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2006年07月28日

ここのところ軽く放置気味で、すみません。。。


忙しいとなかなか真面目な記事を書けないのです。


と言いながら、今日だって真面目な話ですが、閑話休題。


PMSの続きを待ってくださっている皆様、ごめんなさいm(_ _)m


でも今日の話も、とっても大事な話です。



おお~~、タマゴよ、なんて君は偉いんだ!


美味しい上に、栄養豊富、しかも安い!ときたもんだ。


(変な時間なので、ちょっと壊れてますね…)


真面目な話、タマゴの食品としての優秀さが、余すところなく書かれた本です。


栄養学的にも非常に素晴らしいことが書いてあります。



コレステロールが上がるから、タマゴを1日1個に控えている人、手をあげて!!


手をあげたあなた、実はと~っても、損してます。ああ悲しい。


タマゴは、とっても素晴らしい食品です。


まずタン白質の質が非常に良い。アミノ酸バランスに優れています。1個当たり約6.5gのタン白質が摂れます。素敵!


そしてビタミンA、B、カルシウム、鉄、レシチンなどの栄養素が含まれています。(量はそんなに多くないけどね)


そして確かに、コレステロールも含まれています(1コ当たり約250mg)。


惜しむらくは、世の中にはびこる、「コレステロール悪玉説」。


これが、タマゴの世間での評価を落としていると思うと、いてもたってもいられない、こともないけど、非常に残念だ。


まず、コレステロールは悪者ではなく、身体にとって必要なものだ、と覚えてね。


コレステロールは、ホルモン(女性ホルモン・男性ホルモン・副腎皮質ホルモンなど)の材料や、細胞膜の材料でもあるし、胆汁酸(脂肪を消化する消化液)の材料でもある。

血中に含まれるコレステロールは、食べたから血液中にあるのではなく、80~90%は必要だから肝臓でわざわざ合成しているのだ。


そもそも、コレステロールがなんでタマゴに沢山入っているのか考えてみて欲しい。

受精卵がヒヨコになるのに必要だから、入っているのである。


人間のオトナにだって、コレステロールは必要だ。


そもそも、血中コレステロールは、高いより低い方が死亡率が高い、って皆さん知ってましたか?


コレステロールが低いと、低くない群に比べて、全体の死亡率が高いが、そのうちガンの死亡率が高い。


コレステロール値は、ホルモン分泌にも影響しているし、また神経などにも多く含まれているので神経機能にも深く関与している。つまり、低コレステロール血症は、ホルモンや自律神経などに影響を及ぼして、癌の発生率を高める、と考えられるわけね。

また、うつとの関係も指摘されているのです。

うつの人、最近多いよね。。。


コレステロール=悪人、と考えている人は、考えを改めた方がよいです。


もちろん、ある程度高かったら死亡率は上がります(300mg以上とかで)。


でも、他にリスクの無い人だったら、240~250くらいは全然問題なし!というのが、世界的な考えです。


そして、勘違いされているのが、コレステロールが多い食品を食べると、血中コレステロールが上がる!ということ。


これは、間違い!と言っていいのです。


人間の体は非常に精巧で、沢山食べたから血液中のコレステロールがすぐさま上がるなんて、単純なものではありません。


コレステロールは、ほとんどは肝臓で作られている、と言いましたね。


ということは、ちゃんとコントロールができるのです。


沢山食べたら、肝臓で作る量を減らすし、足りなかったら沢山作るのです。


VIVA、人体!!


(酔っ払ってません)


それに、人によってはタマゴを沢山食べてコレステロール値が上がる人もいるけど、上がったとしても善玉も上がるので、心配御無用、というわけ。


女優の森光子さんは、1日5個、タマゴを召し上がるそうです。(3個と言う説もあり)

 

そしてお肉もとても沢山召し上がるそうです。


あのお年で、あの若さ、美しさ、元気…。


タン白質の重要性をご存知でなければ、ああはなれない。


間違いない。



タマゴは、とっても重要なタン白源です。


コレステロールを気にして、タマゴを控えるなんて、

もったいない!!もったいなさすぎる!!


