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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

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2007年04月29日


昨日のカウンセリングではとても嬉しいことがありました。


挙児希望で栄養療法を開始され、3ヵ月後の2回目の採血にいらした患者様が、妊娠なさっていたのです!!


妊娠5週で、基礎体温も高く、他院での超音波にて胎嚢(赤ちゃんの部屋)も確認できたと…。


スタッフ中大喜びで、とてもハッピー 音譜 な気持ちにさせていただきました。



患者様は30代後半の方で、結婚後しばらく避妊をなさっていましたが、避妊をやめて1年たっても妊娠なさらず、生理不順、基礎体温の低音と高温の差がはっきりしない、冷え性、情緒不安定・・・などの症状がありました。


婦人科でクロミッド+タイミング療法を受けていましたが半年たっても妊娠せず、主治医の先生から人工授精をしましょうか…、と言われたという段階で、当院にいらっしゃったのです。



血液検査のデータは、まず貧血

そして極度の鉄欠乏で、鉄の貯金がほぼゼロと言っていい状態でした。


と言っても、通常の貧血の指標になるヘモグロビン値は11台で基準値内なので、普通は貧血とは指摘されません。


しかし、貯蔵鉄を見る項目(普通の病院では保険適応ではないのでチェックしません)を調べたところ、重度の鉄欠乏があったことが発覚したわけです。


本来はヘモグロビンは「基準値内に入っていればOK」なのではなく、特殊な事情(子宮筋腫による月経過多など)がなければ、女性であっても13は必要です。


貧血であるということは、確実にタン白質や鉄、ビタミンB群など「血液を作る材料が足りない」、すなわち「栄養失調」であることを意味します。


そのような状態では、当然冷え性などの循環不良を引き起こしますし、生殖機能にも影響を及ぼします。


良質な卵子や子宮内膜をつくるためにも、血液と同じように材料が必要な訳で、そのような環境が悪ければ当然不妊の原因となり得ます。


特に鉄はコラーゲンを作るために必要であり、不妊症の方の多くは鉄欠乏です(子宮の内膜は粘膜(=コラーゲン)ですから!)。


鉄だけでなく、タン白質・ビタミンA・B・C・亜鉛…、すべての栄養素が、妊娠の成立には必要です。


特に不妊や流産、胎児奇形などとの関連性が指摘されているのは、葉酸・ビタミンA・亜鉛・鉄あたりです。


(註:貧血がなければこれらの栄養素が充分ある、というわけではありません。詳細な解析が必要です)



この方は他に大きな原因がなかったので、栄養療法でこれらの悪条件が改善したことにより、人工授精も行わず自然に妊娠されたのだと考えられます。


2回目の血液データでは貧血の改善、貯蔵鉄の上昇など素晴らしい改善を認めましたが、まだ不足の状態でした。


妊娠中こそ、健やかな胎児の発育のために栄養素が必要なので、栄養療法の継続をおすすめしました。



無理せず、赤ちゃんが元気で育ちますように… ニコニコ

 



 

栄養療法による不妊治療についてはこちら




2007年04月25日

今さらですが、DVDになっていたので観てみました。





軽いお洒落ファッション映画かと思いきや、結構面白かったです。


人を蹴落としてまで上を目指すのか、そうしないのか。


仕事がうまくいくにつれて、自分の手ごたえは感じているのに、ボーイフレンドとかみ合わなくなっていったり。


人生において何に重要な価値をおくのか、どういう生き方を選ぶのか?


若い女性であればとても共感しやすいテーマだと思いました。


ま~、アン・ハサウェイが可愛いこと。


メリル・ストリープは派手な演技はないものの、さすがにうまかったです。






どうでもいいですが、私もファッション業界では到底やっていけないクチです…、はい。




http://movies.foxjapan.com/devilwearsprada/


2007年04月21日


先日たまたまある7才のお子さんの血液データを拝見する機会がありました。


私が直接には存じない患者様なのですが、そのお子さんが(ご家族が?)困っていらっしゃることは、


・極端な偏食である(食べる量が少ない、野菜をほとんど食べない、お肉は食べる、糖質系はよく食べる)

・あばら骨がみえるほどやせている

・背が伸びなくて体が小さい


ということでした。


元気はよく体調的にどうということはないそうなのですが、データを見ると


・貧血

・低蛋白

・鉄欠乏

・低コレステロール

・低中性脂肪

・ALPが低い(成長期の割には)


