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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

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2007年09月27日

 

だいぶ前になりますが、故・増永静人先生の「経絡と指圧」という、私が非常に感銘を受けた東洋医学の論説について書いたことがあります。

 

東洋医学とは何か、西洋医学と何が違うのか、”使う薬が違う”とかいうレベルの話ではなくて、医学全体の概念や人体というものに対する立ち位置などについての根本的な違いについて、深い洞察のもとに書いてある、とても素晴らしい本なのです。

 

現代医学と東洋医学の違いについてよく言われることは、

 

現代医学が「木を見て森を見ず」という(傾向のある)医学であるという捉え方に対して、

 

東洋医学は「森を見る」医学であるという捉え方です。

 

確かに、学会の発表などを聞きに行くと、「一体これが臨床の何に役に立つの…?」と聞きたくなるほど、 「枝葉末節」としか思えないような(ごめんなさい)研究結果を目にすることがあります。

 

そのような細かい研究が積み重なって医学の進歩があるのでしょうけれど、人間の体を切り刻んで、極限まで拡大して、細かく細かく見ていったとしても、そこに生命の何たるかは見つかりません。

 

ミクロの目は当然必要なのですが、総体としての人間は近視眼的な視線をもって観るのみでは明らかになりません。

 

東洋医学は、顕微鏡だのウェスタンブロットだのなかった時代から受け継がれてきた医学ですから、そういうミクロの視点はないのですが、人体をさながら”小宇宙”として捉え、全体の調和を図ることで治療をしていこうという医学なのです。

 

このような捉え方は、東洋医学に特有な考え方かと思っていたのですが、現代西洋医学のしかも一流の素晴らしい研究者の中に、まさにこれと同じようなことをおっしゃっている方がいたので、とても感銘を受けたのです。

 

 

 

  seimeitostress.jpg

 

生命とストレス―超分子生物学のための事例

 

 

 

セリエ博士は、言わずと知れた「ストレス学説」を提唱した人物です。

 

この本には、セリエ博士がどのようにしてストレス学説を発見するに至ったのか、常識や既成概念にとらわれず新たな概念や発見をしていくにはどのような立場が必要なのかなど、講義の内容から抜粋された若い研究者へのメッセージが満載されています。

 

そしてこの本に、ビタミンCの発見者としてノーベル賞を受賞したアルバート・セント=ジェルジ博士が序文を寄せているのです。

 

深い感動を覚えたので、その一部を抜粋させていただこうと思います。

 

~(中略)~

 

 分子生物学の成果が賞賛に値しないと言っているのではない。生命の理解に近づくためなら分子、量子、電子についてもあらゆることを知り、また発見しなければならない。しかし、生体は多くのレベルからなり、分子レベルというのは、そのほんの一領域にすぎないことを忘れてはいけない。そして「生命」といわれるものはすべての機能とすべての反応の総体であるということである。もし私が誰かの頭をピストルで打ち抜いてから、ほんのちょっと傷つけただけだ――しばらくは心臓が鼓動し、筋肉もピクピク動いたし、髪も伸びた――と言ったとしても、罪は免れないだろう。なぜなら、生命は全体にかかわっているからである。この全体の統合レベルはもっとも複雑なものである。そしてまたもっとも困難な研究領域である。生命のすべての魅力と奇妙さがあらわれるのはこのレベルである。それに近づくには、機器の指針などを見つめるばかりでなく、肌と肌の触れ合いをしなければならない。さらに言うならば、生きもののシステムを理解するためにはそれを愛さなければならないということである。またさらに深く直感的理解に達するためには、古くからある二つの道具――目と脳――のほかに、あらゆる感覚を動員しなければならないと言いたい。生命をつかむためには詩人のようであらなければならないとあえて言いたいほどである。

 

~(中略)~

 

かの有名なアルバート・セント=ジェルジ先生が、まさに増永先生と同じことをおっしゃっているのです!

 

真理を追究することに洋の東西は問わない、と認識すると同時に、その姿勢に深く納得せざるを得ませんでした。

 

さすがビタミンCを発見した方だ…!、と単純な私は一気にジェルジ博士の大ファンになってしまったのでありました。

 

もちろん本文の内容も、大変示唆に富んだものでありました。

 

続きは次回。

 

 

2007年09月25日

 

 

いわゆるイケメン俳優よりも、演技派とか性格俳優とか言われる俳優さんに、

 

何故か魅かれるわけです。

 

で、ビル・マーレイにはまっているわけです。

 

 

  brokenflowers.jpg

 

Broken Flowers

 

 

ちょっとオトボケな感じの中に、そこはかとなく漂う切なさ。

 

風味というか慈味にあふれた演技。

 

ロスト・イン・トランスレーションも良かったけれど、これは初老の男性のロード・ムービー。

 

彼は一体何を探しに旅に出たのか?

