子どもたちが食べているものも、悲惨です。そして大人も。


そんな21世紀、日本がアメリカに誇れるものがあります。

それは、学校給食です。

いま、日本の子どもたちの食文化をかろうじて支えているのは、栄養と愛情をこめて作られた学校給食なのです。


VIVA!! 日本の学校給食!!

(冗談抜きで)

 



学校給食がないオトナのあなた。

あなたの栄養状態は大丈夫ですか?



2006年06月25日

赤ちゃんの値段

高倉 正樹
赤ちゃんの値段


恥ずかしながら、産婦人科医でありながら、こういう現実があるということをあまり認識していませんでした。

知らない人にはショッキングな内容です。

(帯のキャッチコピーはちょっと扇情的すぎると思いますが…)


悲しいことに、様々な理由で、世の中には望まれていない赤ちゃんが生まれてきます。

性に関する知識の乏しい若年者の妊娠、暴力による妊娠、不倫の果ての妊娠・・・。

または、親に養育能力がない、家庭不和などで、親元を離れざるを得ない子どもが、ある一定の数存在します。

 


そのような状況に陥る子どもをゼロにすることができない以上、そのような子どもと、子どもが欲しいという夫婦の間を取り持って、養子縁組させる、というのは最も望ましい解決策だと思いますが、現在のところ日本にはそのような公的な仕組みは存在しない、という現実。

 

そのため、実際の斡旋業務は民間の「養子斡旋業者」に任されていますが、ほとんど法的な規制はされていません。

届出義務を怠っても罰則があるわけでもなく、実際には「野放し状態」のようです。


そしてそのような斡旋業者による斡旋は、国内よりも海外へ斡旋されるケースが多いのだそうです。

厚生労働省によると、2000年度から2003年度までの4年間で計106人の養子が日本から海外の養親に斡旋されているそうですが、これは届出された一部の業者から報告された分に過ぎず、著者の独自調査では少なくとも70人以上が無届で海外に斡旋されたことが確認されたそうです。

日本人の養子はドラッグなどに染まっていないなどの理由で外国人に人気があり、常に需要が供給を上回っているらしいです。

 

少子化だ高齢化だと騒がれている昨今、あまりにも皮肉です。

 

斡旋という行為、また海外に養子に行くこと自体が悪いわけではありませんが、人身売買まがいの斡旋が行われていることも指摘されています。もちろんそのような斡旋業者は一部でしょう(そう願いたいです)

 

問題なのは、国も自治体も、実際に斡旋された子どもの数や、海外養子に行った後の経過など、国際養子縁組の実態を、

全く把握していない、ということです。

 

国際的に見ても日本の養子縁組に対する監視体制は不十分であり、国際的な非難を浴びています。

国連から何度も勧告されているにもかかわらず、全く何の策も講じていないのが我が国の政府の実態です。

強い憤りを感じざるを得ません。

 

民間レベルでは国内養子が推進されつつあり、過渡期であるようですが、まずとるべき対策は、国による公的な機関を作り、実態を把握すること、拘束力のある法律を定めること、国内の養子縁組を推進するための仕組みを作ることなどでしょう。

福祉を充実させて、片親などでも子どもを育てやすい環境にすることも必要です。

そして、性教育をもっとオープンにして、望まない妊娠を減らすことです。

 

国は、このような問題を含めて、小手先の少子化対策ではなく、子どもを産みやすく育てやすい社会にするように考えて欲しいと思います。

子どもがいなくなったら、日本は沈没してしまいますから。

 



 

ちなみに、少し前にこんな記事を見つけ、目を疑ったばかりだった私です。

これって本当なんでしょうか???

めまいがします。。。

 

 


今日は暗い話題ですみません。。。




2006年06月22日


私のクリニックには、以前結構長くお花屋さんに勤めていたスタッフがいます。


彼女がよくクリニックにお花を生けてくれるのですが、


いつも、さすがプロ!と言う感じでとても素敵なのです。


(手前味噌でごめんなさい(^ ^; )



今のお花です。



アジサイを中心に何種類かのお花を組み合わせているのですが、


アップでみるとこんな感じ。



微妙な色の組み合わせが素敵だなあと思った一品です。



この前は、花がだいぶ落ちたので表から引っ込めたランの花を切って、グリーンと組み合わせて、シンプルでありながらハッとするアレンジをしてくれました。


彼女はプロだったのでうまさはずば抜けてますが、それにしてもどうも私はセンスがないみたいで、自分ではほとんどやらなくなってしまいました。。。うーん。


お花のあしらいって本当に難しいですよね。。。


センスのある方がうらやましいな、と思います。


 



生きたお花には不思議なパワーがありますよね。


落ち込んでいる時でも、けなげに咲く花を眺めていると、物言わぬ花の生命感に力づけられて、元気が出てきます。


むしゃくしゃしたり、元気が出ない時、1輪でもお花を買ってきて生けると、癒しの効果があります。


匂いによるアロマ効果や感触によるタッチングの効果、また色によるカラーセラピーとしての効果もあるでしょう。


また、お花を生けるという行為にも、脳の普段使わない部分を刺激するので、リフレッシュ効果があると考えられます。




どうにも気分が冴えなくて元気が出ないという時は、お花屋さんに寄ってみる、というのも、現代人の健康管理には効果があるかもしれません。





2006年06月20日

子孫を残す細胞をまもれ!