と明らかな栄養失調状態でした。


蛋白と貧血の値は正確にはわからなかったのですが、総コレステロールが130しかなく、そして中性脂肪がなんと11(!!)しかありませんでした。

中性脂肪の理想は100前後です。


中性脂肪11、総コレステロール130というのは、総摂取カロリーが極端に少なく、栄養不足(タン白質不足)であることを表しています。


コレステロールはホルモン(性ホルモンやステロイドホルモン)や細胞膜の材料として必須であり、その不足は成長に影響を及ぼします。

(なぜタマゴにコレステロールが多いのか…?受精卵がヒナになるために必要だからです!タマゴの栄養についてはこちら


またALPは600台でしたが、6~9歳の子どもにしては低い…、このくらいの子どもは大人の基準値の上限の3倍はALPがないと発育に問題を来たします。


つまり800~900くらいはないと背が伸びない…、というわけです。


ALPは含亜鉛酵素なので、亜鉛の不足で低下します。

つまりALPの低値は亜鉛の不足を意味しているのです(大人であればとても高い数値ですが…)。


亜鉛は細胞分裂に必要なので、発育、成長には必須のミネラルです。


タン白質不足・貧血・鉄欠乏・亜鉛欠乏(おそらくビタミンB群欠乏もあるでしょう)では大きくなれません。

 



私の恩師が、「ソマリアの子どもの血液データを持っているけど、この子はそれと同じデータだね…」と言っていました。



この患者様が特殊なケースであることを願いたいものですが、今の子どもの食環境を考えると、怖ろしいことに決してそうは思えないのです。


この日本で、ソマリアの子どもと同じ栄養状態の子どもがいるとは…(決して虐待されているわけではありません!)。




深く考えさせられた一件でした。



この場合、まず親御さんに啓蒙をきちんとしなければいけないね…、という話でした。


2007年04月17日


前回は、栄養療法の効果を充分に発揮するためにはタン白質が重要なポイントである、ということについてお話しました。


プロテインがなかなか飲めない、という方は多いのですが、そこをしっかりとやっていただくかいただかないかで、結果に違いが出てくるのです。


プロテインが飲めないのは、単純に面倒だから(水や牛乳などに溶かさないといけないので)、という場合もありますが、多くの場合は「胃が張る」「気持ちが悪くなる」「ガスが出る」などの胃腸症状が出るために、飲むのが嫌になってしまうことが多いようです。


当クリニックで使用しているプロテインは、ペプタイド加工といって低分子加工しているので、市販されている普通のプロテインに比べると胃腸症状が出にくいのですが、それでも胃が張る…、という方は結構いらっしゃいます。


これらの症状は


・ 胃酸の分泌が少ないために(日本人の多くは胃酸の分泌が少ないのです)ペプシノーゲン→ペプシン(タン白質分解酵素)への変換がうまく行われず、タン白質が切断されずに大きな分子のままとどまってしまい、胃から腸へ送られにくいため、いつまでも胃が張ってしまって気持ちが悪くなる


・ タン白質がアミノ酸まで消化されずに大きな分子のまま腸へ移動すると、腸内細菌のエサになってしまうため、ガスが多く出る


などの理由によって起こります。


これらは確かに嬉しくない症状ではありますが、我慢して栄養療法を続けていただくと、徐々に良くなってきます。


胃酸を分泌する細胞をはじめとして、消化管の細胞もタン白質でできています。
消化管の平滑筋を丈夫にして消化管の動きを活発にするにもタン白質が必要です。
タン白質をはじめとした栄養素を摂取していくことで、消化機能も改善していくのです。


タン白質を一番摂っていただきたい消化機能の低下した方ほど、プロテインを飲みにくい、というのは困ったことですが、それだけ消化機能が落ちていると言うことなので、しっかりとそれを改善するつもりで飲んでいただきたいと思います。


また、一度に多くのプロテインを(と言っても普通1回10g程度のものですが)摂っていただくのがつらい場合は、


・ 小分けにして飲んでみる
・ 好きな飲み物に混ぜてみる(カフェオレ・ミルクティー・シェイクなど)
・ 料理に混ぜてみる(味噌汁・ヨーグルト・ホットケーキ・カレー・シチューなど)

