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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

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2006年12月28日


10000アクセスありがとうございますm(_ _)m

(1年がかりでした…)
これからもぼちぼちやっていきますのでよろしくお願いいたします。



さて、機能性低血糖症の続きです。
(初めての方は
低血糖症の恐怖1よりお読みください)


これまで説明してきたように機能性低血糖症では、急激な血糖値の低下や低血糖の持続状態が起こることにより、インスリンの過剰分泌が起こり、アドレナリン・ノルアドレナリンなどをはじめとするホルモン・自律神経の不均衡が引き起こされるため、様々な症状が起こります。


機能性低血糖症はあまり(というかほとんど)知られていない病態ですが、潜在患者数は相当あると言われており、アメリカでは2000万人~4000万人以上の患者さんがいると言われています。


2006年の日本のデータでは、「治療開始後2年以上経過しても月1回以上のパニック発作が出現するパニック障害患者のうち、問診で低血糖症が疑われた20名(女性15名・男性5名)のうち19名が、5時間の糖負荷試験で機能性低血糖症であると診断された」と言う報告があります。(心身医学会雑誌2006年6月)


パニック障害の患者数の規模はどのくらいか知らないのですが、低血糖症の症状はパニック障害だけでなく多岐に渡ることを考えると、日本でも相当数の患者さんがいらっしゃると考えられます。

(そしてその多くは誤診されている可能性があります!)


機能性低血糖症を引き起こす最も大きな原因は、「長期にわたる精製された糖質の過剰摂取」だと考えられます。


精製された糖質とは、砂糖やぶどう糖果糖液糖、それらが入ったお菓子やスナック・清涼飲料水(ソフトドリンク)、一部の精製された穀物(白米・白パンなど)などです。

(注:玄米や全粒粉のパン、そばなどは複合的な糖質であり、血糖値を上げにくいため通常は低血糖症の原因にはなりにくいです。しかしもともと血糖調節異常を起こしやすい体質の方は、複合的な糖質でもインスリンの過剰分泌を起こす可能性があります)


原因になる食品には甘いものが多いですが、甘くなくてもいろいろな食品に砂糖やぶどう糖果糖液糖は含まれています。


コンビニに行って、売っている食品の原材料表示を見てみてください。
お茶や水や牛乳などの未加工(に近い)食品や、あえて「無糖」と表示してある以外のほとんどの食品に、味をよくするため砂糖やぶどう糖果糖液糖が添加されています。
(そして同時にほぼ間違いなく様々な添加物も入っています)


これらの精製された糖分を摂っているという自覚がなくても、意識して摂らないように心がけようと思わない限り、私たちの口の中には精製された糖分はどんどん入ってくることになります。


しかし、こういうものを食べ続ければ「誰でも」機能性低血糖症になるのかと言うと、そうではありません。(低血糖症までならなくとも体調は良くないとは思いますが)


そのようなものを食べること自体ではなく、「食べ方」にも関係しますし、このような血糖調節異常(大きくは低血糖症だけでなく糖尿病も含まれます)を起こすには、体質的な要因が大きく関係しています。


また、同じように低血糖になっても、体内環境が違えば必ずしも症状を起こすとは限りません。


血糖値の低下があっても、充分に栄養素が摂れていて、それに対応できる十分な自律神経の働きがあれば、必ずしも症状が起こるわけではないのです。



機能性低血糖症になりやすい体質や条件には、以下のものが挙げられます。



・ 先天的に消化機能が弱い(栄養欠乏を来たしやすい)
・ 食生活の偏りや様々な原因による栄養欠乏(タン白質・ビタミン・ミネラル等の不足)
 貧血(および潜在性鉄欠乏)
・ 先天的または後天的な膵臓機能の障害(インスリンレセプターの異常やインスリン抵抗性、インスリン抗体の存在など)
・ アレルギー体質(副腎に負担をかけやすい)
・ 自律神経失調症(栄養欠乏により起こりやすい)
・ 甲状腺機能障害(血糖の調節異常を起こしやすい)
・ 先天的にビタミンの必要量が多い(通常よりビタミン不足を起こしやすい)
・ ストレス過剰(アドレナリン・ノルアドレナリンを分泌しやすい・栄養素の吸収が低下しやすい)
・ アルコール・タバコ・カフェインの過剰摂取(栄養素の吸収障害・血糖の調節異常を起こしやすい)