武田 健, 日本薬学会
子孫を残す細胞をまもれ!―ディーゼル排ガスも環境ホルモン



環境ホルモンについて、とてもわかりやすく書かれた本です。

 

現代人の食生活とともに、この数十年で大きく変化したのが、環境問題です。

食の工業化による影響により栄養素のアンバランスが起きていること(カロリー過剰・微量栄養素の不足)、運動不足、ストレス社会など、人類の健康を害する要因は変遷していますが、環境ホルモンという新たな要因も無視することはできません。

 

この本によれば、工業的に生産される化学物質は増加しており、すでに登録された化学物質は2200万件、わが国で日常的に製造使用されている合成化学物質は6万種(!)に及ぶそうです。結構驚く数字ですよね。

もちろんそれらの化学物質が全て生物に毒性を持っているわけではないでしょうが、中には微量でも体内でホルモン環境を乱す働きがある物質があることが指摘されており、環境ホルモンと呼ばれています。

 

環境ホルモンは、内分泌かく乱物質とも呼ばれ、いわゆる毒物とは違い、少量でも生物の生殖機能などに影響を与えます。PCBDDT、ダイオキシン、ビスフェノールAなど、様々な化学物質が環境ホルモンであると指摘されています。

 

人体への影響についてはまだ未解明の部分が多いのですが、最も心配されるのは胎児への影響です。胎児期にそれらの物質に微量であっても晒されると、生殖器の発育などに影響を及ぼす可能性があるのです。

 

次世代への影響を考えれば、これらの化学物質を体内に取り込まないに越したことはありませんが、私たちが個人レベルでそれらの物質をとらないようにするには限界があり、完全に防ぐのは不可能です。

 

現実的には今のところ、体が持つ解毒機能を高めることしか対処法はない、ということになります。

解毒機能を高めるため、または化学物質による影響を受けにくくするためには、ホメオスターシス(生体恒常性)をつかさどる自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)、免疫系統などが、できうる限り充分に機能を発揮できる状態にしておくことが大切です。

(当たり前のことように思われるかもしれませんが、なかなか充分にと言うのは難しいのです)

 

神経伝達物質やホルモン、抗体などの免疫物質、解毒を行う酵素などは、当たり前ですが、もとはと言えば全て栄養素から作られていますので、それらの正常な代謝に必要となる栄養素を至適濃度に整える栄養療法が、これからの時代の健康維持に重要な役割を果たすのは間違いないと思います。




2006年06月17日

 

先日、所用のついでにちょっと息抜きしてきました。

 

木場公園にある東京都現代美術館(通称MOT)でやっている、「カルティエ現代美術財団コレクション展」。

ちょっと前にNHKの「新日曜美術館」で紹介されていて面白そうだったので、観に行きたいなあ、とうずうずしていた。

東京近郊の方は、電車の中吊り広告で見たことありませんか?

これ↓


Cartier.jpg


 

あ、これからへなちょこな感想を書くので、これから行こうという方は読まない方がよいかもです。

 

 

私は結構MOT好き。昔行っていたバイト先の病院から車で帰る途中にMOTがあったので、時々寄るようになった。

まあただの“なんちゃって現代美術ファン”なのだが(うんちくは全く知りません)MOTの何がいいって、とにかく空いてる()

都民の血税をぶち込んで作ったと思われる建物はとてもかっこいいのだが、大概空いてる。平日に行ける時しか行ってないからかもしれないが。

いやもちろん、単に空いてるからいいのではなくて、現代美術は空間芸術なので、人のまばらさ加減も重要なのですよ(自己フォロー)

ぼーっとできるしね。気分転換にはもってこいなのだ。

 

カルティエ現代美術財団はもちろんあのカルティエを母体とした財団で、パリを拠点に、現代美術作家に作品を依頼、買い上げて、作家の支援を行い、世界各国の優れた才能のある作家を発掘・紹介してきた財団だそうだ。

さすが芸術の国・フランスを代表する企業。素敵です。


In%20Bed.jpg

 

これは、ポスターにもなっているロン・ミュエクの「In Bed(2005)


これだけ見ると、ただの女性の写真のようにしか見えないが、実は巨大な人形のオブジェなのである。

実物大の人間とはスケールが全然違う。はるかに大きくて、そして滅茶苦茶リアルなのだ。

ベッドに横たわる女性の、頬に手を添えてちょっと憂いを帯びた表情は、一見暗いムードを漂わせている。

しかし見ていると不思議なことに、だんだんと親密さが沸いてくるのに気づく。

大きさのためか距離感が縮んで感じるのと、肌の質感とか顔や手のシワとか毛の生え際とか、手の甲に浮き出た静脈とかが、ものすごーくリアルなので、初めて会った人をものすごい至近距離で見ているような錯覚に陥ってしまうのだ。

そして、今日この人には一体どんなことがあって、何を考えているのか、どんな感情があるのか、などと、いろんな想像が頭の中を駆けめぐるのである。

そのようにして釘付けになって見ているうちに、ふと気付くと、今度はその表情が笑みを含んで、茶目っ気たっぷりのいたずらっ子のように見えてくる。

不思議!!

どうだ、面白いだろー!!と、人形を通して作家がニヤニヤするのを見ているみたいだ。

あー面白い。

 

そして、デニス・オッペンハイム。

 

私は旅先で美術館、特に現代美術館に行くのが好きなのだが、結構この人に会うのよね~(笑)。

(ってそれほどたくさん行ったわけじゃないんだけど)

この人って、デニス・オッペンハイムのオブジェの人形のことなのだが、ユーモラスで笑えるのである。とてもブラックな笑いだけど。

コミカルな人形の動きが誘い出す笑いの中に、人間の持つ矛盾とか、徒労感とか、絶望感とかを表現していて、とても印象に残る作品だと思う。

ヘルシンキのキアズマでも見たし、確かデンマークでも見たなあ、と思い、ミュージアム・ブックを探してみると、やっぱりいた。


Oppenheim.jpg


 