・ 消化剤などを併用してみる


などの工夫をしていただいて、とにかくタン白質をしっかり摂る…、という努力をなさっていただきたいと思います。


ちなみに、日本人は胃酸の分泌が少ない人が大多数です。

なので、安易に「○スター10」などの制酸剤を飲んでも逆効果であることがありますので、胃の症状がある場合はペプシノーゲン等の検査をお受けになられた上で薬を処方してもらうことをお勧めします。





タン白質の重要性についてはこちら



2007年04月16日

栄養療法の効果には、当然ながら個人差があります。


3ヵ月後の再診で、ほとんどの例で著名な改善~何らかの改善効果を認めますが、期待したほどの改善効果が得られない場合ももちろんあります。
(*病態によっては、病態改善に時間がかかるため3ヶ月では効果判定には早すぎる、という場合もあります)


その場合、考えられる理由として、栄養素の量が必要量より少なかった、または栄養素の吸収能力が低下している、などの理由が考えられますが、実は栄養療法の効果に大きく影響する要素の一つが、

「タン白質が十分摂取できていたかどうか」

なのです。


・ カプセルや錠剤などの粒は飲めるけれど、プロテインだけが飲めなくて余ってしまう
・ サプリメントで摂っているからいいや!と食事できちんとタン白質を食べていない


などの場合、効果が全くでないということはありませんが、期待した効果が得られない場合が多いのです。

それは何故なのでしょうか?


栄養療法の目的のひとつは、体の中を
「異化=同化」
の状態にするということです。


異化とは「体の組織が壊される」ことであり、
同化とは「食べたものが体の組織になる」ことです。


人間の体は活発にターンオーバー(新陳代謝)しており、常に「異化」と「同化」を繰り返しています


タン白質は必ず古くなると壊され、細胞は寿命がきたら必ず死にます。
小腸粘膜の細胞は2日、皮膚細胞は28日、赤血球は120日で寿命がきます。
つまり人間の体は、放っておいたら壊れていく、「異化」の方向に進んでいくのです。


しかし、壊れっぱなしだったら人間の体はすぐに老化して死んでしまいますが、実際には細胞が分裂することにより、細胞が死んだ分をカバーしています。
つまり「同化」です。


細胞が死んでも、その分の数や質を保って細胞が生まれ変わっていれば、老化も病気も起こりにくい、ということになります。


細胞がちゃんと新陳代謝して、望ましい状態でターンオーバーするには、当たり前の話ですが材料が必要です。

その基本的な材料は何か…、当たり前ですが、タン白質なのです。


体を木造建築に例えると、タン白質は木材そのものです。
ではビタミン・ミネラルは何か…、というと大工道具に当たります。例えば釘やトンカチ、ノミやのこぎりなどと思っていただければわかりやすいでしょう。
釘やトンカチも必要ですが、それだけあっても材木がなければ家は建たないのと同じで、ビタミン・ミネラルだけ摂れていても、タン白質が不足していてはターンオーバーがうまくいかないのです。


一般的な日本人はタン白質不足なので、

異化>同化」のパターンになっています。


「異化>同化」では老化します。
また病気になりやすくなります。


「異化=同化」の状態にすることが、病態改善、老化防止(アンチエイジング)には必要不可欠なのです


逆に言えば、ターンオーバーは「材料次第」です。


粗末な材料しかなかったら粗末な家しか建たないのと同じように、口から入ってくる栄養素が乏しければ、それなりのターンオーバーしかできないのです。


つまり、「異化=同化」の状態にし、最適な健康状態を保つために、栄養療法の効果を出すために、タン白質は必要不可欠であり、最重要ポイントである、と言っても過言ではないのです。



また、体の中でいろいろな化学反応を行っている「酵素」(血液データで見ている項目の多くを占めているのは酵素です)はタン白質でできていますから、タン白質不足では酵素活性に変化が起こりにくく、データが変わらない、要するに体内環境が改善しない、ということになります



栄養療法をせっかくやっているのだから、やっていただいているのだから、できうる限り最大限の効果を出したい!