というわけで、若さと美貌と健康を維持したい方は、タマゴを食べよう!キャンペーン実施中です。


(アレルギーがなければね)




それにしても、さりげないけど本当にいい本です。憎い。


私がカウンセリングで言っているのと同じ内容が結構書いてあります。


受診する方が、これをお読みになってから受診されるとよいな。。。

2006年07月23日

 

(前回のエントリの続きです)

 


怖ろしいことに社会的にまだそれほど自覚されてはいないが、日本人の食が崩壊し、栄養欠乏が日本人の健康を静かに蝕みはじめたのと、ほぼ時を同じくして、PMSを訴える患者が目立ってきたこと(実数が増えたかどうかは定かではない)は、ただの偶然の一致なのだろうか?

 


私は、非常に関係があると思っている。


全く関係がないと言い切ることのほうが、むしろ不自然だろう。

 


なんでも栄養に結び付けて考えてしまうのは私の悪い癖かもしれないが、栄養欠乏とPMSとは切っても切れない関係である、と私は思っている。


PMSの本態は栄養欠乏である、とまで断言するにはもう少し研究が必要ではあるが、主役に近い役割を担っているのは間違いないだろう。

 


では、一般的には、PMSの原因は何であると言われているのだろうか。

 


現在のところ考えられているPMSの原因は多岐にわたっており、一見どれもあてはまりそうだがどれも曖昧で、はっきりと“ネズミの尻尾”はつかめていない、というのが一般的な見解だ。

 


PMSの研究者であるアメリカのリネヤ・ハーン氏によれば、現在指摘されている原因は、以下の通りである。

 


①    甲状腺機能不全


②    カフェインの摂りすぎ


③    偏った食生活、とくに砂糖、ノンカロリーシュガーの摂りすぎ


④    ビタミン・ミネラルの不足


⑤    エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のアンバランス


⑥    睡眠障害


⑦    適切でない照明・光


⑧    カンジダ症


⑨    運動不足


⑩    ストレス


⑪    食物アレルギー


⑫    寄生虫


⑬    環境過敏症


⑭    水銀製の歯の詰め物


⑮    副腎皮質機能不全


⑯    ひどい肉体的虐待または性的虐待

 


ごらんのように、非常に多く要素が原因として考えられている。

 


リネヤ・ハーン氏は、PMSを「いくつものピースからなるジグソーパズル」と呼んでいる。


PMSはこれらのパズルのピースが複雑に組み合わさって作られている病態であり、しかもそのピースは人によって違うというのだ。

 


ということは、ピースの組み合わさり方によってPMSの症状には個人差があり、そして対処法も違ってくると言うことだ。

 


私としては④の「ビタミン・ミネラルの不足」を、「タン白質・ビタミン・ミネラルの複合的な欠乏」と言い換えたい。


これが、PMSを起こすもっとも基本的な素地となる部分で、それに体質やストレス、睡眠障害などの多彩な因子が加わって、症状を起こす、と考えるべきだと思う。

 


そして、さらに「環境ホルモン」も原因としてリストアップするべきもののひとつだろう。

 


次回はこれらの考えられる原因についてもう少し解説してみたい。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

2006年07月20日

(前回のエントリの続きです。)

 

 


PMSが英国でこれほど社会的に認知されているのは、間違いなく英国ではPMS患者が多いからだろう。


そしてPMSが一端を担うと考えられる女性による問題(犯罪や家庭内暴力など)が、放置できないほど深刻だ、と言うことだ。

 


何故、英国ではこんなにもPMSが深刻なのだろうか?

 


私は、このような英国でのPMSの扱われ方を知ったとき、英国人の方には大変申し訳ないが、英国の栄養状態は相当悪いに違いない、と思わざるを得なかった。

 


以前に、母体の葉酸欠乏により起こる先天奇形である神経管閉鎖障害(NTDs)の問題を書いた。

妊婦に葉酸欠乏があると、発生の過程で胎児の神経管がきちんと閉じないで、二分脊椎症などのNTDsを持って生まれてくる率が高くなる。


NTDsの発生率はその母集団の葉酸の摂取状況を反映しており、つまりはその国の栄養状態を表すひとつの指標であると考えてよいだろう。


そしてNTDsを防ぐために世界的に葉酸を食品に添加するようになる以前に、もっともNTDsの発生率が高かったのは英国だった。


かつての日本での二分脊椎症の発生率は出生1万人に対し2人程度だったが、英国は15人だった。


その後、英国では食品への葉酸添加を行うという政策が取られ、その結果、1人程度に減少している。


その逆に日本では、NTDsはじわじわと増えており、1998年の時点で二分脊椎症は3-4人、NTDsは6人と、なんと先進国では最も発生率が高くなってしまった。


日本でNTDsが増えているのは、日本人の食生活が大きく変化し、栄養状態が着々と悪化している証拠のひとつだと言えるのだ。

 


