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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

がんと栄養

2007年06月06日


とても面白くて、一気に読みました。




ランス アームストロング, Lance Armstrong, 安次嶺 佳子
ただマイヨ・ジョーヌのためでなく


有名な方らしいのですが自転車競技のことはよく知らないので、これを読んで初めて知りました。


あまりにもドラマティックすぎてフィクションかと思うくらい、読み物としても面白い。そして感動します。




マイヨ・ジョーヌとは、世界一過酷なレースといわれるツール・ド・フランスで、ステージのトップのタイムの選手だけが着ることができる黄色いジャージのこと。


著者ランス・アームストロングは、自転車選手としてまさにこれから…、という25歳の若さで、睾丸がんの宣告を受けた。


生来攻撃的な性格の著者は、脳にまで転移したがんに対して、徹底抗戦を挑む。


そして、その結果は、彼の得たものとは…。


 

と映画の予告みたいになってしまいましたが、ネタバレになってもいけないので内容についてはあまり書きません。

 



興味深いのは、がんという病気は、肉体的なダメージだけでなく、こんなに精神力の強い人であっても、精神的なダメージを患者に与えるのだということ。

 

そしてそれから回復するために、本人や周りの人間はどのようにしたらいいのか、という示唆があります。

 


また、アメリカはやっぱり進んでいるなあ~~と思ったのは、がんの宣告を受けた時点で著者はありとあらゆる治療法について調べ始めるのですが、がんに対抗するプログラムの一環として栄養士に栄養相談を受け、がんと戦うための指標と化学療法中に食べるべき食品のリストをもらったそうです。

その中には、大量のビタミンCが化学療法の毒素と戦う助けになる、というアドヴァイスもありました。


著者が発病したのは1996年なので、そのような知識は当然あっても不思議ではないのですが、10年後の今の日本におけるがん治療の現場では、いまだにビタミンCの「ビ」の字もない…、というのが実情です。


一体この格差はどこから来るのでしょう??


むしろ患者さまのほうが、よっぽど代替医療に詳しいご時世です。


医師ももっと頭を柔軟にして、新しい方法を取り入れて欲しいと思いますし、取り入れることに抵抗があったとしても患者さまがそれを行うことを否定しないで欲しい…、と思います。


患者さまにとってはたった一つしかない、自分の命なのですから。




2007年06月03日

今日は、栄養療法を実施する医師の有志が集まって行われた、IVC研究会に行ってきました。

(IVC=ビタミンC点滴静注療法)


ご存知のようにビタミンCの効果は


・免疫力を高める

・抗酸化作用

・抗腫瘍効果

・解毒効果

・鉄の吸収を高める


などですが、特に悪性腫瘍(がんなど)に対するビタミンCの点滴による治療が、北米を中心に広がりを見せているのです。


今年の4月にカナダで行われた分子整合栄養医学の学会「Nutritional Medicine Today」の報告では、補完代替医療を行っている医師にアンケートをとったところ、アンケートに回答した106名の医師のうち93名が、前年度にのべ10600名(!)以上の患者様に対して、高濃度ビタミンCの点滴による治療を行ったとのことです。


ビタミンCを経口で摂取するのと点滴で投与する場合の違いは、血中濃度です。


経口では投与量を増やしても、1400μg/mlほどでプラトーに達し、それ以上血中濃度は上がりません。


抗腫瘍効果を発揮するには4000μg/ml(通常の血中濃度は13-17μg/mlくらい)が望ましく、この血中濃度が維持された場合がもっとも治療効果(抗腫瘍効果)が現れたということです。


IVCの治療で有名な故ヒュー・リオールダン先生の報告では、30gのビタミンCを週に2回投与したところ、3週間で原発性腎細胞がんの肺と肝臓の転移病巣が全滅した例、100gを週2回の点滴で乳がんの骨転移が消失したという例もあります。