これはLouisiana Museum for Modern Artに収蔵されているもので(この美術館すごくいいです。コペンハーゲンに行く方はおすすめ。市内からはちょっと離れてますが)、タイトルは「Attempt to Raise Hell(1974)

人形の頭が動くのか鐘の方が動くのかは忘れたが、とにかく人形がオデコで鐘を打ち続けるというオブジェである。動きとか間とかがポイントなので、写真を見ただけじゃ面白さがわからないだろうなあ。

今回の展覧会に出ているのは「Table Piece(1975)。これもすごく面白いのでご覧になられるといいと思う。

ちなみに現在は全く違う作風らしい。

 

他にも、日本の若手、松井えり菜ちゃんもよかったし、森山大道も、ナン・ゴールディンもすごかった。

くわしくはこちらをどうぞ。

http://media.excite.co.jp/ism/099/index.html

欲を言えば、もっとゆっくり観たかった…。

 


現代美術は、笑えるから好きである。

吉本のお笑いを見るのとは求める笑いの種類が違うが、驚くべきアイディアとユーモア、もちろんそこには痛いほどの感情の爆発や、強烈な風刺、もろもろが混ざって、考えたり、ぞっとしたり、笑ったり。

評論家じゃないんだから、難しく考える必要はなくて、感じればいいのさ、と気軽に楽しむことにしている。

 

 

そして、私にとってMOTとペアになっているのが、門前仲町にあるイタリアン、「Passo a Passo」さんである。

http://www.gillie.co.jp/atable99/report/040614.html

MOTでアートを堪能した後、近場で美味しいものでも食べたいな~、という欲望から見つけたレストランなのだが、これが素晴らしく美味しいお店なのである。最近行ってなかったので嬉しい。

家からは遠いので、バイトの帰りかMOTに来た時のランチでしか来たことがないのだが、夜は予約が取れないらしい。

ランチはパスタを中心に、5種類くらい選べる。

先日いただいたのはこれ。


soup.JPG

 

温かいカリフラワーのスープ。素朴なようで複雑な味わい。


risotto.JPG

 

ズワイ蟹のリゾット、ホロホロ鳥の卵あえ。

細いアスパラガスと蟹肉を煮込んで米を炊いたものに、ホロホロ鳥の卵があえてあるそうな。

蟹肉が主張しすぎず、柔らかい味。

赤いのはコショウの実で、時々ピリリと利いて、絶妙なバランス!

お米はもちろんアルデンテ。


dessert.JPG

 

食後のコーヒーと、キウイとバジリコのシャーベット。隠し味はミント?めっちゃ爽やか。美味です。

 

(ああ、私は評論家にはなれません。。。こんな文章しかかけなくてごめんなさい)

 

なんとこれで1200円。驚き。(ワインは別)

 

私ごときが言うのもなんだけど、こちらのお料理の特徴は、とても優しい味にあると思う。

素人にもわかるくらい手が込んでいるのだが、素材の味を生かすためか、強い味付けはしていない。

私は最初ちょっと物足りなくて、よくフレッシュペッパーをかけてもらっていたのだが、この優しい味がここの味なんだ、と思ってからはかけてもらうのをやめた。フレッシュペッパーは美味しいけど、せっかくのお料理の味を変えてしまうこともあるものね。

シェフはまだお若いらしいのだが、素材に強いこだわりをお持ちのようで、築地に近いという理由でこの場所を選んだのだそう。

近くにあったら週3回は通うのに、と思うけど、渋谷あたりにあったとしたら客層が変わって落ち着けなくなってしまうかもしれないな。

 



久々に美術館に行って、美味しいものを食べて、雨には降られたけど、ガス抜きできた1日でした。

 

 

あ、そうそう。ホロホロ鳥の卵と普通の卵との違いがお料理からはよくわからなかったので、ちょっと調べてみたら、こんなものを見つけました。

http://www.dacho.co.jp/

ダチョウ倶楽部、じゃなくてダチョウ王国ですよ、皆さん。()

世の中にはいろいろな食材がありますね~(^0^

今度食べてみよう…。

 



 

(*一部文章を修正いたしました。あしからず)

2006年06月15日

 

1週間前に診察させていただいた患者さんのお話。


50代後半の女性の方で、主訴は「とにかく足が冷たい」。

半年前から、腰から下全体が冷えて痛くなって、どうしようもないとのこと。

内科や整形外科などいろいろな科を受診したが良くならず、更年期障害ではないかと言われたそうである。


ほかにも不眠などの不定愁訴がいくつかあったので、私の前のドクターには、更年期障害などによく使われるジアゼパム系の自律神経調整薬を処方されていた。

しかし、それらの薬ではちっとも良くならなかったということだった。



この方の状態は、下半身の冷感を主訴とした自律神経失調症と考えられるが、栄養療法という立場から診ると、このような症状の原因にはいろいろある。


まずタン白質が足りないこと(詳しくはこちら)。そしてビタミンB群の不足。および貧血・または鉄欠乏。

他にも挙げればいろいろあるが、これら栄養素のアンバランスが、こういった病態の原因の主要な部分を占めていると考えられる。

要するに栄養欠乏によりホメオスターシス(生体恒常性)が崩れ、体温調節がうまくいかなくなっているのだ。

こういう状態では冷え性だけでなく、いろいろな不定愁訴を起こしても不思議ではない。



根本治療としては栄養療法・食事療法が必要なのだが時間がかかるので、それらを同時にすすめながら、症状をとることを目的に「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」を出してみた。