 

恋を重ねることで、彼が積み重ねてきたものは何なのか?

 

私は残念ながらまだ若い(主人公に比べたらね)女性なので、彼の心象風景は想像でしかわからない。

 

同世代の男性が観たら、身につまされる(?)気持ちになるんでしょうかどうなんでしょうか。

 

 

また音楽が、最高なのです。渋いのです。

 

サントラ買おっと。

 

 

 

 

 

 

2007年09月23日

 

月経前症候群とは、最近よく知られるようになって来ましたが、とても多くの方がお悩みになっている病態です。

 

名前の通り、月経周期の排卵後~月経前(~月経中)に限って、様々な症状が起こり、 月経が来ると治ってしまう、というのが特徴です。

 

当然ですが、女性にしか起こらない病気であり、なかなか周囲の理解を得ることが難しいのも、患者さまにとってストレスになるようです。

 

今日は、月経前症候群でお悩みの20代後半の患者様についてです。

 

来院時の主訴は、生理2週間前頃から起こる、

 

・気分の落ち込み

・体が重くなる

・引きこもりがちになる

・朝起きられない

・絶望的になる

・ニキビができる

・下腹部がはる

 

などの症状でした。

 

PMS/PMDDのチェックリストでは、47点!の高得点(?)でした。

 

血液検査のデータでは、

 

・タン白質不足

・鉄欠乏

・ビタミンB群不足

・低血糖の傾向

・亜鉛不足

・低コレステロール

・胃酸の分泌低下

 

などの所見が認められました。

 

食事内容も、糖質に偏った、栄養欠乏を起こしやすい内容のようでした。

 

この方に、サプリメントの処方と食事指導をさせていただき、3ヶ月栄養療法に取り組んでいただきました。

 

そして、先日2回目の採血の結果のカウンセリングをさせていただいたところ、月経前症候群の症状はほとんどなくなっていらっしゃり、初診時には47点だったチェックリストが、なんと0点!になっていました。 

 

栄養状態も大変素晴らしく改善していらっしゃいました。

 

しかし、月経周期と関係なく落ち込みやすい感じと、生理痛がまだあること、血液データからもまだ不足があることから、継続して栄養療法を行っていただくことになりました。

 

食事の改善も大変素晴らしく、食事の内容を写真にとってアルバム風にまとめたものを送ってくださり、努力なさっていることがとてもよく伝わってきました。

 

個人差はありますが、このように長く苦しんでいらした月経前の症状が、栄養療法を行うと、最初の3ヶ月位で、スカッと治ってしまうことは結構多いのです。

 

 

月経前症候群の原因は良くわかっていないといわれています。

 

ホルモンのアンバランスが原因ではないかと言われ、低用量ピルの処方などが良く行われていますが、重症な人ほどピルではかえって具合が悪くなることが多いです。

 

漢方薬の処方も、体に合っていて症状が取れればそれで良いと思いますが、なかなか改善が難しいものです。

 

私に言わせれば、月経前症候群は、「栄養失調」と「低血糖症」です。

 

これらによる体内環境の悪化により、ホルモンの変動というストレスに体がついていけない状態になっているのです。

 

多くの患者様が、ご自分の体調と栄養の状態を関連付けて考えることをしていただけば、多少なりとも改善される方が多いのではと思います。

 

 

月経前症候群についての考察はこちらをお読みくださいませ☆

 

 

 

2007年09月19日

 

ちょっと前になりますが、マイケル・ムーア監督の新作映画「SiCKO(シッコ)」を観て来ました。

 

ちょっと痛いかもしれませんよ

 

アメリカの医療の現状を描いたドキュメンタリー映画です。

 

ある程度内容を知ってはいましたが、見た後に、軽くブルーになってしまいました。

 

 

 

ご存知のように、アメリカには国民皆保険制度がありません。

 

入れる人は私的な保険に入るわけですが(入れない人も多い)、入って保険料を払っていても、いざ治療を受ける段階になると、保険会社から支払いを受けられない人がとても多いそうです。