私は英国に住んだことはないので、英国の食事情を実感としては知らないし、もしそうでないとおっしゃる方がいたら逆にご教示いただきたいのだが、かつての英国における二分脊椎症の発生率を見ただけで、私は英国人の食生活がどんなものなのか(だったのか)、瞬時に理解できた気がした。


ビタミンやミネラルを豊富に含んだ新鮮な野菜や、体を作る基本的な材料であるタン白質や、ホルモン環境を良い状態に保つためにはたらく良質な脂質などの栄養素が不足した、栄養学的に見て貧しい食事であろうということは、容易に想像できる。

 


そして、胎児の発育に支障を来たすほど、低栄養であること(カロリー=栄養ではない!)が当然、母体である女性自身の体にも変調を来たすであろうということは、至極納得のいく話なのだ。


PMSは、その現れに過ぎない、と私は思うのである。

 

 


続く。

 

 

 

 

2006年07月18日

ロンドンには、PMS専門クリニックがある。

 


それを知っただけでもちょっとした驚きだったのだが、それだけではなく、なんと英国では、PMSが殺人罪や放火罪における限定責任能力(*註)の理由として、また、他の刑事上および民事上の犯罪における減刑の理由として、受け入れられているそうだ。

 


(*註:精神遅滞・精神異常などの理由により犯罪者の刑法上の責任を減じること)

 

 

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キャサリーナ ダルトン, Katharina Dalton, 児玉 憲典
PMS法廷に行く―月経前症候群と女性の犯罪

 

 

 

 


これを知ったときは、結構驚いた。


日本ではようやくその言葉が知られつつあるPMSが、英国では30年ほども前から社会的に、女性が起こす問題、極端な場合、犯罪を犯す理由のひとつとして、認知されているということだ。

 


PMSとは、Premenstrual Syndromeの略で、日本語では月経前症候群と言う。

 


月経のある女性なら、程度の差こそあれ、月経前の体の変化を感じたことがあると思う。

 


むくみ、便秘、乳房の張り・痛み、下腹部の張り・痛み、だるさ、疲れやすい、眠気などの、身体的な症状から、イライラする、怒りっぽい、キレる、攻撃的になると言う人や、逆に、うつになる、情緒不安定になる、落ち込む、涙もろくなる、マイナス思考になる、やる気がなくなる、集中力や判断力がなくなる、食欲が亢進する、など、様々な精神的な変動を伴う。

 


重要なのは、そのような症状が「月経が始まる前に症状が反復してみられ、月経後には症状がみられない」ということだ。


月経後にも症状が存在するのであれば、それはPMSの症状ではない。

 


症状があっても軽い程度のものなら、あまり病的とはみなされないが、社会生活や家庭生活に支障を来たすほど、強い症状を持つと言う場合も少なくない。


もちろん、PMSのために自制が効かなくなり、犯罪を犯すような人たちは、その中のほんの一部(ダルトン女史によると0.1%)である。

 


心当たりがある、という方は多いと思うが、その有病率は、報告によってまちまちだ。


10%と言う人から95%と言う人もいる。要するにどの程度から病的とみなすかで違ってくる。


実際には自分の月経周期とその症状の関連性に気付いていない人も多く、自分がPMSだと気付いていない人も多い。

 


それにしても、この数年ほどで、PMSを訴える人は本当に多くなってきた感がある。


英国では法廷でもその存在が取り沙汰されるほど、その存在が知られているPMSが、なぜ日本では最近になって目立ってきたのだろうか?


日本では英国ほど多くなかったPMSが、実際に増えているのだろうか?


それとも女性の社会進出などを背景に、女性たちが今までは我慢していた症状を、表出するようになってきたのだろうか?