で、1週間後の今日。

まず患者さんの顔つきが全然違った。血色が良くていかにも調子が良さそうなのである。

腰から下が全部冷たかったのに、膝から下だけになったそうである。

食事もタン白質系のものを中心に、いろいろと食べるように気をつけているとのこと。

とても喜んでいただいた。



こういうのは非常に嬉しい。

いろんな病院をハシゴしたのに治らなかったとか、西洋薬が効を示さない長患いの人などが、漢方薬や栄養療法でスカっと治ってくれると、まさに快感!なのだ。

まさしく「してやったり!」という気持ちになる。

(百発百中とは言いませんけどね…)



ほとんどの慢性疾患には栄養欠乏が関与していると言われている。

特に今回の患者さんのようなな自律神経失調症や不定愁訴症候群、更年期障害、月経前緊張症などは、栄養素のアンバランスが病態に関与していることが非常に多い。


栄養療法と言う視点から見ると、これらの病態の根本的な原因は栄養欠乏にあると考えられるので、本来は栄養療法が根本治療だと考えられるが、栄養療法が効果を発揮するにはある程度時間がかかる。

分子レベルで栄養素を至適濃度に整え、ホメオスターシスを回復するには時間が必要なのである(病態によってはすぐに良くなることもあるが)。


なので、可及的速やかに症状をとるために、漢方薬をうまく使っていくと、症状がとれてとても喜ばれる。

そうしながら、栄養療法によって体の土台を整えていく治療を行っていくと、患者さんは本当に元気になられるのである。しかも若返ってキレイになっちゃうというオマケつき。体の中から健康になっていくのだから、当然である。



こういうことは残念ながら「薬」(西洋薬のこと)ではできない。西洋薬は基本的には対症療法であり、根本治療ではないからだ。

なので、栄養療法と漢方・鍼灸を組み合わせて使いこなしていくというのは、自慢じゃないがとても素晴らしい治療方法だと思っている。



まず健康の基本は、栄養素である。これは間違いない。

そして、それでも起きる症状や、ホルモンや自律神経、経絡などのバランスの乱れには、漢方や鍼灸などの東洋医学が効果的だろう。

西洋医学による薬や手術は、本来はその後に選択すべきものだと私は思う。

薬では健康にはなれないのだ。



日本の医療現場でももっとそういうことに理解があれば、病気が減るのにね。



2006年06月13日


マクドナルド・ケンタッキーFC・ウエンディーズ・モスバーガー・小僧寿し・ミスタードーナツ・ファミレス・牛丼・スターバックス・・・。


外資系を含めた多種多様な日本の外食産業の市場がどのようにして出来上がって行ったか、日本マクドナルドの立ち上げとKFCのマーケティングに携わった著者が書いている。


切り口があくまでも「マーケティング」なので、私が期待したような(業界暴露本みたいな(笑))内容ではなかった。


しかし読んで強く思ったのは、私たちは食べるものを自分で選んでいるように思っているが、実際に食行動を動かしているのは経済であるということ。


経済によって私たちが手に入れられる食べ物は決められる。離れ小島で自給自足しているのでなければ。(あ、これも経済か。)


ファストフードが健康に与える影響についてはまったくと言って良いほど言及がなかったが(それが目的の本ではないのだろうから仕方ないが)、マーケティング担当者とはそういうものなのであろう。

というよりも、1970年代からの外食産業の変革で日本の食が変わり、経済だけでなく身体的にどんな影響が及ぶかということは、当事者は全く予想だにしていなかったことかもしれない。ファストフードで健康が害されるなんて、まったく頭になかっただろう。


選択肢が増えて、いろいろなものを食べられるのはいいことだ。

しかしその反面、日本の食が大きく変わり、便利を追求していった代償に失ったものはあまりにも大きい。

微量栄養素の代わりに大量のカロリーと添加物をGETして、料理する時間や手間と引き換えに家族の団欒を失った(←これは外食産業だけの影響とは言えないけど)。


何を食べようと自由だが、何を食べているのかということは理解して、賢い消費者になることが必要だと思う。

2006年06月11日

まずタイトルがサイコーです(笑)



ふざけたタイトルに反して、かなり真面目な本。

人口の60%が肥満もしくは過体重という肥満大国アメリカが、いかにしてそのような道を辿っていったのか?ということを徹底取材したノンフィクションである。


こうなったのにはいろいろな理由がある。経済問題、食料もしくは農業政策、貧困、遺伝子、食品工業のテクノロジーの発達、そして利潤を追求する企業、子どもたちの食・もしくは体作りに対する責任を放棄した(いろんな事情があったのだろうが)学校…。


私は、やはりアメリカの食全体がファストフード化して、カロリー過多の栄養失調になっていること、そして利潤追求の結果、量が大量になっていったことが、一番の原因だと思う。中でも、砂糖やぶどう糖果糖液糖(これは最悪!)の使用量が多いことは特に比重が大きいと思う。


しかしこれには、企業の責任が大きいことは疑う余地はないが、消費者の責任だってないとは言えない。


ファストフードはなんてったって便利だし、安上がり。

この忙しいご時勢に、3食自炊はやろうと思えば不可能ではないが、結構難しい。


こんなことブログで書いてる私だって、たまには食べるもん。

(あ、ちゃんと体によくないことは熟知しているので気をつけた食べ方をしています。念のため。マックはさすがに食べません)


しかし、毎日仕事だ子育てだ、と忙しく働いている世の女性たちに、そういったものを「一切食うな!!」というのも酷なことだろう。


でも、便利で安いものには「わけ」がある。

「なんでこんなに安いの?」

ということを考えれば、なんか変だなー、と言う気がしてくるだろう。

(その内容については前のログを読んでね)


私たちが普段食べているものがどんなものなのか、知ることは大事なことだ。

消費者がそれを、知っていて選ぶのと知らないで選ぶのでは大きな違いだ。


そして女性であれば、自分の食べるものが、自分の子どもや孫にまで影響を及ぼすことも知って欲しい。


どうしてもファストフードや加工食品に頼らざるを得なかったり、食事に気をつけたくとも難しい場合は、サプリメントをきちんと摂ることだ。


そうすれば、悪影響は最小限に抑えられるだろう。




あ、ちなみにここで言っている必要なサプリメントとは、CMに踊らされてCoQ10を飲むことではなく、基本的に体が日々の代謝に必要としているタン白質、ビタミンB、C、E、カルシウム・マグネシウム、鉄、亜鉛、食物繊維などの基本的なものを摂ってね、ということですよ。念のため。


ちなみに、ビタミンBとか鉄とか基本的なものが足りなくて、いくらCoQ10を飲んだところでほとんど効果ありません。


2006年06月10日

って最近しましたか?