先天的に消化機能が弱い場合、タン白質やビタミン・ミネラルなどの栄養素は吸収しにくいのですが、糖分だけは吸収されるため、低血糖症を起しやすくなります。


糖質が過剰になる食生活では、タン白質やビタミン・ミネラル等の栄養素が不足することが多いため、ホルモン分泌や自律神経等のホメオスターシスに異常を来たしやすくなります。その結果、ホルモン分泌のアンバランスや自律神経失調症状を起こします。


また、脳内でカテコラミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)に拮抗するだけのセロトニンを産生できれば、カテコラミンの分泌による症状は抑えることができますが、栄養欠乏ではそれらを作るために必要な材料(アミノ酸のトリプトファン・ビタミンB6・亜鉛・マグネシウムなど)が不足しているため、セロトニンの産生不足に陥り、症状が引き起こされることになります。


鉄は多くの酵素(含鉄酵素)の材料であるため、鉄欠乏では蛋白欠乏とあわせて酵素活性が低くなりやすく、代謝の低下が起こり、エネルギー産生の低下による疲労や様々な精神症状・頭痛・自律神経失調症状が起こりやすくなります。


また、体質的な膵臓機能の障害をお持ちの方は、血糖の調節がうまくいかない体質を家族的に持っていることがあり、低血糖症を起こしやすいと言われています。(家族に糖尿病や低血糖症患者さんがいる場合、低血糖症になりやすくなると言われています)


これらの条件があり、長期間(半年以上)の精製した糖質の過剰摂取を行って膵臓に負担がかかると、機能性低血糖症を発症しやすい、と言われているのです。




続きます。

2006年12月21日

低血糖症の続きです。

(初めての方は低血糖症の恐怖1からお読みください)





・ イライラして、キレやすい
・ ちょっとしたことにカッとなる
・ 自分を抑えられない
・ 暴れる、攻撃的になる
・ 落ち着きがない


・ 何をしても楽しくない
・ 憂うつだ
・ 気分が優れない
・ 自分はだめな人間だ
・ 死んでしまいたい


・ お腹が空いて仕方がない
・ いつも食べ物のことばかり考えている
・ いつも甘いものが食べたい
・ 食べ始めるととまらない
・ 過食が抑えられないが太りたくないので吐いてしまう


・ 不安になりやすい
・ 人ごみや満員電車に乗ると胸がドキドキして苦しくなってしまう
・ 何も理由がないのに突然胸が苦しくなったり痛くなったりする
・ 何も理由がないのに突然悲しくなり泣いてしまうことがある


・ 疲れやすい


・ 肩がこりやすい


・ 手足が冷えやすい


・ 不眠傾向がある




これらは全て、低血糖症によって起こりやすい症状です。

低血糖症がこれらの「主要な」原因でない場合でも、低血糖症がこれらの症状を修飾するのに関与している場合が多くあります。


低血糖症では何故このような症状を起こすのでしょうか?