そのための重要ポイントがタン白質、すなわちプロテインでありアミノ酸であり、食事でのタン白質摂取です。


一番面倒くさいですし、人によっては症状のため摂りづらい…、ということも確かにあるのですが、タン白質の重要性をしっかり理解していただき、努力して摂っていただきたいと思います。

 


タン白質の重要性についてはこちら




2007年04月12日


今日は頭痛についての話です。


頭痛持ちの方って結構多いですよね。


頭痛にはいろいろな原因がありますが、結構多い原因が低血糖症によるものなのです。



・吐き気を伴う頭痛(特に月経前)

・頭に輪がかかったようなしめつけ(MRI検査で異常なし)

・時々不整脈や動悸

・月経痛


を主訴に、栄養療法を行った若い女性の患者さんです。


血液データは複合的な栄養障害で、タン白質不足・ビタミンB群欠乏・鉄欠乏・亜鉛欠乏、という散々たる結果でした。


それだけでもいろいろな症状が起こりうるのですが、びっくりしたのが糖代謝でした。


その方は知人で、たまたま体調の話をしていて「じゃあ採血しようか!」といきなり採血することになったので、食後1時間しかたっていない状態での検査だったのですが、なんと、

血糖値が60!

しかなかったのです。


食後1時間だったら当然血糖値は上がっているはずなのに、60mg/dlしかない、というのはかなり異常です。


他の糖代謝を見る項目、グリコアルブミンや中性脂肪、遊離脂肪酸などには目立った異常はなかったのですが、血糖60というのは、それだけで機能性低血糖症を強烈に疑う所見です。

特に食後であった、と言うことが問題です(もちろん食前でも問題なのですが…)。


血糖値というのは本来ホメオスターシス(生体恒常性)によって90~100くらいの一定の範囲内に収まっているはずなので、血糖調節のシステムにかなりの破綻を来たしている、ということになります。


この方は、甘いものはほとんど食べないのですが、とにかく

「白いごはんが大好き!」

という方でした。


ご本人が希望されなかったので5時間の糖負荷試験は行わなかったのですが、ごはんを控えてタン白質を多く食べることと、栄養療法を行っていただきました。


栄養療法を始めて1ヶ月目くらいで生理がきた時、いつもだったら生理前に起きるはずの頭痛がありませんでした。


頑固な頭痛が低血糖によって起きており、糖質の摂り方の改善、栄養療法によって改善した、と考えられるケースでした。


また、中学生の頃からひどくてつらかった生理痛もすっかり治ったので驚いている、とのことでした。


まだ栄養療法を行って3ヶ月たっていないのに、素晴らしい改善です。


低血糖で頭痛が起きる原因としては、脳に糖を優先的に配分するため血管拡張が起こるとか、または低血糖により分泌されたアドレナリンが血管収縮することによる、などといわれています。




そういう私も実を言うと頭痛持ちでした。


なぜ今日このテーマについて書いたかというと、先日久々に自分も採血をしてデータを見たのですが、低血糖の兆候があったので、ちょっとショックだったのです・・・。


確かに、最近横着して食事がいいかげんになっていて、パンやサンドイッチやおにぎりなどの炭水化物が多かったのです(甘いものはあまり食べなかったのですが…)。


そしてそのせいか、しばらくぶりに、頭痛が時々していたのでした。


そして、勤務医時代、朝ごはんを食べない日に決まって頭痛が起きていたことを思い出しました。


その頃は、「朝食を抜くと頭痛が起きる」という関連性は自覚していましたが、どうしてそうなるのか、ということはさっぱりわかりませんでした。


今思うと、低血糖になっていたのでしょうね。


それから気をつけて、タン白質と野菜中心の食事に戻したら、頭痛はなくなりました。



頭痛持ちの方は、糖質を控えてみられるか、未精製の穀物に変えてみられることをおすすめいたします。




2007年04月11日


アメリカで最近脚光を浴びているがんの補助療法に、静脈注射による高濃度ビタミンCの点滴投与があります。


ビタミンCは、


・免疫力を高める

・活性酸素を消去する(抗酸化作用)

・解毒作用

・鉄の吸収を助ける

・コラーゲン産生

・抗腫瘍効果(がん細胞のみを破壊)


などの効果があります。


特に、化学療法や放射線療法では活性酸素ダメージが問題となりますが、ビタミンCはそれらの治療の効果を損なわず、かつ副作用を抑えます。

またがん細胞にのみ選択的に毒性を示し、抗腫瘍効果を発揮すると言われています。


また、ビタミンCはコラーゲンを産生するのに必要であり、ビタミンC治療が奏効すると、「コラーゲンバリヤー」と言って癌の周りにコラーゲンでできた膜というか殻のようなものができて、癌が進行するのを防ぐのです。