私はしてないなー。


くやし泣きとかはあるけど。




号泣ってなんか気持ちが良さそうだ。


泣くにはいろいろな理由があるけど、何にしても感情を表出できるのはよいことだ。



心のどこかに抑えられた感情があったり、自分で自覚できていなかったり、要するにうまく扱えていないと、いつまでもその感情(大概においてはネガティブなものだ)を引きずって、後生大事に抱えて生きることになる。


まるで、漬け物石を引きずって生きているようなものだ。

(ていうか最近漬け物石って見ないけど(笑))


そして長いことそれに気がつかないでいると、体にしわ寄せが来ることもある。


胃痛や頭痛や腰痛などの体の痛みや、不眠症、生理不順、消化不良などいろいろな症状が起こりうるし、うつ病や統合失調症を発症するきっかけがそういうことであることもある。


だから、物理的な治療以外に、「お話する」ことが治療には必要な場合もある。


でも基本的には、医者や治療者はその助けをするだけで、患者さん自分自身が、理由を発見していくしかない。


 


何らかの形で、心の中に隠された感情を「摑んだ」時が、自分が知らなかった自分を発見する時でもある。


同時に、その感情を理解して、本当に受け止めた時、その抑えられた感情は湧き上がり表出され、涙が出る。


感情を本当に受け止めて初めて、その感情は昇華して、手放すことができる。


だから、泣くという行為には癒しの効果があると言うのだろう。


漬け物石を置いて生きていくには、泣くことも必要なのだ。



 


なんでこんなことを思ったかと言うと、私の好きなジャズユニット「Fried Pride」のShihoちゃんのブログにこんなエピソードが。


http://yaplog.jp/friedpride/archive/181


歌詞読んで号泣って。。


いいなあ。アーティストはこうでなくちゃ。


しかしこの曲は本当にいい曲なのだ。以前に書いたけど、まじで泣けます。




泣いたと言えば、学生時代この映画を観て大泣きしたことも思い出した。


ハリーとトント


ビクターエンタテインメント
ハリーとトント

今観ても泣けるかなあ。こんど観てみようっと。



2006年06月09日

ファストフードの食事の問題点を2回に渡って書いてきました。

読んでいてあまり楽しい話ではないでしょうが、書かなくてはなりません。

 

この映画に対する批判として、「毎日3食マクドナルドを食べる人はいない」という批判があるでしょう。

しかし、スパーロック氏のやったことは、決して非現実的なこととは言い切れないのです。


今まで述べてきた話はマックのみについての話ではなく、ファストフード全般、いわゆるハンバーガーショップやドーナツショップ、カフェ、コンビニなどを含めた、ジャンクフード全般に言えることです。


30日間3食マック」というのは、私たち日本人の感覚からしたら(日本人にもいろいろですが)、あり得ないと思う人が多いと思いますが、コンビニのお世話になったことがない人はまずいませんよね。


コンビニが「悪い」と言うつもりはありませんが、忙しさにかまけてコンビニのサンドイッチやおにぎりですませたり、カフェのベーグルとコーヒーですませたり、レンジでチンしたりお湯を注ぐだけでできる夕食、はたまたカップラーメンが大好きな人、ひどい場合はスナック菓子が食事代わり、と言う人はたくさんいます。

アメリカ人に比べたら摂取する総カロリーが少ないためにアメリカほどには顕在化していないだけで、我々日本人もジャンクフードによる健康被害を着々と受けているのです。


そのひとつの証拠が、子どもの肥満や生活習慣病が増えていることです。

また、私のところに来る患者さんで、(血液検査で)何らかの栄養欠乏のない患者さんを見たことがありません。

若い人ほど栄養状態はひどいと言えます。

 

スパーロック氏がこの映画を作ったきっかけは、ある二人の少女がマクドナルドを提訴したことからです。

肥満になったのはファストフードのせい、とマクドナルドを訴えた少女たちを、人々は笑いました。

ファストフードが悪いのを知っていて食べた本人が悪い、と思うでしょう。


しかし、彼女たちは本当にマックが体に悪いと知っていたのでしょうか?


おそらく、知らなかったのではないでしょうか?


子どもの頃からあまりにも普通に身近にあって安くて美味しい食べ物が、実は体に悪いということを、TVのコマーシャルで教えてくれることもなければ、少女雑誌で啓蒙してくれることもありません。


そして親や学校も教えてくれなかったら、子どもにどのようにして知る術があるのでしょう?