前々回に書いたように、血糖値をコントロールしているホルモンは、シーソーのようにバランスを保ちながら血糖値の微調整を行っています。


血糖値が上がるのもよくないのですが、血糖値が下がってしまうことは人体にとってさらに危険な状況なので、血糖値を上げるホルモンは数多くあります。



<血糖値を上げるホルモン>


成長ホルモン
甲状腺ホルモン
グルカゴン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)
副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン



低血糖症では、下がった血糖値を上げようとしてこれらのホルモンが多く分泌されることになります。


この中で特に低血糖症の症状を起こす主役的な働きをするのが、アドレナリンおよびノルアドレナリンと言うホルモンです。


これらは「攻撃ホルモン」と呼ばれるホルモンです。
通常これらは、生命の危機など、非常に強いストレスにさらされた時に多く分泌されます。


ストレス(精神的・身体的侵襲)にさらされた時、体はこれらのホルモンを分泌してその危機に対応しようとします。


例えば野生動物がライオンににらまれた瞬間、危険を察知して全身の筋肉は緊張し、瞳孔は開き、血管が収縮して心拍数と血圧が上昇します。
言うなればその瞬間「戦闘モード」に入り、全神経を集中してダッシュして逃げるわけです。


低血糖症では、これらの攻撃ホルモンが本人の意思と関係なく突然大量に分泌されたり、または頻繁に分泌されてしまう、と言うことが起こっています。


言うなれば「常に戦闘モードに入っている状態」なわけです。


そう考えると、なぜ低血糖症の方たちがイライラしたり、怒りっぽかったり、キレたりする理由が理解できます。


また、アドレナリンは攻撃性を高めますがノルアドレナリンはその逆で、不安な気持ちやネガティブな感情を惹起してしまいます。


なので、必ずしも攻撃的になるというわけではなく、うつや不安、動悸などのパニック障害、突然の感情の変化などの症状となって現れる場合もあります。



低血糖症の患者様は、冒頭の症状のように、大きく4つのパターンに分けることができます。


キレやすいタイプ


うつタイプ


過食症タイプ


パニック障害タイプ


です。(他にもあるかもしれません)


これらのパターンは重なっていることが多く、そしてほとんどの方はどのパターンであるかに関係なく、


・ 疲れやすい
・ 肩がこりやすい
・ 手足が冷えやすい
・ 不眠傾向がある


などの様々な症状を伴っているのです。


これはホルモンが異常な分泌をされることにより、自律神経失調状態になっているためです。


そして断言しますが、このような状態では間違いなく“栄養欠乏”が存在します。


種々の栄養素の欠乏により自律神経失調症状はさらに悪化し、具合が悪いために食事をきちんと摂るという努力がことさら難しくなるため、さらに低血糖と栄養欠乏が進みます。


そしてさらに症状が悪化する、という悪循環です。



この悪循環から抜け出すことは、実際とても難しい。



ということは、想像するに難くないでしょう。




続きます。

2006年12月19日


機能性低血糖症(血糖調節異常)の続きです。

(初めての方は「低血糖症の恐怖 1」からお読みください。)


グルコースだのインスリンだの、なんだか良くわからないし、私には関係ないもん!とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。


しかし「うつ」や「パニック障害」、「月経前症候群」そして「我慢できない異常な食欲」、その結果起こる「過食嘔吐」など、一見血糖値とは無関係に見える様々な症状が、じつは低血糖症が深く関係しているのです。


そして低血糖症を改善することが、それらの病態を改善するためのキーポイントであると言えます。


そしてここを理解しないと、「間違った食べ方を改善する(甘いものはやめる、タン白質や野菜などをきちんと食べる、等)」ためのモチベーションを保つのが難しくなってしまいます。
改善のためにはとても大事なところなので、しっかり理解していただきたいと思います。



さて、血糖のコントロールに特に重要な役目を担っているのは、膵臓から出るインスリンと言うホルモンです。


インスリンは、血糖値を下げる「たったひとつの」ホルモンです。


インスリンが出ない、または非常に効きが悪いため血糖値を下げる効果が発揮できない場合、血糖値が高くなってしまいます。これが糖尿病です。


低血糖症の場合、この逆で、インスリンが出すぎる、または効きが良すぎるために、血糖値の急激な低下や、低い状態でとどまってしまう、という状態が起きてしまいます。


この、

なんでインスリンが出すぎてしまうのか?

