HOME > 母体の栄養欠乏と、胎児の先天奇形・発育不良との関係

母体の栄養欠乏と、胎児の先天奇形・発育不良との関係

栄養欠乏を抱える母体の体内環境は、うまく妊娠が成立したとしても、胎児が育つのに適した環境とは言えません。
ひとつは、妊娠初期の母体の低栄養による、胎児の先天奇形や発育不良の問題です。
胎児の発育にはタン白質や鉄をはじめ、多くの栄養素が細胞の材料として必要であり、母親に栄養欠乏があると胎児に十分な栄養を与えられず、胎児発育の過程で障害が生じる場合があります。
例えば、妊娠初期の母体の葉酸の不足によって、二分脊椎症などの先天奇形が増加することは、みなさんよくご存知ですね。

当然ですが、大切な栄養素は、葉酸だけではありません。
たとえば胎児の血液やタン白質(特にコラーゲン)を作るには、多くの鉄が必要です。
体が倍々で大きくなっていく胎児期には特に鉄の需要が増大するため、胎盤は母体の鉄をかき集めて胎児に優先的に与える仕組みを持っています。
しかし母親に鉄の不足があると充分な鉄を胎児に与えられないため、早産や未熟児であったり、新生児の異常、例えば心室中隔欠損症(心臓の壁の穴が開いたままになっている)等の原因になると言われています。
また、子どものアトピー性皮膚炎、喘息なども、鉄をはじめとする母体の栄養欠乏がその一因であるとも言われます。
母体が十分な栄養素を摂取していれば、これらの先天奇形や発育不良、アトピー性皮膚炎などのトラブルの多くは予防が可能なのです。

もうひとつは、子どもの将来の生活習慣病のリスク上昇です。
英国の環境疫学の権威であるデビッド・バーカー博士は1980年代に、「胎児期に低栄養状態であることが成人期における心血管障害のリスク因子である」とする「バーカー仮説(Barker仮説)」を発表しました。胎児が低栄養状態にさらされると、胎児がその環境に適応しようとする結果、筋肉量の減少、腎臓のネフロン数の減少、膵臓のβ細胞の減少などが起こります。
これらの変化は生まれた後も永続的に続くため、生まれた児が成人になってからの高血圧・糖尿病・心筋梗塞などの発症リスクを増大させる、という説です。
この説は一般常識からはかけ離れていたため、発表当初は批判を受けましたが、今では 多くの研究者の研究により支持されています。

つまり「母体の栄養状態は、生まれてくる子どもの将来の健康状態や寿命をも左右している。」のです。

 

メディア掲載

  • ミセス
    2014年4月7日発行
  • 日刊ヘルス
    日刊ヘルス
    2011年1月号
  • VOCE
    VOCE
    2010年12月号
  • AERA
    AERA
    2010年4月30日発行
  • anan
    anan
    2010年1月20日号
  • クロワッサン
    クロワッサン
    2009年10月15日発行
  • クロワッサン
    クロワッサン
    2009年9月1日発行
  • 美的
    美的
    2009年5月号
  • 日経ヘルス
    日経ヘルス
    2009年4月号
  • クロワッサン
    クロワッサン
    2009年1月25発行
  • すこやか健保
    すこやか健保
    2008年12月号
  • 日経ヘルス
    日経ヘルス
    2008年2月号
  • Baby
    婦人公論
    2007年11月10日増刊号
  • 婦人公論
    Baby
    2007年6月22日号
  • Body
    Body
    2006年11月号
  • OZマガジン
    OZマガジン
    2006年1月23日号
  • Urb
    Urb
    2003年11月号増刊
  • 婦人公論
    婦人公論
    2003年10月7日号