 

私は、栄養療法を実践するものとして、この「スーパーサイズ・ミー」という映画を非常に評価しています。

過激な人体実験、ユーモラスな描写、しかし確固たるリアリティをもって、ジャンクフードの危険性、ひいては「食の大切さ」を教えている映画であると思うからです。


だから、この映画に対する批判を見たとき、しばし悩みました。

この映画を批判する理由として、ジャンクフードは悪くないと主張する人たちは、本気でそう思っているのか(そうだとすれば頭が痛いです)、それともいわゆるネガティブ・キャンペーンの一環なのか、どっちなの??と思ったからです。


ファストフードが体に悪いと言うことはわざわざ言うまでもないことかと思っていたのですが、もしかしたらそうではなく、本当に知らないのかもしれない、と思ったので、今回書くことにしたのです。

 

と、つらつらと現代の食事の問題点について書いてきましたが、それでも、我々日本人にはまだ救いがあります。

それは、私たちには長年培ってきた世界に誇れる食の伝統があるからです。


私は「和食至上主義」者ではありませんが(コメを食べていれば健康であるというような単純な話ではありませんから)、和食という、軸となる食の伝統があるからこそ、水際でジャンクフードに「魂を売り渡さないで」すんでいるのだと思います(今のところは!)

 

私が行っている栄養療法は食事療法とは違いますので、食事内容を変えることが絶対条件ではないのですが、やはりきちんとした食事をするように努力することは大事なことです。

今しきりに「食育」が叫ばれていますが、子どもの時からよい食習慣を付けることの重要性を日に日に感じます。

そしてそのためには、母となる若い女性の啓蒙をしていかなければならないのです。

 

さあ、どうしたらいいと思いますか?皆さん。



 

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2006年06月08日

 

昨日の続きです。

 

「スーパーサイズ・ミー」という映画を観た感想から始まって、ファーストフードが持つ栄養学的な問題点を挙げてきました。

まず、エンプティ・カロリーと言うように、糖質と脂質は過剰であるにもかかわらず、ビタミン・ミネラルと言った微量栄養素や、タン白質・食物繊維と言った栄養素が欠乏していることがファーストフードの問題のひとつであることを書きました。

 

しかし、それらの食べ物の問題点はそれだけに止まりません。

 

その一つは言わずとしれた食品添加物です。また、そもそもの材料や、調理法にも問題があります。

 

「スーパーサイズ・ミー」ではマクドナルドがモーガン・スパーロック監督自身の人体実験の対象になっていました。

こういった企業は当たり前ですが利益を追求していますので、いかに販売コストを下げるかと言うことが至上命題です。

口当たりの良さや腐りにくさ・日持ちのよさ、加工のしやすさなどを改善しようと思った場合、その分添加物を増やすことになります(添加物はもっとも優れたコストダウンの方法なのです!)。

通常、食品添加物は目的に合わせて数種類以上のものが使われるのですが、単一の使用では安全性が認められていても、複数使用された場合の安全性はほとんど証明されていません。

また、マックのみならず、おおかたの加工食品に使われる肉は廃棄寸前のクズ肉です。クズ肉に山盛りの添加物を加えて練り上げて、美味しそうなハンバーグやパテが出来上がるのです。

また、揚げ物に使う油はどんな油でしょうか?高級てんぷら屋でもない限り、油は使い回しです。こういう業界では酸化しにくいように水素添加した半硬化油が広く使われています。こういう油にはトランス脂肪酸という自然界には存在しない脂肪酸が多く含まれており、これらは通常の油に比べ、動脈硬化や心筋梗塞を起こすリスクが非常に高いことが知られています(同じ理由でマーガリンは体に悪い油であり、ヨーロッパでは発売禁止になっている国もあります。日本では健康に良いと信じている人がたくさんいますが!)

 

そしてもうひとつの大きな問題は、これらの食品は飲み物などを含めて、砂糖や精製した炭水化物(小麦粉・白米など)の含有量が非常に多いということです。

これらは血糖値を急速に上昇させるので、インスリンを過剰に分泌させます。インスリンは糖を脂肪に変換するので、インスリンが過剰に分泌されている状態では太りやすくなります。その結果インスリン抵抗性を引き起こし、今流行のメタボリックシンドロームを引き起こす原因となるのです。

今回スパーロック氏に急激な肝機能異常が起きたのは、短期間に大量の糖質と脂質(しかもビタミンB群が欠乏した)を摂取したために、中性脂肪の産生が異常に上昇し、急激な脂肪肝が起きたと推察されます。

マック食で脂肪肝や肝機能異常が起きること自体はまったく驚きには値しませんが、1ヶ月と言う短期間であれだけの変化が起きたと言うことには正直驚きました。ここまで急激でなくても、こういうことが現代人には慢性的に起こっているわけです。

 

単純な糖質の害はそれだけではありません。

砂糖などの単純な糖質の摂取により、インスリンが過剰に分泌され、結果的に低血糖状態が起こり、これが様々な問題、特に精神症状(うつやパニック障害、キレる、幻覚・幻聴などの精神症状など)を引き起こすことが指摘されています。

低血糖は、糖尿病の患者さんがインスリン注射の量を誤った時に起きるものだ、というくらいの認識しか日本ではされていませんが、砂糖をはじめとする単純な糖質の摂取により、インスリンの過剰分泌や細胞での糖の利用障害などの糖代謝の異常を来たし、低血糖状態が起こります。そして低血糖状態は、うつや慢性疲労、倦怠感、失神などの症状の原因となります。

一方で、体が低血糖状態に晒されると、今度は血糖値を上げようとしてアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが過剰に分泌され、その結果イライラ、発汗、動悸、攻撃性などさまざまな精神症状を引き起こすのです。

また、低血糖状態に陥ると体が本能的に血糖値を上げようとするため、また糖質が欲しくなります。つまり「砂糖の中毒」状態になってしまうのです。

これらがさらに問題なのは、日本で低血糖症の診断が正確になされていることはほとんどなく、その多くはうつ病やパニック障害、統合失調症などと診断されて、多種類の抗精神薬などの治療を受けることになるということです(これは非常に怖ろしいことです!)。

このように、あまり知られてはいませんが、砂糖や精製炭水化物による低血糖の害は、密やかにしかし幅広く、現代人を蝕んでいるのです(この問題は深いのでまた後日)。

 