というところが問題の部分です。



砂糖やお菓子や清涼飲料水などの精製された糖分を多く摂ると、糖分がすばやく吸収されるために、血糖値が急速に上昇します。


血糖値が上がりすぎるのは人体にとって良くないので、こんどは当然、血糖値を下げようとする反応が起こります。

つまり、インスリンが分泌されます。


血糖値の上昇速度が速いほど、または値が上がりすぎるほど、それに対応するためにインスリンが過剰に分泌されることになります。


過剰に分泌されたインスリンは血糖値の急降下を引き起こし、一度上がった血糖値は、こんどは逆に下がりすぎてしまうのです。


かくして、低血糖状態が起こります。




簡単に書くと、こうなります。



単純な糖質の摂取

血糖値の急激な上昇

インスリンの過剰分泌

低血糖




この「血糖値が下がるという現象」イコール、低血糖症、というわけではありません。
血糖値が下がること自体は健康な人でも起こりうることです。


しかし、このような状態が頻繁に起こることにより、ホメオスターシスによって厳密に行われるべき血糖のコントロールが、次第に破綻してゆくのです。




続きます。

2006年12月18日


低血糖症の続きです。
(初めての方は「低血糖症の恐怖 1」からお読みください)


機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。

その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。


詳しい症状についてはこちら


多くの場合、「低血糖」は「糖分が足りないために起こる」と考えられがちです。


しかし、機能性低血糖症の場合はそうではなく、砂糖やブドウ糖果糖液糖を含む食べ物や飲み物、白米や白パンなどの「単純な糖質」の過剰摂取によって起こってしまうのです。


何故そんなことが起こるのでしょうか?


その説明をする前に、血糖とは何のためにあるのか、血糖値がふだん私たちの体の中でどのようにコントロールされているのかをみていきましょう。



血糖(血液中のグルコース)は、エネルギー源として人体には必要不可欠な物質です。
人体はグルコース以外にも脂肪酸、アミノ酸、ケトン体などをエネルギー源として使いますが、血液中で最初にエネルギーとして使われるのはグルコースなのです。
特に脳のエネルギー源はグルコースであり(たまにケトン体も使います)、また脳はグルコースを蓄えることができない(40秒間に消費してしまうと言われています)ので、常に安定した血糖値を保っておくことが必要です。


つまり、血糖値というのは人間にとってとても大切であるため、一定の範囲内(80~110mg/dl)にコントロールされるような仕組みを持っているのです。


血糖値の調節には自律神経とホルモンが関係しており、具体的にはたらくのは以下のホルモンです。


血糖値を下げるホルモン:インスリン

血糖値を上げるホルモン:成長ホルモン・甲状腺ホルモン・副腎皮質ホルモン(コルチゾール)・副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)・グルカゴン


血糖値を上げるホルモンは沢山あるのですが、下げるホルモンはインスリンしかない、と言う点に注目してください。


血糖値を一定の範囲内に保つという目的のために、これらのホルモンが私たちの体内では常に適宜分泌され、血糖値の微調整が行われています。


血糖値が下がった時には上げるホルモンが分泌され、上がった時には下げるホルモン(=インスリン)が分泌されます。いわばシーソーのようなイメージです。




続きます。




sweet sweet poison


 

2006年12月15日


今日は、過食症の治療で3ヶ月栄養療法をお受けになっていた患者様が、2回目の採血にいらっしゃいました。


患者様は30代後半の方で、20歳くらいから摂食障害になられたそうです。


初診時は、物腰穏やかで言葉を選んで一生懸命しゃべっていらっしゃる様子が印象的でした。


お話を伺わなければ、摂食障害の患者様であるとは全くわかりません。


摂食障害の期間が長い方には比較的珍しいのですが(無月経の方が多いので)、お子さんがいらっしゃり、授乳中だということでした。



症状は、一人になると不安になって食べてしまう。


パンを1斤やビスケット1箱、大量のごはんなどを食べて嘔吐するということが週に数回あるということでした。


お子さんが二人いるので、過食症を治して自信を持って子育てをしたい…!というご希望を話されていました。



栄養療法を始めて、2ヶ月くらいは全く効果がなかったそうです。


逆に過食嘔吐の回数が増え、非常に体調が悪かったとのことです。


同時期にご主人が在宅のお仕事から会社員になられたということで、一人でいることのストレスが増えたせいかもしれませんし、治療を始めたこと自体もストレスであった可能性もありますが、過食嘔吐が悪化したはっきりした原因はわかりません。


