私の中のあなた
旅もそろそろ終わりです。
今回は機内で観た映画について。

もう日本でも公開されているみたいですが、いやー、泣かされました。
主人公は、白血病に冒された姉のドナーとなるべく、遺伝子診断の上生まれた11歳の少女、アナ。
そのアナが、両親に対して訴訟を起こした。はたしてその理由とは・・・。
脚本がまず素晴らしい。
現代の生殖補助医療技術が進歩したが故に可能になった、受精卵の段階で遺伝子診断を行い、子宮に移植する卵を選択するという、着床前診断。
重篤な遺伝子病などを中心に、国によって対応は異なるももの、世界的に行われている。 (日本でもかなり厳しい制限のもとで行われている)
自分が難病を持つ子どもの親になったら、なんとしてでも子どもを助けたいと思うだろう。
でも、そのために子どもを産むとしたら、生まれてきた子どもがそれを知ったらどう思うだろうか?
とてつもないアイデンティティの危機が訪れるのではないだろうか?
(そうでなくても不健全信念の原因になることが多いのは、兄弟を介した親との関係によるものなのに)
でも、いま目の前にいる子どもを、助けたい。
新しい技術がなければ起こらなかったはずのこのようなジレンマ。
生命倫理の問題は、本当に難しいと思う。簡単に答えが出せるような問題ではない。
この映画はいきなりその問題を観る者に放り投げてくるのだが、内容は決してそしてそれだけではない。
生きることとは、死ぬこととは、そして家族の愛。。。うーん、深い。
私が下手な文章をうだうだ書いてもなんなので、是非一度ご覧になってください。
またキャストも素晴らしいのである。
他のキャストの演技もさることながら、3人の子どもたちを演ずる役者の演技が素晴らしい。
妹役アビゲイル・ブレスリンは、「リトル・ミス・サンシャイン」で11歳にしてオスカーにノミネートされたスゴい子役。「幸せのレシピ」でキャサリン・ゼタ・ジョーンズの姪役をしてました。
白血病の姉役のソフィア・ヴァジリーヴァは、「ミディアム 霊能者アリソン・デユポア」でアリソンの娘役で出てました。こんな素晴らしい女優さんになったんですねー。
兄役のエヴァン・エリングソンは「CSIマイアミ シーズン6」でホレイショの息子役で出てた役者さん。
みんな若いのにすごいキャリアの持ち主なのである。
アレック・ボールドウィンもいい味出してます。
シリアスな内容を描いているのに、演出は淡々と進んでいきます。
欲を言えば、キャメロン・ディアス演ずる母親の心理をもう少し深く描写して欲しかったな。
彼女の心理状態は、難病を患う家族を持つ方に共通するのではないかと思うので。
「私の中のあなた」公式サイト http://watashino.gaga.ne.jp/
原作も読んでみようと思いました。