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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

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2007年02月28日

低血糖症の続きです。


機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。


その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)


前回は、低血糖症になりやすい食生活、すなわち精製された糖質が多い食生活は、ビタミンB群を消耗し、欠乏を引き起こすということについて書きました。


ビタミンB群の重要な働きのひとつは、「エネルギーを作る」ということですが、それ以外にもビタミンB群は人体においてとても多くの重要な働きをしています。


それぞれのビタミンBについて書いていくと栄養学の教科書みたいになってしまうので、全部まとめてビタミンB群の働きを、かなーり簡単に説明すると、


・ エネルギーを作る
・ 体を作る・成長・発育・うまく働かせる
・ 精神・神経症状を防ぐ
・ 皮膚・粘膜の健康を維持する
・ 薬物代謝・糖質・脂質・タン白質などの代謝
・ 肝臓・副腎皮質・神経・脳・ホルモン・免疫などの働き


などに関係します。


全身どこにでも関係するわけですが、やはり最近注目すべきは、精神・神経・脳に及ぼす影響だと思います。


低血糖症では、アドレナリン・ノルアドレナリンなどの「攻撃ホルモン」が分泌されるため、キレやすい、怒りっぽい、イライラする、または抑うつ症状、不安、パニック発作など、様々な精神的な症状が起こりますが、ビタミンB群の欠乏でもそれらのような症状が起こりうるのです。


ビタミンB群は「神経ビタミン」と呼ばれ、神経の働きに重要です。


特にB1が重要で、B1の欠乏だけでも、協調性を低下させ、道徳性を低下させると言われています。

なので、B1(チアミン)は「道徳ビタミン」とも言われているほどです。


食事の崩壊により、日本人に多くの行動的・社会的問題が起きていることを指摘し、食事・栄養を見直す啓蒙活動を行っていらっしゃる大沢博先生の本「その食事では悪くなる―食事崩壊と脳への影響」の中で、アメリカのメイヨー・クリニックが行ったB1欠乏食の実験について書いてありますので、引用します。
(*本当は直接文献を読んでご紹介すべきですが、私はまだこの文献を読んでいません。不勉強ですみません。時間がないので取り急ぎ引用させていただきます)


「B1欠乏が神経症状を起こすことは、米国のメイヨー・クリニックの実験で確かめられている。実験志願者の全員が3ヶ月以内に、興奮しやすい、うつ、ケンカしやすい、非協力的、不幸が迫るという感じになった。そのうちの二人は騒ぎ立て、もう生きていてもしょうがないと感じて、自殺のおそれさえ感じられた。21週までに彼らはひどい頭痛、吐き気、それに嘔吐が起きたので、実験は中止された。チアミンが補助食品として加えられたら、2~3日で快活になり、疲れもなくなったという」


また、以前ご紹介した心理犯罪学者のA.G.シャウス氏著、大沢博先生訳の「栄養と犯罪行動」の中では、ビタミンB群が行動・学習に及ぼす欠乏効果について以下のように書かれています。


B1 : 疲労、記憶障害、精神的混乱、行動障害、興奮しやすい、衝動性、よく眠れない
B2 : 幼児の脳の成長を妨げる、行動問題
B3 : うつ、神経過敏、短期記憶の障害
B6 : 興奮しやすい、疲労、集中力の乏しさ、気分の動揺、よく眠れない
葉酸 : アパシー(無気力・無感動)、幼児の発達遅延、記憶障害、興奮しやすい、引っ込み思案、全ての知的過程の遅れ、うつ、幼児における脳の成長の遅れと麻痺


このように、ビタミンB群欠乏は、様々な精神的な症状、行動の変化を引き起こします。

昔から栄養学の世界では、

B足りんは脳足りん

と言われているくらい、ビタミンB群は脳や頭の働きに大切な物質なのです。


精製された糖質の多い食事では、ビタミンB群は欠乏し、単純な糖質を代謝するためにビタミンB群は欠乏には拍車がかかります。
それが長期間続くとなると、必然的にこのような状態になり、そこに攻撃ホルモンの分泌や他の栄養素の欠乏などが重なると、さらに事態は悪化してしまうと考えられます。


それだけでなく、ビタミンB群の重要な働きとして、「タン白質を合成する」というのも大事な働きです。


私達が食べたタン白質は、全部いったんアミノ酸に分解されて、必要に応じて私達にとって必要なタン白質に作りかえられます。そのためにはビタミンB6が必要なのです。
ですので、皮膚疾患などにも必要ですし、実はこの意味でも精神疾患にも必要なのです。
なぜなら神経伝達物質(セロトニンなど)をきちんと作るためには、ビタミンB6が必要だからです。
タンパク質合成に必要なわけですから、体がきちんと作られてうまく働くためにはビタミンB群は必須です。
このため栄養療法においては、どんな病態にも必ずと言っていい程ビタミンB群を使うのです。


また、精神疾患といえばB3(ナイアシン)も大切ですね。
統合失調症やうつ病やパニック障害などのいわゆる精神疾患にも、ナイアシンを中心としたビタミンB群の至適量の投与が必須となります。


このように、とても大事で、なのに非常に陥りやすいビタミンB群の欠乏にさらに輪をかけるのが、「精製された糖質の過剰摂取」なのです。
それらは、低血糖症の症状を修飾し、さらに悪循環にはまっていく…、というわけです。


いったん強い欠乏が起きてしまったら、欠乏による病態が形作られてしまったら、それを改善するには当然それを補充しなくてはなりません。


栄養療法的にはどのくらいの量を用いるかと言うと、栄養所要量の1mg程度の話ではなく、100~300mg、病態によっては(神経炎など)1000mgも必要とする場合があります。


話が治療のほうに少しそれてしまいますが、これはもちろん食事からは到底まかないきれない量であり、サプリメント(治療用の)を摂る必要性が出てきます。
ビタミンB1を50mg、食べ物から摂ろうと思ったら、豚のモモ肉だったら4kg、100g入りの納豆だったら700パック、タマゴだったら1250個食べないと摂れませんので、食事だけでは残念ながら無理なのです。


しかしもちろん食事が大切なのは言うまでもありません。
食事からビタミンB群を摂るためには、まず精製していない穀物、すなわち玄米や全粒粉のパンなどを食べること、肉・魚・貝類などの動物性食品新鮮な野菜やくだものなどを、なるべく加工していない形で食べることです。
むろん、砂糖や甘いものは控え、白米や白パンなども少なくしたほうが良いのは言うまでもありません。

低血糖症の方は特に、精製された糖質をやめること自体が治療の軸のひとつになってきます。

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トーマス・エジソン
(1847-1931)

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