国立新美術館
ご無沙汰しております。
放置記録更新中でございます。
季節は過ぎ、すっかり春ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか・・・。
さて、今日も医学でない話題。
国立新美術館に初めて行ってきました。

言うまでもない、かの黒川紀章氏設計の建物です(なんだか懐かしいですね~)。
日曜ともあって人出が多かったですが、そのほとんどはルノワール展が目当てのお客様のようでした。
私はルノワールにはまったく興味がないのでそこはスルーし(すみません)、「ARTIST FILE 2010」を観てきました。

国立新美術館が注目する国内外の作家を集めて毎年行われる展覧会だそうですが、あまり期待しないで行ったのですが(またまたすみません)、よかったです。
取り上げられていた作家は7人でしたが、私が強い印象を受けたのはまず福田尚代さん。
「言葉」にこだわって作品を創る方らしく、回文でできた詩や、手紙や名刺の文字の部分を刺繍で表した(だから文字は読めそうで読めない)作品、小説の文庫本の一部を切り取って刺繍を施した作品などが並びます。
昔読んだ名作文学の本がオブジェとなって並んでいると、その新鮮さと、「ああこの本読んだ!」という本に対する懐かしさがない交ぜになり、不思議な気持ちになりました。

(写真は表参道画廊さんよりお借りしましたm(_ _)m)
中でも、小説の中の1行の文章だけが読めるようにページが全部折られて、扇のように開いて立てられた本が並べられた作品は、ぐっとくるものがありました。
長い小説の中の、たった一行の言葉が、話の脈絡がまったくわからないにもかかわらず(むしろわからないからなのかもしれませんが)、強烈に胸に突き刺さってくる感覚でした。
言葉がこれほどいろいろな感情を惹起すると言うことに驚き、それと同時に、そのようないろいろな感情を持つことは人間にとって普遍的であることに気づかされ、ほっともするのでありました。
視覚的なものというイメージがある現代アートに、こういうアプローチがあるということも新鮮でした。
石田尚志さんの作品も面白かったです。
「海の壁」という映像作品は、見ていて床がぐらぐらするような感覚を覚えました。

お暇のある方はぜひ行って見られてはいかがでしょうか。
久しぶりに芸術作品に触れて、帰り道ほころんでいる桜を眺めて、気分転換できた1日でした。

こちらもよろしくお願いいたします。