 

 

 


続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2006年07月15日

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はい。ちょっと「今さら」感が漂いますが、「ユア・ビューティフル」で有名なジェイムス・ブラントのライブアルバム、DVDつき。


人間なんだから、きれいなところばっかりじゃないはずなのに、なんでこんなに無垢な感じがするんでしょうね、この人は。

懸命なようにも見える、歌っている彼のピュアな眼差しに、釘付けになってしまいます。

「ユア・ビューティフル」をはじめ、楽曲の良さはもう言うまでもないですが、若いのに歌がうまいというのを超えてソウルフル。

純粋なのか、不器用なのか、びんびん響きます。

女性で言うとアラニス・モリセットに似てるかな。


映画「グラン・ブルー」もそうだったけど、女性は「少年のような心を持った」とか、「ピュアな(風に見える)」男性に、何故か弱い。(私だけではないはず!)

ピュアに見えるのと本当にピュアかどうかは別問題だし、純粋なのはよくても変にまっすぐ過ぎて周りに迷惑をかけたりして結構困り者な場合が多いと思うのだが、ハートを摑まれてしまうのはなんでなんでしょうね。

今日はあまり考える気がしないので、どなたか解説してくださいませ UFO

(適当でごめんなさ~い。。)


今日はこれにて。。 波



2006年07月12日

すっかり夏ですね!

蒸し暑くても、四季の変化のはっきりしているのは気持ちがいいです。


さて、先日、TBS系の「誰よりもママを愛す」というドラマを見ました。

(内田有紀ちゃんはやっぱり可愛いですね~)

 

田村正和さん扮するお父さんが「家庭を切り盛りする主夫」をする「ちょっと変わった家族」という設定のドラマのようですが、伊藤蘭さん扮する「一家の大黒柱」のお母さん以外の家族全員が、食卓を囲んで仲良く団欒しながら夕食を食べている、という場面がありました。

 

TVドラマを見ていると、このように「家族全員で食卓をかこむ風景」(この場合お母さんは帰宅していなかったのでいませんでしたが、家にいる家族は全員揃っていました)というのがお決まりのように出てきます。

 

私たちも、なんとなく、それが本来の家族のあり方であり、どの家族も同じようにしているのではないか、と漠然と思っていると思うのですが、実はこのような家族団らんの風景というのは、現代日本では

「幻想に近い」

ということをご存知でしたか?

 


これはNHKの番組で、子どもたちに食事の風景を絵に描いてもらうという、画期的な調査を行ったものなのですが、現代の子どもたちの「食の現実」というのをまざまざと見せ付けられます。


朝食はおろか、夕食も一人で食べる子どもたち。

 

親や兄弟がいても、TVを見たり、他のことに忙しくて、一緒に食べず、「ただ黙々と食べる」子どもたち。

 

お母さんが作ってくれないので、パンと牛乳だけ、夕食はたこ焼きやホットケーキ。もしくはカップ麺か、コンビニのお握り。

 

親と食べると「いろいろ言ってうるさいから」一人で食べる方がいい、という子どもたち。

 

朝起きられない、だるい、疲れやすい、頭痛がする、そしてイライラする子どもたち。


「子食」「孤食」「個食」

などと言われる、孤立した食事の実態と、栄養素の乏しい貧しい食事。

 

家族全員で食卓を囲む風景、また、理想とされる「一汁三菜」と呼ばれる献立のお宅は、非常に稀です。

 

家族団らんを失うということは、同時に栄養素をも失っているということです。

 

そんな食の世界の中で、悲しいことに、我が国日本の子どもたちの多くは、育っているのです。



そして、どうして子どもたちはそういう環境に置かれてしまうのか?という問いに対するひとつの示唆が、この本にあります。



アサツー・ディ・ケイという広告代理店のマーケティング調査の一環で、主に30代から40代前半の主婦にアンケートをとったものをまとめた本です。



現代の母親の、栄養に関する無知、食に対する比重の軽さ。


ちゃんとした食事を作る時間や経費があったら、それらを切り捨てて娯楽や教育費用に当てる。


子どもの栄養よりも、主婦の都合や体裁を優先する。

それが将来どんな結果を及ぼすかということを、深刻に考える主婦はあまりいないようです。


食事や食卓を軽視する、刹那主義的な現代主婦の感覚に、めまいを覚えます。


あまりにも、あまりにもひどいです。




一家が揃って食卓を囲んで団欒しながら食事をすること。


これはすでに「幻」と言っていいようです。


食の乱れは、栄養がきちんと摂れないというだけの問題ではなく、我々日本人の価値観そのものが大きく変わりつつあることを示しています。


栄養素の不足は子どもたちの体や精神の発達に悪影響を及ぼす、というだけでなく、一人での食事は、家族の絆や、人間関係の築き方、ひいては「人間らしさ」というものの形成に、支障を来たすのではないでしょうか。