ビタミンCは半減期が短く、約10時間で血中からはほぼ消失してしまうため、ほぼ週2回の継続した点滴投与と、点滴以外にビタミンCを内服で摂る必要があります。


もちろん、魔法の薬ではありませんので、すべての方にこのような効果が出るとは言えません。


腫瘍の勢いを止めるために、手術や化学療法などを併用する必要があることもあります。


しかし、いまだ発展途上の治療法ですが、非常に期待できる治療法だと言えるのではないでしょうか。



ビタミンCが何故がんに効果を示すのか、化学療法に比べて安全である理由などについても、おいおい書いていきたいと思います。





(写真に意味はありませ~ん(^ ^;)

2007年05月16日

先日要約を載せました、2例のステージⅢCの進行した卵巣がん患者に、術後の化学療法に併用して、いわゆる「大量(メガドーズ)」と呼ばれる量の抗酸化物質(私たち分子栄養学を行う者はメガドーズとは言わず「至適量(オプティマムドーズ)」と呼びますが)の摂取と、高濃度のビタミンCの点滴投与を行った、カンザス大学によるケースリポートです。



詳しくは本文をお読みいただきたいのですが、ポイントは、



①通常、進行卵巣がんは予後不良(5年生存率:Ⅲ期37.45%、Ⅳ期25.47%)である。


②両者とも化学療法に先立って手術が行われ、optimally(最大残存腫瘍経が1cm以下)に腫瘍の摘出(腫瘍減量)術が行われた。


③両者とも化学療法(卵巣がんの標準治療であるTJ療法)に先立って経口の抗酸化物質(ビタミンA・C・E・CoQ10)の摂取をはじめた。


④症例1は6サイクルの術後化学療法の最後から週2回高濃度(1回60g)ビタミンCの点滴による投与を開始。
その後6サイクルの維持化学療法(パクリタキセルのみ)をビタミンC点滴を併用しながら受け、その後1年間は週2回、以降は10日~2週間に1回のペースでビタミンC点滴を継続して受けている。


⑤症例2は、術後に呼吸不全など危機的な状況に陥り、ICUに入院したため、術後の化学療法の施行がが3ヶ月遅れた。
化学療法を始める前、腫瘍マーカーのCA125は術前の81から127に上昇した。
6サイクルのTJ療法を受けた後、レントゲンにて病巣の進行を認めたが、患者はそれ以上の化学療法を拒否し、その代わりに週2回の60gのビタミンCの点滴投与を選択した。
その後継続して週2回のビタミンCの点滴投与を受けている。


⑥両者とも化学療法中に、自制内の嘔気が見られたが、グレード3の毒性(副作用)は見られなかった。
症例1は初サイクルの化学療法中に手足のしびれと痛み、疲労感、呼吸速迫、下肢のむくみを認めたが、ビタミンC点滴投与中は見られなかった。
両者とも血液毒性も見られず、CSF(白血球を増やす薬)の必要はなく、腎・肝酵素の上昇も見られなかった。


⑦症例1は最初の6サイクルの化学療法の後、CA-125の正常化を認め、診断後3年半たってもCA125は正常範囲を保っている。
腹部と骨盤のCT検査では再発の証拠は認められていない。


⑧症例2は化学療法の後、CA-125は正常化した。
化学療法終了後、骨盤内にがん組織の残存と考えられる8cmの病変と後腹膜に転移と考えられる2cmの病変が認められたが、その後それ以上の病態の進展は認められず身体所見は正常で、診断から3年がたった後も、CA-125は正常範囲のままである。



カンザス大学では、このような良好な結果を得たため、現在臨床試験を行っているようです。


このように標準治療に栄養療法を併用した場合、予後の改善と副作用の軽減が見られるという報告が多く見られます。

 