しかし、患者様はあきらめず、サプリメントを飲み続けられたのです。


そんなこんなで2ヶ月くらいたった頃、お子さんから胃腸の風邪をもらい、嘔気のため食事が1日食べられなくなったそうです。


そしてそれが治まったら、その後「ぴったりと」過食嘔吐がなくなったそうです。


 

今でもたま~に吐いてしまうことはあるそうですが、以前に比べればずっと頻度は少なくなったし、過食するものを買うために「コンビニに走る」こともなくなったそうです。


他の軽快した症状としては、疲れやすさ、便秘、つまらないことにくよくよするなどの憂うつ感、神経過敏、発汗などがありました。



可愛い赤ちゃんを連れての受診でしたが、そのような患者様の報告を内心目がうるうるしながら聞いていました。





この患者様の場合、胃腸炎で食べられなくなったことは過食が止まった「きっかけ」としては考えられますが、それだけで長年の過食嘔吐が止まるということは考えられないので、栄養療法の効果が2ヶ月目にして現れたのだと思います。



栄養療法の過食嘔吐のおさまり方は、このように「ある日ぴたっと」治まる場合と、徐々に徐々に「段階的に」治まる場合とがあります。


これは患者様の栄養欠乏が是正されていく速度と、血糖調節異常の程度と回復の度合い、そして長期に渡る栄養欠乏がどのくらい患者様の体を蝕んでいるのか、の程度によります。


そしてもう一つは、「患者様の根気」です。


これは摂食障害の方ばかりとは限りませんが、摂食障害の方はあせる気持ちのためか、結果を急ぐ方が多く、すぐに結果が出ないと「もうやめた!!」になってしまうケースがあります。


栄養療法は薬ではないので、すぐに効果は現れません。(現れる場合もありますが)


体の中の狂った代謝が正常化するには時間がかかります。


痛み止めのような対症療法ではなく、根本治療であると言うことは、それだけ「からだの治る力」に任せる部分も多く、その方の体内環境が治るスピードを決める部分があります。

(もちろん栄養処方の内容や量なども関係しますが…)


すぐに結果が出なくてもあきらめないで、頑張って治療を続けて欲しい、と思います。






2006年12月12日

「お砂糖で、脳もカラダもゼッコーチョー!
将来の環境も、ゼッコーチョー!
お菓子を食べて、さらにゼッコーチョー!」


と言う、某団体の宣伝を、最近よく電車の中吊り広告などで目にします。


砂糖を食べてなぜ「将来の環境がゼッコーチョー!」になるのか理解できませんが、

「脳がゼッコーチョー!」になる理由は明らかです。
しかしその「ゼッコーチョー!」はあくまでも一時的なものであり、実はその後

「ゼツフチョー!」なるのは必至なのです。



「疲れたから甘いものを食べよう」


「どうしても甘いものが食べたい」


「甘いものを食べずにはいられない」



砂糖などの精製した糖分を摂り続けると、このような甘いものに対する強烈な欲求に支配されるようになってきます。
これらは言わば「糖分の中毒」とでも言える状態であり、低血糖症で起こる症状なのです。


低血糖症とは、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。
その結果、前回書いたような様々な精神症状や自律神経失調症状が起こります。


血糖値が高い状態とはすなわち糖尿病であり、糖尿病が怖い病気だと言うことはよく知られているので、血糖値が高いのはよくない、というのは皆さんご存知なのですが、実は低血糖も体にとっては非常に良くない状態なのです。


では何故、血糖値が下がってしまうのでしょうか?