 

保険料を支払わなければいけない、という時に、保険会社は渋ります。

 

保険会社の申請がおりないと、医療が受けられないのです。

 

この映画によると、その渋り方(!?)が半端じゃない。

 

そのために働く人を専門に雇って、その患者さんの既往歴をこと細かに掘り返します。 

 

例えば、ある女性患者さんが心臓手術を受けるために保険会社に治療が必要な旨を申請すると、むか~~しむかしにその患者さんがカンジダ膣炎にかかっていたことを掘り返し、

 

「病歴をすべて報告する義務に反している」(すみません細かい言い回しは忘れました)

 

として、保険を解約してしまう。

 

いったい、なんのための保険なの…?

 

という話です。

 

カンジダ膣炎って、風邪と同じくらいありふれた病気なんですけど…。

 

 

それと、医療費があまりにも高い。

 

いったん病気にかかったり、怪我などをすると、それだけで破産してしまう人がざらにいるそうです。

 

これは一体何故なんでしょう?

 

(日本の医療費が安すぎるような気がしますが、それにしても…。) 

 

このあたりの仕組みは良くわからないのでなんとも言えませんが、ごく一部の人だけが潤って、一般市民は搾取されるだけ…、という非常によろしくない構図になってしまっているようです。

 

日本もこの後追いをしているように見えますが、年金も当てにならないし、自分の身は自分で守るしかない、という世の中になりつつあるのでしょうか?

 

 

また、興味深かったのは、アメリカでは高い医療費の多くを患者自身が支払わなければならないのに、カナダやイギリスでは一切お金を払わなくて良いという事実が信じられなくて、ムーア監督が

 

「こんなはずはない!!」

 

と言って病院中を訪ね歩き、casherを探し当てるシーン。

 

(実はこのcasherは違う目的のためにあるのですが…)

 

アメリカの方って、アメリカがすべてというか、アメリカと違う国があって、アメリカと異なる社会や文化や風習や制度がある、ということをなかなか想像しにくい社会に生きているのではないかと思いました。

 

多分、ムーア監督がこのようなことを声を大にして言わないと、知らないままでいる人が多いのではないか、と思いました。

 

(違っていたらごめんなさい)

 

そのことのほうが怖い、と思わされた映画でした。

 

 

 

SiCKO

 

 

 

 

 

 

2007年09月16日

 

30代半ばの女性の患者様のケースです。

 

来院時の主訴は

・耳がつまった感じ
・頭に圧迫感(頭痛)
・フワフワする感じ
・耳鳴り
・生理痛
・月経前の症状(過食・イライラ・眠気・倦怠感)

 

などの様々な症状をお持ちであり、とにかく具合が悪い…、といった感じでした。

 

メニエール病と診断され、耳鼻科でステロイド剤を含めた治療を受けましたが、頭痛がかえってひどくなったような気がしたので治療はやめられたようです。

 

このような症状は、検査をしても異常が見つかることは少なく、治療もなかなか難しいことが多いです。

 

分子栄養学的には、様々な栄養素の不足がこれらの症状の原因であろうという予測はつくのですが、この方には他にも特徴的な症状がありました。

 

・お腹が空くと具合が悪くなる・吐き気・目がかすむ
・食後背中が痛くなることがある

 

このような食後や空腹時などに起こる症状は、血糖値の変動に伴って起きている可能性があり、おそらく低血糖症があるだろうという予測をさせるものでした。

 

血液検査のデータでは

 

・貧血
・タン白質不足
・鉄欠乏
・ビタミンB群不足
・肝機能障害
・亜鉛不足

 

などがあり、また、低血糖の傾向も認められました。

 

患者様が希望されなかったため、5時間糖負荷試験は行わず、タン白質・鉄・ビタミンB・C・E・亜鉛・カルシウム・マグネシウム等の栄養素の処方、および食事の指導(糖質は控えタン白質中心の食事にするなど)をさせていただきました。

 

そして、3ヵ月後の血液検査の時には、症状の多くが改善されたことを教えてくださいました。

 

・耳が詰まった感じは全くなくなった
・月経前症候群の症状も改善した
・イライラしなくなった
・過食や空腹感もなくなってきた
・甘いものを食べると「耳に膜がはる」感じがするのがわかった
・血糖値が下がりすぎてしまった時に、目のかすみ・気分不快が起きる
・白いご飯を多く食べるとその後に症状が出る
・食後に背中が痛むこともなくなったが、ある日気が緩んで昼食にパスタを食べたら、その後背中が痛くなり、訳もないのに悲しくなって泣いてしまった。