人間をはぐくむ基本単位である「家族」が、「食」から壊れている。


そんな日本人の姿が見えるようです。


我々日本人は、一体どこへ行こうとしているのか。


「便利」というものの代償に、私たちは何を得ようとしているのか。




もう少し、単に「栄養を摂る」というだけではない「食」の意義を、見つめなおしていかなくてはいけない、と思います。




それぞれの本については、後日もう少し詳しくご紹介したいと思います。




 

2006年07月08日

今日は、第7回国際統合医学会に参加してきました。

と言っても夕方遅めからの参加で、最後の方しか聴けなかったのですが。


アメリカのアンチエイジング医療の権威で、そのスジでは超有名なDr.Garry Gordonのお話が、やはり興味深かったです。


Dr.Gordon


知りませんでしたが、Dr.Gordonも、「分子栄養学の父」と呼ばれる偉大な科学者、ライナス・ポーリング博士によって、新しい医学の概念である分子栄養学の世界に「目を開かされた」そうです。

分子栄養学「Orthomolecular medicine」という概念はアメリカではポピュラーなんでしょうね。うらやましい限りです。

71歳とは思えない若々しさでした。


博士の講演は、主にRNAサプリメントを使ったアンチエイジングと、これからは「Nutritional Genomics」の時代だということでした。

個々の人間で異なる多様な遺伝子に合わせて栄養素を補給しよう、と言うことのようです。

遺伝子治療や、遺伝子に基づいた創薬などはすでに行われており、テーラーメード医療と呼ばれていますが、「ゲノムの次のフロンティアは栄養ゲノミクス」であるというのがアメリカの(Dr.Gordonの?)先端のようです。

私もそう思っていました。

いくら遺伝子治療が発展しようが、遺伝子を発現させるためには栄養素が必要です。

栄養素なしには人間の体は機能しないのです。

それにしても、遺伝子の違いに合わせて栄養素を摂ろうという発想は、栄養やサプリメントの意識の低い日本の医療界の現状からすると、あまりにも先の話しすぎて、ため息が出てしまいます。

遺伝子治療云々の前に、栄養素をちゃんと摂れ!!と言いたくなります。


最後のパネルディスカッションでも何人かの先生方(日本の)がおっしゃっていましたが、いまや世界は「統合医療の時代」です。

西洋医学だけでなく、東洋医学やハーブ、キレーション、栄養素など、様々な治療法を取り入れるのが世界の傾向であり、そうしないクリニックには患者が行かない傾向になっているそうです。

あまりにも現代西洋医学信奉で、これほど医者がサプリメントに理解がないのは、残念ながら日本だけです

「日本人は長寿で健康」神話に浸っているうちは、気がつかないのかもしれませんね…。


2006年07月05日

(前回のエントリ、日産婦シンポジウム「妊娠と栄養―妊娠中の適切な栄養管理をめざして」の演題3 、「妊娠中母体低蛋白栄養が胎児胎内プログラミングに及ぼす影響とその発現メカニズム」(演者:順天堂大学産婦人科 伊藤茂先生)の続きです)

 

 

以上を、簡単にまとめると

 

        母体のタン白質不足によって妊娠子宮の血流が低下する。


        新生児の体重に差はなくても、母体のタン白質不足は、将来子どもの高血圧を引き起こす。(可能性として動脈硬化・心筋梗塞・糖尿病などのいわゆる生活習慣病なども)そして卵巣ホルモン(エストロゲン)はそれを抑える方向に働く。


        母体のタン白質不足は、その子どもが妊娠した際にも胎児の発育不良を起こす

 

という可能性が示唆されたということです。

 

 

これはとても重要な実験結果だと思います。

私はこの実験結果には至極納得すると同時に、とても危機感を抱いています。

何故かと言うと、これは現実に起きていることだと思うからです。

 

このブログでは口を酸っぱくして言っているように、ほとんどの若い女性はタン白質が不足しています

現代人はタン白質を摂りすぎであると言われているのは、誤りです。

理由は、太ることを恐れていること(タン白質は太らないのですが、太ると誤解している人が多いのです!)や、コンビニやファストフードなど、手軽で安価な加工食品に頼る場合が多いからです。

タン白質に限らず、必要栄養所要量レベルの栄養素すら摂れていない人が多いと言われています。

そんな「隠れ栄養失調」の日本人が、特に妊娠中に、赤ちゃんのために(もちろん妊婦さん自身のためにも)手っ取り早くできること、それは「タン白質の摂取量を増やすこと」、つまり「肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などを、なるべく沢山食べること」です。

 

ではどのくらいタン白質を摂ったらよいのでしょうか?