がん組織ではビタミンCの含有量が低下していることがわかっており、ビタミンCの欠乏そのものががんの発生に関与していることが指摘されています。

 

この治療法はビタミンCの血中濃度を維持するのがポイントで、頻回の点滴注射と、自宅ではビタミンCの内服が必要になります。



末期がんで延命効果を認めるデータが多く発表されており、多くの患者様の福音になることは間違いないでしょう。




2007年04月07日

低血糖症の続きです。


機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。


その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)



前回お話しましたように、低血糖症の診断は、5時間の糖負荷検査(OGTT)により行われます。

5時間の間に9回の採血を行い、血糖値およびインスリン値、体温を測定します。


ここではDr.ニューボールドの診断基準を書いてみます。


①5時間のOGTTで絶食時の血糖値より50%mg/dl以上上昇しない

②5時間のOGTTで絶食時の血糖値より20%mg/dl以上下降した

③5時間のOGTTの間にどの時点でも1時間に50mg/dl以上下降した

④5時間のOGTTで絶対値50mg/dl以下を記録した(65mg/dl以下は疑わしい)

⑤血糖値のカーブに関わらずOGTT施行中に、めまい、頭痛、混乱、発汗、憂うつ等の症状が現れた場合


柏崎良子先生によると、それに加えて


⑥血糖値がなだらかな曲線を描いていても、インスリン値の変動が明らかである場合、その数値が実際の数値とは限らない

⑦血糖曲線が正常でも体温の上下が著しい時は採血の間に血糖値の変動が起きていると考えられる

⑧血糖値が正常でも曲線に小刻みな山がいくつもある場合、血糖値の急落および血糖値を上昇させるホルモンの動きがある


1回の血液検査で低血糖症が疑われても、本当に低血糖によって症状が起きているかどうか、つまり本当に低血糖症であるかどうかの確定診断には5時間の糖負荷検査を行うしかありません。


また糖質の摂り方などの方針を決定するのに、5時間の糖負荷検査はとても大切な検査だと言えるでしょう。





2007年04月06日


不妊治療をしている患者様が栄養療法を行うと、それまでには見られなかった様々な変化が起きてきます。


例えば、このようなことです。


①基礎体温の高低差がはっきりする

②低体温の傾向があった方は体温が上がってくる

③月経不順が改善する

④無排卵だった方は排卵する

⑤頚管粘液がよく出るようになる

⑥卵胞がよく育つ

⑦子宮内膜が厚くなる

⑧卵子の質が良くなる(体外受精の場合にのみ確認できます)

⑨精子の質が良くなる


・・・などなどです。


今日は基礎体温について考察(と言うほどではありませんが・・・)してみます。


基礎体温は、それまで排卵してはいるものの高温期にあまり体温が上がらず、低音期と高温期の差があまりはっきりしなかった方が、栄養療法を始めると、カッキ-ン! アップ と体温の差がはっきりしてきます。

これは黄体ホルモンの分泌が改善したことを意味すると考えられます。


また、不妊症の方は体温が低い方が多いのですが、全体的な体温も上がってきます。

低体温の原因自体が明らかでありませんが、代謝が低下していることが原因として考えられます。


分子栄養学的には、まず鉄欠乏による貧血(ヘモグロビンが基準値内でも隠れた貧血がある場合が多い)や、ビタミンB群などエネルギーを産生するための栄養素が不足していること、タンパク質不足などのため血液濃縮が起こり循環不良を起こしている、肉量の減少や運動不足による体温産生能力の低下などの原因が考えられます。


大体冷え性の方が多いのですが、このような方に栄養療法を行っていくと、体温が上がってきますし冷え性も改善します。

これは栄養素の至適量の補給により、代謝が改善し体温が作れるようになる、血行が改善する、などが理由と考えられます。


当然、基礎体温がはっきりしていなかったり、低体温では妊娠しやすい環境とは言えません。

栄養療法は直接ホルモンを投与したりするわけではもちろんありませんが、十分ホルモンを分泌できる環境に体内を整えることで、ホルモンの分泌をより適した状態に改善すると考えられます。