ジャンクフードには、これだけの(探せばもっとあるかも)栄養学的・医学的な問題点があります。

もちろん、食べる量が極少なければ(そしてその欠点を補うような食べ方を知っていれば)、この映画のような深刻な人体への影響は起こらないでしょう。

 

確かに、私たち日本人の平均的な感覚からすれば、スパーロック氏のやったことは「あまりに極端」だったかもしれません。

 

しかし間違いなく言えることは、量が多かろうが少なかろうが、こういうものを食べることが、決して

 

体に良いはずがない

 

ということです。

 

 

 

続きます。

 



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2006年06月06日

同じネタが続きますが、モーガン・スパーロック氏監督の「スーパーサイズ・ミー」という映画についてです。長いです。

 

(ネタバレ注意!まだ観ていない方で内容を知りたくない方は読まないでください)


 

この映画を観た後、この映画に関する批判や論争を、ネットで見られる範囲ですが、いくつか見ました。


私が驚いたのが、この映画の結末が私にとっては「さもありなん」であり、至極同意できる話だったのに対し、意外に批判的な意見が多かったことです。


 

「やり方が極端すぎる」


「マクドナルドでなくとも、同じものを食べ続けていたらこうなって当然(=だからマクドナルドの食事が悪いわけではない)」

 

「売名行為にすぎない」


 などなど。

 


知らない方のために書いておくと、この映画は、スパーロック氏が30日間3食マクドナルドを食べ続け、どうなったか、ということを描いたドキュメンタリー映画です。

その結果、彼は体重が11kg増加し、高血圧と肝機能障害になりました(1ヶ月の間にGOT1817186IU/lGPT17471240IU/lと推移したということです!)。

尿酸値も上がり、頭痛、胸痛、倦怠感、脱力感、イライラ、うつ状態、性欲の低下などの症状を呈しました。

 

この映画に対する反論として、同じ実験をやったところ、太るどころかやせました、という実験結果を公表している人たちがいます。

 

しかしこれは摂取カロリーがかなり抑えられたもののようで、いくら3食マックでも、それ以前の摂取カロリーよりも減らせばやせるに決まっています(健康的なやせ方とは言えないのでおすすめできませんが)。これはフェアではないので比較の対象にはならないでしょう。

 

この映画を批判する「ボウリング・フォー・モーガン」という自主映画まであります(もちろん、「ボウリング・フォー・コロンバイン」をパロっています←私は観てないのでよくわかりません)。

 

確かに、彼の実験では摂っているカロリー量がかなり多いです。50006000kcalを、13回のマック食で摂っていたようです(考えただけで気持ちが悪くなりますが…)。


私も、モーガンはそれまでどんな食生活をしていたのか?と言うことが気になりました。


彼の本によると、大の料理好きのお母様のおかげで、かなり栄養的には良い食事をしていたようです。カロリーもそこまでは摂っていなかったはずです。


マックでなくでも、急激にカロリーを増やして運動もしなかったら、もちろん太るでしょう。

本当は、カロリーを同じにして、いろんな食材を組み合わせた栄養バランスのよい健康的な食事と、マック食を比べる、ということをやっていたら、このような批判は起こりにくかったのではないかと思います。

(そのかわりインパクトは薄れますね)


しかし、そうしたとしても、やはりマックは体に良くない、という結果が出るであろう、と私は思います。

問題はカロリーではなく、「食べ物の質」にあるからです。


マクドナルドだけでなく、ファーストフードやコンビニなどで買えるハンバーガーやサンドイッチ、スナック、おにぎりなども含め、多くの加工食品はいわゆる「エンプティ・カロリー」と言われるものです(そうじゃない加工食品ももちろんありますが)。

エンプティ・カロリーとは、脂質や糖質といったエネルギー源は十分に(過剰に!)入っているのに、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素やタン白質、食物繊維などが極端に不足している食べ物のことです。

(ファーストフードはタン白質が多いという印象がありますが、総カロリーにおけるタン白質の含有量はあまり優秀ではないと思います)

 

脂質・糖質というエネルギー源だけを摂っても、エネルギーを産生するために必要なビタミンB群が十分でなければ、エネルギーを産生することが充分にできないので、太りやすくなります。

同じカロリーの食事を摂っていても、ビタミンB群が充足しているかいないかで太りやすさは全く違います。

また、単純な糖質を摂るということは、ただでさえ足りないB群をさらに消費することになるので、精神面にも影響がでます。つまりキレやすくなります。人によってはうつの傾向も出てくるでしょう。ビタミンB群は脳神経機能に非常に深く関与しています。

また、お肌の代謝も悪くなるので肌荒れやニキビ、くすみなども起こります。

 

鉄や亜鉛などのミネラルも不足していますから、貧血や免疫力の低下、肌のトラブル、性機能障害、子どもだったら成長障害などが起きても不思議ではありません。

カルシウム・マグネシウムの不足は精神面にも影響を来たしますし、神経や筋への影響や、長期的に骨粗鬆症などのリスクを増やすでしょう。

食物繊維が足りなかったら、便秘や腸内環境の悪化による問題が起きてきます。

 

しかし、これらは栄養素が「足りない」ことによる悪影響なので、極端な話、エンプティ・カロリーを摂っていても、サプリメントで補充すれば解決できる問題です。

(しなかったら健康状態がかなり損なわれることは確実でしょう)

 

しかし、足りないだけでなく体にとって必要でない、はっきり言えば害になる成分も、これらの加工食品は含んでいます。

 


続く。



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2006年06月04日

今NHKでやってました。


子どもの糖尿病(Ⅱ型)-2.7倍

子どもの高脂血症-10人に一人


(何年間で、というのはメモし忘れました、ごめんなさい)