成人が毎日に必要とするタン白質の量は「体重1kgあたり1g」なので体重50kgの人なら50gのタン白質毎日摂らなければなりません(成長期の子どもやスポーツ選手などはもっと必要です)

しかし、タン白質は生肉や生魚100g20含まれていますが、焼くとメイラード反応等の影響で約半分に減ってしまうため、100gのお肉を焼いて食べても、10g程度のタン白質しか取れません。

もし体重50kgの人がお肉だけを食べて1日に必要なタン白質を摂ろうと思ったら、500gのお肉を食べなければならないのです。

おにぎりにお茶、サンドイッチにサラダ、と言うような食事では、1日のタン白質の必要量を満たすことは不可能なのです。

 

特に妊婦・授乳婦は、胎児の発育と乳汁分泌のためにタン白質をより多く摂る必要があります。

1日あたり普段にプラスして1012gは余分に食べるべきです。

普通に食事から食べる分には、「食べ過ぎる」と言うことはまず起こりえません。

そして、私はベジタリアン自体は決して否定はしていませんが、

妊婦・授乳婦は、絶対に

ベジタリアン食をしてはいけません

妊婦がベジタリアン食をするのは、赤ちゃんにとっても妊婦・授乳婦さんにとっても、非常に危険なことです。

余程の知識があって、サプリメントで完全に栄養素が補えるのなら別ですが。

魚については、残留水銀の問題があるので、カジキやキンメダイなどの大きい魚は避けるべきでしょう。

ひとつの食材に偏らず、いろいろなものを組み合わせて食べるのが理想です。

 

私がみる限り、妊婦さんの低蛋白血症の比率は非常に高いです。(データは出していませんが…)

自分の体の分でさえ足りてないところへ来て、赤ちゃんの体を作るために自分の体のタン白質を壊してまで赤ちゃんにあげているわけですから、体は相当無理がかかっているはずです。

タン白質の予備がなければ、もし怪我をしたり出血をしたりしたら、なかなか治りにくく、出血も止まりにくくなります。

また、風邪を引きやすくなったり、湿疹などの皮膚のトラブルなどが起こる原因にもなりますし、当然むくみの原因にもなります。

また、低蛋白血症では、前置胎盤早期剥離などの異常が起こりやすくなると言われています。

このようなタン白質不足は、いいことは何一つなく悪影響を及ぼすのにも関わらず、栄養に関する意識が低い妊婦さんが多いこと、また現場の医師にも栄養の知識が足りないこと、現場が忙しすぎることなどから、見過ごされているのが現状です。

 

もちろん、妊娠中だけでなく、妊娠する前から、タン白質を充分に補って赤ちゃんに十分栄養を与えられる体にしておいた方が望ましいです。

タン白質は体を作る材料であり、「消耗品」ですから、必要量摂らなければ体蛋白の「異化と同化」のバランスを維持することができません。

タン白質が足りないことで、体の様々な機能に支障を来たすのは当然のことです。

くわしくはこちら

そして、知識が足りない(もしくは間違った知識に惑わされている)、または利便性と経済性を追求した結果、孫の代まで健康に悪影響を及ぼすことを、多くの人に知って欲しいと思います。

 

 

こんなことを言われると、「何を食べようと私の勝手!!」と言いたくなる方もいるでしょう。

このご時勢、妊娠出産するだけでも大変なことなのに、そんなことまで考えてやっていられない、と思われる方もいるかもしれません。

そういう気持ちも、わからないではありません。

でも、まずそういう知識をちゃんと知って欲しいこと、そしてできればできる範囲でいいですから、食事に気をつけていただきたいのです。

葉酸の話もそうですが、妊娠してからあわてて気をつけるよりは、妊娠前から栄養状態を整えておくのが理想です。

 

とにかく気をつけて欲しいのは、


何でもいいからとにかく心がけてタン白質を食べること


です。(本当は何でもいいわけではないですけど。。。(^_^;)

食事のときは、毎食必ずメインで肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などが、食卓に上るようにしてください。

そりゃあもうがっつり食べちゃってください。

もちろん野菜もちゃんと食べてくださいね!