高度不妊治療を行ってもなかなか妊娠に至らない方が、栄養療法を行うと妊娠する場合が多々あるのは、このような体内環境の改善によるものだと言えるでしょう。


 




栄養療法による不妊症治療についてはこちら


2007年04月02日

低血糖症の続きです。


機能性低血糖症(以下、低血糖症)は、血糖値が低い状態が続いたり、急激に血糖値が低下するなど、常にある一定の範囲内にコントロールされているべき血糖値のコントロールがうまくいかなくなる状態です。


その結果、ホルモン分泌や自律神経のコントロールの乱れを引き起こし、様々な自律神経失調症状・精神症状などが起こります。
(初めての方は低血糖症の恐怖1よりお読みください)



さて、メタボリックシンドロームに話がそれていきましたが、今日は低血糖症の診断について書きたいと思います。


低血糖症は、「偉大なる物真似師」との異名をとるように、ありとあらゆる症状を引き起こします。(症状についてはこちら


うつ病やパニック障害、統合失調症などの精神疾患や、自律神経失調症、頭痛や冷え性などの不定愁訴的な症状、アレルギー、PMS、過食症など、実に様々な症状や疾患に大きく関わっていると言われています。


そのような診断を受けている患者様の中には(全てではありません)、実際には低血糖症のために症状が起きているのにも関わらず、低血糖症の診断が適切に行われていないために、誤って(例えば)精神病と診断されてしまい、適切な治療が行われずにいる…、という状況が、実際には数多くあるのではないかと考えられる訳です。


そして、本当に低血糖症がそれらの症状に関与していることが考えられるのであれば、低血糖症の治療を行うことが根本的な治療のひとつに当たると言えるのです。


そこで問題になるのが、低血糖症をどのように診断するか、ということです。


糖代謝を調べる血液検査項目は多くあります。


グルコース(血糖値)
ヘモグロビンA1c
グリコアルブミン
グリコヘモグロビン
フルクトサミン
遊離脂肪酸
中性脂肪
インスリン
アミラーゼ
総コレステロール
HDL(善玉)コレステロール
カリウム
尿糖
尿中ケトン体


などなどです。


栄養療法を行う前の検査では、必ずしもこれらを全部調べるわけではなく、これ以外の数多くの項目も組み合わせて、総合的に糖代謝・脂質代謝・タン白質代謝・ビタミン・ミネラルの過不足などの評価を行います。


これらが異常値(基準値の範囲に収まっていても正常とは限らない)を示していれば、低血糖症である可能性が高いのですが、一見問題ないと考えられる数値でも実際には低血糖症である場合もあります。


そこで、低血糖症の確定診断を行うのに必要なのが、5時間の糖負荷検査なのです。


糖尿病の検査で、75gOGTTというのをおやりになったことがある方もいらっしゃるかもしれません。


空腹時に75gのブドウ糖飲料を飲んでもらい、その後30分おきに2時間の採血を行い、血糖値の変化を見る検査です。


基本的にそれと同じなのですが、糖尿病の診断のためには血糖値がどの程度上昇したかだけをみればいいのですが、低血糖症の診断の場合は、血糖値が上昇した後にどの程度どのように低下したか、というのを知りたいので、5時間かけて検査を行うのです。


5時間飲まず食わずで9回採血をしますので、患者様にとっては楽な検査ではありませんし、当然保険もきかないので自費になります。


しかしこの検査が、本当に低血糖症であるか否か、またはどのようなタイプの低血糖症であるかの診断には不可欠なのです。



続きます。





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原因不明の体調不良、月経前症候群、うつ症状、パニック障害、過食症、肥満…、あなたのその症状は、低血糖症が原因かもしれません!


∥皆様へ∥

Optimal Health オプティマル・ヘルスとは、「最高の健康状態」を意味する言葉です。
「病気ではない」という消極的な意味での健康ではなく、エネルギーに満ちた快適な状態でいられること。
その人らしい人生を思う存分過ごすこと。
すべての患者様にOptimal Healthを得ていただくことが、私達の願いです。


未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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∥∥お知らせ∥∥

現在新しいコメントは公開しておらず、コメントに対してのお返事もさせていただいておりません。大変恐れ入りますがご了承ください。

∥∥雑誌掲載情報∥∥



「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。