よくあるのは、血糖値が低いのは、糖分が足りないからじゃないの?と言う捉え方です。


もちろん、飢餓状態や胃腸障害などで、長期間食べられない期間が続くと、血糖値は低下します。


しかし、現代人を広く蝕んでいる機能性低血糖症は、実はその逆の理由で起きているのです。


つまり、砂糖やブドウ糖果糖液糖などの単純な糖質の入ったお菓子や清涼飲料水などの食べ物の摂取によって、低血糖状態が起きてしまうのです。


実は、白米や精製小麦粉を使った白パンなど、「甘くない」食品でもこれは起こりえます。


低血糖症は一般的な医師にはほとんど知られておらず、非常に理解されにくい分野です。
なぜかと言うと「低血糖=糖分が足りない」という単純な解釈からは発想しにくい、非常に逆説的な成因で起こっているからです。




次回に続きます。


2006年12月07日


いきなり扇情的なタイトルですが、低血糖症についてです。


低血糖と言うのは、言葉の通り、血糖値(血液中のグルコース濃度)が低くなってしまう状態です。


通常、低血糖と言うと、糖尿病の患者様がインスリンを多く打ちすぎた時だとか、インスリノーマ(インスリン産生腫瘍)などの特殊な病態で起きることだ、という程度でしか一般の医師には認識されていませんが、そうではない原因で実は低血糖状態と言うのは頻繁に起きていると考えられています。


この場合の低血糖症は、ただお腹が空いたから下がった、と言う単純な意味ではなく、糖をもとにして「エネルギーを作る」という、私たちが生きていく上で非常に重要な機能がうまく働かなくなってしまう、といういわゆる「代謝異常」の状態を意味します。


このような「機能的に血糖の調節がうまくいかなくなり、血糖が下がってしまう」と言う病態を「機能性低血糖症」と呼びます。(以下低血糖症と呼びます)



低血糖症では一体どんな症状が起こるのでしょうか。


パーボ・エイローラ博士によると低血糖症の症状は次のようなものです。



極度の疲労

うつ

不眠

不安

いらいら

頭痛

めまい

発汗

震え

心悸亢進(心臓の動悸)

筋肉痛と腰痛

拒食症(明らかな食欲不振)

発作的に泣く

恐怖症(理由のない恐怖)

集中力の低下

感覚麻痺

慢性消化不良

精神錯乱

手や足が冷たい

目のかすみ

筋肉の引きつりまたはけいれん

筋肉痛

非社会的あるいは反社会的行動

落ち着けない

肥満

ふらふらする

腹部のけいれん

失神あるいは意識消失

ひきつけ

自殺傾向



これらの症状は低血糖症の患者様が訴える症状を、頻度が多い順に書いたものです。


他にもこれほど多くの症状があります。



忘れっぽい

神経過敏

たえず気がかり

食間のがつがつした飢え

優柔不断

性衝動の欠如(女性)

甘いものへの渇望

インポテンツ(男性)

不機嫌

アレルギー

”気が狂いそうになる”感じ

筋肉運動の協応ができない

皮膚のかゆみと蟻走感

息が切れる

発作的に息苦しくなる

ためいきとあくび

意識がなくなる

夜驚、悪夢を見る

口が渇くあるいは暑い

耳鳴り

汗のにおいや口臭

かんしゃく

突発的に熱が出る

音と光に敏感



当てはまるものがありましたか?

これらの症状がひとつでも当てはまれば低血糖症である、と言うわけではありません。

健康な人でも、病的でなくても一過性に低血糖に陥ることがあるからです。

しかし上記の様々な症状(一般的には原因不明とされたり、精神疾患と診断されてしまうような)の原因が、実は機能性低血糖症である、というケースがかなり多く存在するのです。





fear of sugar

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トーマス・エジソン
(1847-1931)

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「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。