お腹が空いたら、スナック菓子やケーキを食べる代わりに、ゆで卵や鳥のから揚げなどを食べるようにしたらいかがでしょうか?

体重が増えるのが気になる場合は、ごはん、パン、めん、菓子、甘い飲み物、砂糖など、炭水化物・糖質を控えることです。

お菓子を食べても、砂糖と添加物を食べてるだけで、なーんの栄養にもなりません。


妊娠中に必要なことは、体重コントロールのために「食べないように気をつけること」ではなく、「何を食べるか」なのです。

ちなみにこれは、妊婦さんだけでなく普通の女性一般に言えることですけれどね…。

 

 

2006年07月03日


間があいてしまいましたが(あきすぎです…)、日産婦シンポジウム「妊娠と栄養―妊娠中の適切な栄養管理をめざして」の続きを書きたいと思います。

 

5月26日のエントリの続編です。



胎児が低栄養下に置かれると、グルコース利用を最小限にするため胎児の筋肉量の減少や、膵臓のβ細胞の減少や腎臓のネフロン数が減少することなどが知られています。

このような子宮内環境の悪化に対する適応反応は、胎児期の生存には有利に働きますが、臓器や組織に起きた変化は永続的に続くため、出生後に高血圧、糖尿病、心疾患の発症リスクの増大などさまざまな影響を及ぼすことが指摘されており、胎児胎内プログラミングと呼ばれています。

つまり、胎児期の環境により、将来の体質や疾患の発症の素因がプログラミングされる、ということです。

こういった考え方は、Barker仮説の出現より発展した分野であり、HOTな研究テーマでありながら、臨床的な意義が深く、とても興味深いです。

これが全てではないにしても、単純な高コレステロール血症だけでは説明がつかなかった病態が解明されつつあるわけで、画期的なことです。

この胎児胎内プログラミングの機序を検討した研究です。

 


 

演題3 妊娠中母体低蛋白栄養が胎児胎内プログラミングに及ぼす影響とその発現メカニズム

順天堂大学産婦人科 伊藤茂先生

 

 

<実験目的>

 

     IUGR(子宮内胎児発育遅延)が将来の児の生活習慣病と関連していることは裏付けられているが、IUGRがなければ問題にならないのか否かを、以下の点で明らかにする


A.妊娠中の母体低蛋白栄養が子宮循環に与える影響

B.妊娠中母体低蛋白栄養がありながらIUGRのない児の、高血圧、冠動脈疾患に対する影響


     胎児起源説成人病の性差と卵巣ホルモンの関係


     次世代への影響―妊娠中母体低蛋白栄養があった児の次の妊娠に対する影響

 

 

<方法>

 

ラットを交配後、妊娠初日より、

食餌中のカゼイン(乳蛋白)18コントロール群(C群)と、

9低蛋白栄養群L:不足カロリーは糖質にて補填)の2群に分け、実験を行った。

 

実験1.


妊娠1819日でラットで安楽死させ、wire myographという方法で子宮動脈の血管内皮細胞機能を評価した。

また胎仔数・体重・胎盤重量も測定した。

 

実験2.


ラットを出産させ、両群の仔ラット(F1ラット)を、各々さらに日齢50卵巣を摘出した群(Oxと、卵巣を摘出しない偽手術を行った群(Oi)2群に分け、各群の血圧・体重を測定した。

日齢175180日で各群のラットの腸間膜動脈をwire myographにて評価した。

また心臓の冠動脈周囲の線維化を評価した。


C-Oi:コントロール群の仔で偽手術群

C-Ox:コントロール群の仔で卵巣摘出群

L-Oi:低蛋白栄養群の仔で偽手術群

L-Ox:低蛋白栄養群の仔で卵巣摘出群

 

実験3.


両群の仔ラット(F1ラット)を日齢70125で交配し妊娠させ、妊娠中の血圧・尿蛋白を測定した。

また妊娠2021日でその仔ラット(CLの孫ラット)の体重・胎盤重量を測定した。

 

 

<結果>

 

実験1


<胎仔数・体重・胎盤重量>両群間で差はなかった。


wire myographCと比較してLでは、VEGFに対する拡張反応の低下を起こし、妊娠中の子宮循環維持機能を低下させていることが示唆された。

 

実験2.