 

血液データでもかなり栄養状態は改善され、肝機能障害も改善されていました。

 

この方の症状は、ビタミンB群や鉄などの栄養素の不足に加えて、血糖の調節異常(低血糖症)が大きな原因であったと考えられます。

 

低血糖症ではありとあらゆる症状が起こりますが、例えば耳鳴りや、一時的に視野が狭くなる、目のかすみ、一時的に顔面の感覚がなくなる、体のどこかに痛みが起きるなど、現代医学的に説明がつきにくいような症状が起こることがあります。

 

症状が一時的であることが、症状が器質的な疾患ではなく機能的な問題に由来することの証ですが、これらの症状は血糖値が下がってしまった時にアドレナリンなどのホルモンが分泌されるため、血管が収縮して一時的な血行障害が起こるためと考えられます。

 

このような症状に対してCTやMRIなどの検査を行っても、当然何も異常所見が出ることはありません。

 

このような方に対して、適切な栄養素の補給と食事の改善を行うことで、症状が改善していくのです。

 

この方には5時間の糖負荷試験は行っていませんが、行った場合どのような血糖値のカーブを描くのか、非常に興味深いところです(おそらく反応性低血糖症だと思いますが…)。

 

症状はかなり改善し、とても喜んでいらっしゃいました。
しかしまだ症状が少し残っていて、データ上も不足の栄養素があるため、栄養療法を継続していただくことになりました。

もっと元気になられて、仕事に趣味にご活躍されることと楽しみにしております。

 

 

 

 

2007年09月12日

アメブロからこちらに引っ越してきました。

初めての方は、どうぞよろしくお願いいたします。

いつもおいでいただいている皆様は、お手数ですが、
新しいこのブログをどうぞお気に入り登録してくださいませませ。

本文は移してもらいましたが、コメント・トラバ等は移していませんので、
アメブロはそのままアーカイブとして残しておきます。

(過去のブログはこちら

今後ともハイジーア通信をよろしくお願いいたします。

2007年09月07日

不妊症の治療のため、当院で栄養療法を行っていただいていた患者様が、この度めでたく妊娠されました。


42歳の患者様ですが、一般的な不妊の検査では特に問題はなかったということです。


しかし年齢のことも考慮に入れ、当院を受診される前までに、体外受精(顕微授精)を3回受けていらっしゃいました。


卵子の数は多くないものの、それなりによい卵子がとれ、受精もするのですが、妊娠には至らなかったということです。



当院での血液検査のデータでは、


・タン白質不足

・重度の鉄欠乏

・ビタミンB群欠乏

・亜鉛欠乏

・カルシウム不足

・低血糖の傾向


などを認め、明らかな栄養失調状態でした。

(ちなみに、一見栄養失調があるようにはまったく見えません(←私が拝見するとわかりますけど…))


これらの栄養不足があると、ホルモンの分泌や卵子の成熟、子宮内膜の増殖などに影響を及ぼし、生殖機能の低下を招き、不妊の原因となる場合があります。


血液データに基づいて栄養療法をやっていただいたところ、3ヶ月経つか経たないかのうちに、4回目の顕微受精で、見事妊娠されました。


患者様は、栄養療法を行って起きた変化として、


・基礎体温が上がった(高温期で37度前後になった)

・月経周期が25~26日と短かく、排卵日も11~12日目だったのが、今回は15日目に排卵した

・今までは卵子の数は3つだったのが、4つとれて、凍結保存に回すことができた


などがあったことを教えてくださいました。



私も本当に嬉しくて、患者様と抱き合って喜んでしまいました。


赤ちゃんが元気で無事に育ちますように… ヒマワリ





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∥皆様へ∥

Optimal Health オプティマル・ヘルスとは、「最高の健康状態」を意味する言葉です。
「病気ではない」という消極的な意味での健康ではなく、エネルギーに満ちた快適な状態でいられること。
その人らしい人生を思う存分過ごすこと。
すべての患者様にOptimal Healthを得ていただくことが、私達の願いです。


未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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現在新しいコメントは公開しておらず、コメントに対してのお返事もさせていただいておりません。大変恐れ入りますがご了承ください。

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「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。