卵巣がんの治療の大前提は、腫瘍をできるだけ取り除くこと、そして化学療法で残存したがん細胞を叩くことです。


この症例のようにOptimallyに腫瘍が切除できたのであれば予後は比較的良いのですが、問題は再発です。


目に見える腫瘍が切除できても、細胞レベルでは体内には大量にがん細胞が残存しているわけで、術後に化学療法を行うのが通常の治療です。


この場合問題となるのは副作用ですが、このケースのように栄養療法は化学療法の副作用を減弱すると言われています。


化学療法でがん細胞を叩き(Ⅲ・Ⅳ期の30~40%でCR(著効)を得られます)、栄養療法で再発を防ぐ、と言うのが卵巣がんにおいては望ましい治療かもしれません。


他の抗がん剤が効かないがんでは、化学療法を行うか否かは迷うところでしょう。


もちろん栄養療法そのものも、がんに対する治療効果が非常に期待できる分野です。


高濃度のビタミンC投与は、それ自体が選択的にがん細胞に毒性を発揮すると言われています。


卵巣以外のがんでも、栄養療法で末期がんの転移が消失したという報告もあり、効果が期待できる分野であることは間違いありません。




2007年05月09日

前回の論文の取り急ぎ要約です。



【方法】2例の進行した上皮性卵巣がん患者


患者1 55歳 乳頭状漿液性腺がん、ステージⅢC
患者2 60歳 乳頭状漿液性腺がんおよび漿液粘液性腺がんの混合型、ステージⅢC


両患者とも、初回ののカルボプラチン/パクリタキセル化学療法(TJ療法)に先立って、最適な腫瘍減量手術を受けていた。
患者2は術後に呼吸不全など病的な状態であったため、化学療法の開始が3ヶ月遅れた。


患者1は化学療法の1ヶ月目の途中からメガドーズのビタミンC、ビタミンE、βカロテン、コエンザイムQ10を含む抗酸化物質の摂取を開始した。
経口の抗酸化剤の摂取に加え、患者1はパクリタキセルによる維持化学療法より先立って、化学療法の最後に週2回60gのビタミンCの中心静脈からの投与が開始された。


患者2は、化学療法開始前に、ビタミンC、βカロテン、ビタミンE、コエンザイムQ10を含む経口の抗酸化物質の摂取を開始した。
患者2は6周期のTJ療法を受けたが、X線検査で病変が認められたにも関わらず、その後の維持化学療法を拒否した。
その代わりに彼女は、週2回の経静脈的な60gのアスコルビン酸(ビタミンC)投与を選択した。


【結果】
患者1は初周期の化学療法の後、CA-125の正常化を認め、診断後3年半たっても正常範囲を保っている。
腹部と骨盤のCTスキャンで再発は認められていない。


患者2は初回の化学療法の後、CA-125の正常化を認めたが、骨盤にはがんの残存があったと考えられた。
しかし彼女はそれ以上の化学療法を辞退し、経静脈的なアスコルビン酸の投与を選択した。
診断から3年がたった後も、CA-125は正常のままであり、再発の兆候は認められていない。


【結論】

抗酸化物質を補助的に術後の標準的化学療法煮併用すると、化学療法の効果を高め、かつ安全性を高めると考えられる。

2007年05月05日

The Use of Antioxidants with First-Line Chemotherapy in Two Cases of Ovarian Cancer


(PDFファイルでダウンロードできます)




人間とがんとの”戦い”は、医学が進歩し続ける現在においても、依然として終焉する気配が見られません。

(この”戦う”というスタンスに問題があると常日頃思っておりますが、これについてはまた後日)。


しかし、ここ数年アメリカで話題となっているがんの補完医療に、ビタミンCの大量投与をはじめとした栄養療法があります。


分子栄養学に基づくがん治療は「Orthomolecular oncology」と呼ばれ、がん治療において今一番ホットな、最先端の医療と言ってもよいかもしれません。

(註:正確にはこのような治療は30年以上前から行われてきたのですが、医学界からは無視されていました。そして地道な臨床経験の積み重ねにより、その有効性を無視することができなくなってきたため、NIH(アメリカの厚労省)が認めたことにより、今ようやく注目を浴びるようになった、ということです)