<新生仔数・出生体重>両群間で差はなかった。

 

<発育>生後の発育は50日目までは4群間に差はなかったが、50日以降Oxラットの体重はC群LともにOiラットに比較し有意に増加した(CLの間には差はなかった)。

 

<血圧>50日目までは4群間の収縮期血圧に差はなかったが、Lでは75日目から収縮期血圧が上昇し始め、125日目にはOxラットでCLの間に有意差を認めた。また175日目にはOiラットでもCとの間に有意差を認めた。

 

wire myographCに比較してLbradykinine(BK)に対する有意な拡張反応の鈍化を認めた。この傾向は卵巣摘出されたOxラットでより顕著であった。

 

<冠動脈>Lで冠動脈周囲の線維化は進行する傾向にあり、卵巣摘出により悪化の傾向が見られた。

 

実験3.


Lの仔ラットが妊娠した場合、妊娠中の血圧上昇は認めないものの尿蛋白は増加傾向にあった。

Lの仔ラットが妊娠した場合、有意に母ラットの妊娠中の体重増加が悪く胎盤および胎仔体重は小さい傾向があった。

 

 

<考察>


        生下時IUGRが存在しなくても妊娠中の胎内環境の悪化があれば、胎児胎内プログラミングを誘導する可能性が示唆された。


        卵巣ホルモン(エストロゲン)は胎児胎内プログラミングにより誘導される高血圧に対し抑制的に働くことが示唆された。


        胎児胎内プログラミングにより誘導された高血圧、冠動脈疾患はkinin-kallikrein系が深く関与していることが示唆された。


        妊娠中母体低蛋白栄養はその仔の妊娠にも何らかの影響を与えることが明らかとなり、胎児胎内プログラミングは次世代へ影響を与えることが懸念された。

 

 

 

解説は次回とします。





2006年07月01日

センス・オブ・ワンダー

レイチェル・L. カーソン, Rachel L. Carson, 上遠 恵子
センス・オブ・ワンダー


殺虫剤DDTの危険性を告発した歴史的な書「沈黙の春」の著者、レイチェル・カーソン女史の最後の著作。


自然への愛情と尊敬、そしてそれを愛することができる幸せに満たされた、美しい文章と写真に感動します。


地球の美しい自然をいつくしむ心を子どもたちに持って欲しい、という、強いメッセージが込められています。


北米の先住民には、

「大地は祖先からの贈り物ではなく、子孫からの借り物である」

ということわざがあるそうです。


私たちは未来の子どもたちに今の美しい自然を残すことができるのでしょうか?


無駄をなくして、身近にできることから始めないと、と思いました。




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原因不明の体調不良、月経前症候群、うつ症状、パニック障害、過食症、肥満…、あなたのその症状は、低血糖症が原因かもしれません!


∥矢崎智子から皆様へ∥

Optimal Health オプティマル・ヘルスとは、「最高の健康状態」を意味する言葉です。
「病気ではない」という消極的な意味での健康ではなく、エネルギーに満ちた快適な状態でいられること。
その人らしい人生を思う存分過ごすこと。
すべての患者様にOptimal Healthを得ていただくことが、私達の願いです。


∥∥プロフィール∥∥

杏林大学医学部卒
日本産科婦人会学会専門医
日本内分泌学会会員
World Society of Anti-Aging Medicine 認定医
高濃度ビタミンC点滴治療学会理事

1969年長野県にて、漢方医の家に生まれる。
産婦人科医としての経験を積んだ後、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療を行うクリニック・クリニックハイジーアを開設。

趣味:
声楽(ソプラノ)、音楽鑑賞(クラシック・オペラ・JAZZ・etc.)、美術鑑賞、ベランダガーデニング、旅行、ダイビング、etc.

最近気になる人(敬称略)・
モノ:
伊藤京子、森麻季
スミ・ジョー、幸田浩子
Susan Boyle
三浦大知


The doctor of the future will give no medicine,
but will interest his patient in the care of human frame, in diet and in the cause and prevention of the disease.
Thomas A. Edison
(1847-1931)

未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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クリニック ハイジーア


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∥∥雑誌掲載情報∥∥



「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。

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