先日、「スーパーサイズ・ミー」という映画(前々回ご紹介)の監督、モーガン・スパーロック氏が書いた、「食べるな、危険!」と言う本を買いました。


その本の表紙には、「これがアメリカの現在、日本の明日。」というキャッチコピーが。


あながち、誇張しすぎた表現でないかもしれません。




子どもの頃から、生活習慣病の傾向がある児を入院(!)させて、食育指導をしたところ、嫌いな野菜を食べるのがあまりにも嫌で、大粒の涙を流す子どもたち。


しかし、TVを見ていると、親御さんもかなりがんばって子どもたちにちゃんと食べさせようと努力はしているようなのです。


でも、子どもたちが「食べない」、と。


自分の好きなものしか食べなくなったのは、加工食品が増えて、子どもが美味しい!と言う人工的な味しか受け付けなくなってしまったことや、砂糖の中毒になっていることが考えられるでしょう。


親にも親の都合があるので、良くないとわかっていても、ついつい子どもの好きなものだけ与えてしまう。


これは、便利に流れてしまう人間の習性もあるでしょうし、何かしらお互いを傷つけないような甘え、そして具体的にどんな?と言われたら困るのですが、なにか大事なものが抜け落ちているような気がしました。


言うなれば、「厳しさ」とても言うような…。


私は親になったことはないので、子育てに関して偉そうなことは言えません。


でも、親だけの問題ではなくて、社会の仕組みそのもののような気がします。


豊か過ぎる社会の影響でしょうか?



最後に、「好き嫌いのない子どもたち」という紹介がありました。


小学校で、野菜を子どもたちが育て、それを給食で調理してもらうのです。


育てる過程や苦労を知ることで、好き嫌いがなくなる。


ああ、そうか、と思うと同時に、こういうことって大事だよな~~~!!っと思いました。

 



それと、この手の番組でいつも思うのが、「タン白質が多すぎる」「肉が多すぎる」と言う指摘。


なぜ「砂糖が悪い」と言わない?


なぜ「精製した炭水化物が悪い」と言わない?


子どもたちがタン白質を欲するのは、成長期なのだから当然です。


それよりも、「砂糖の害」を訴えるべきです。


NHKさんなのだから、広告をもらっていないのだから、正しいことを言って欲しいです。

といってもサザンとかではありません(もちろんサザンも好きですが)。


HipHopBop.jpg


HIP POP BOP

人気ジャズシンガーのakikoちゃんの4年前のアルバムです。


彼女の作品の中では今の季節に一番ぴったりな一枚。


最近出たベストも、その前のも良かったのだけど、私はこれが一番好きかも。


popで聴きやすいというのもあるし、爽やかで、キラキラしていて、可愛いのです。


(ああ~ボキャブラリーがなんと貧困なことよ…)


全体的には若々しいのですが、最後にはしっとりとした余韻が残ります。


akikoちゃんのオリジナル曲も結構入っていて、彼女の豊かな才能を感じさせます。


私は傑作だと思う!!


ジャズを聴きなれない人にもお勧めです 音譜

2006年06月02日



ついに観ました。

買おう買おうと思っていて買いそびれていたのですが、ツ○ヤにいっぱい並んでいたので思わずレンタル。




30日間、3食マクドナルドを食べ続けたらどうなるか?




想像してください。


この話、何年か前にアンチエイジング系の勉強会で講師のドクターが、「オフレコだけど・・・」と言って教えてくれた話なのですが、その後映画化されたのでびっくり。


感想は、非常に面白かった!です。

しかし、肉体改造と違って、さすがに自分でやってみる気にはなりません。


あんまり内容書かないほうがいいのかな?

ネタバレになっちゃう??


最初は笑いながら観ていたけど、しまいには笑えなくなります。

とても貴重な実験だと思いました。


詳しくはまた書きます。


是非一度ご覧になることをお勧めします。

2006年06月01日

某ソーシャルネットワーキングサイトのニュースに、

「紛争の地に日本の母子手帳=普及へ説明会―パレスチナ」

と言う記事が出ていたので、ふむふむ、と思いながらたどっていったところ、ここにたどり着きました。


http://www.jica.go.jp/evaluation/before/2005/pale_02.html




母子保健が確立されていないところは世界中にたくさんあると思います。

特に中東のような紛争地域では、母子の健康を守るどころか、生きていくのに必死でしょう。

イスラエルの妊産婦死亡率は10万対100、乳幼児死亡率は1000対27(UNICEFの推計値)だそうです。

日本の妊産婦死亡率は2001年のデータで6.5、乳幼児死亡率は2002年で3.0です。

なんだかんだ言って日本は恵まれています。


母子保健を向上することはどの国でも重要課題です。

妊婦検診や乳幼児健診のシステムを作って、妊娠・出産・育児が安心してできるようになるのは素晴らしいことです。

JICAがこんなことやってるとは知らなかったので、JICA素晴らしい!日本人の活動素晴らしい!と思いました。

が、私がちょっとびっくりしたのは、日本側の費用負担が一億八千万円…。

素晴らしい、素晴らしいけど、崩壊寸前の日本国内の周産期医療にも、そのくらいの投資をしてくれないかなあ?と思ってしまった私でした。

財源が全然違うんでしょうけど。。

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Optimal Health オプティマル・ヘルスとは、「最高の健康状態」を意味する言葉です。
「病気ではない」という消極的な意味での健康ではなく、エネルギーに満ちた快適な状態でいられること。
その人らしい人生を思う存分過ごすこと。
すべての患者様にOptimal Healthを得ていただくことが、私達の願いです。


未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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クリニック ハイジーア


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「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。