点滴によるビタミンCの大量投与をはじめとする抗酸化物質の摂取(栄養所要量レベルではなくいわゆる”メガドーズ”と呼ばれる量)は、がんの標準治療の効果を高め、副作用を減らし、余命の延長、QOLの改善が認められるという報告が多数認められています。


これは2003年に発表された、カンザス大学による卵巣がんの症例報告です。

 

卵巣がんは初期に見つけることが難しいがんで、半分以上はⅢ期かⅣ期で発見されます。


パクリタキセル+シスプラチン療法の出現など、化学療法の進歩により、進行卵巣がんの5年生存率は20%から30%に上昇しましたが、依然として良いとはいえません。


2例のステージⅢCの進行した上皮性卵巣がん患者において、化学療法の補助療法として、点滴によるビタミンCの大量療法および経口での抗酸化物質の摂取を行い、非常に良好な結果を得ています。



詳しい内容についてはまた次回。


2007年04月11日


アメリカで最近脚光を浴びているがんの補助療法に、静脈注射による高濃度ビタミンCの点滴投与があります。


ビタミンCは、


・免疫力を高める

・活性酸素を消去する(抗酸化作用)

・解毒作用

・鉄の吸収を助ける

・コラーゲン産生

・抗腫瘍効果(がん細胞のみを破壊)


などの効果があります。


特に、化学療法や放射線療法では活性酸素ダメージが問題となりますが、ビタミンCはそれらの治療の効果を損なわず、かつ副作用を抑えます。

またがん細胞にのみ選択的に毒性を示し、抗腫瘍効果を発揮すると言われています。


また、ビタミンCはコラーゲンを産生するのに必要であり、ビタミンC治療が奏効すると、「コラーゲンバリヤー」と言って癌の周りにコラーゲンでできた膜というか殻のようなものができて、癌が進行するのを防ぐのです。


がん組織ではビタミンCの含有量が低下していることがわかっており、ビタミンCの欠乏そのものががんの発生に関与していることが指摘されています。

 

この治療法はビタミンCの血中濃度を維持するのがポイントで、頻回の点滴注射と、自宅ではビタミンCの内服が必要になります。



末期がんで延命効果を認めるデータが多く発表されており、多くの患者様の福音になることは間違いないでしょう。




2007年01月31日


栄養療法は病態を選びません。


東洋医学と同じく、どのような疾患においても適用可能な治療法ですが、中でもいろいろな意味でメリットが大きいと言えるのが、がんに対する栄養療法です。


アメリカのがんの栄養療法の権威であるパトリック・クイリン博士は、がん治療における栄養療法の目的を次のように述べています。



・化学療法と放射線療法の効果を高めつつ、かつその副作用を減らす。


・栄養的に問題があるために、平均的ながん患者に起きる口内潰瘍、疲労、吐き気、脱毛、器官の薬物中毒などを、劇的に減らす。


・患者自身の免疫能力を高めて、体全体を通じて、がんと戦う免疫細胞の能力を強化する。


・体脂肪以外の体の組織が失われる悪液質という一般的な副作用をなくしたり、劇的に少なくする。


・食事の改善を通じて、がんの細胞だけを選択的に餓死させるのを促す。


・がんの拡がるのを抑えるような、自然自信のガン・ファイターを、植物から導入する。


・がん細胞だけを選択的に攻撃する栄養物質の大量投与によって、がんの活動を低下させる。


・化学療法や放射線療法そのものが、新たながんを生み出すことを防ぐ。


・遺伝的にがんになりやすいことがわかっている患者に、がんが再発するリスクを減らす。


・そもそもがんを起こす原因になった背後条件を変えることによって、がんの完全ないしは部分的退縮を起こさせるチャンスを顕著に増やす。




パトリック クイリン, Patric Quillin, 今村 光一
ガンは栄養療法で治る
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未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。