名前の由来
と言っても私の名前のことではありません。
(誰も聞きたくない)
クリニックハイジーアという、私の医院の名前についてです。
私はもともと代官山矢崎医院という名前で開業していましたが、昨年移転して、クリニックハイジーアと名前を変えました。
ハイジーアHygeiaというのは、ヒュギエイアHygieiaという、ギリシア神話に出てくる「健康の女神」様の名前の英語読みです。
ギリシア神話にはたくさんの神様がでてきますが、アスクレピオスという医神(医学の神様)がいらっしゃり、ヒュギエイアはその娘なのです。
ヒュギエイアについて知ったのは、かの有名なアンドルー・ワイル博士の著書、「癒す心、治る力」を読んだ時でした。
その頃、私には医師としての自分を見つめなおす機会がありました。
栄養療法や東洋医学などの代替医療(註:この言葉には、"主流ではない医療"という言外のメッセージが含まれています。"主流の医療"とはいわずもがなの現代西洋医学のことですが)が本当に素晴らしい医学であるのにもかかわらず、なかなか理解されないというジレンマもそこにはありました。
そんな時、この本の前書きに書かれたヒュギエイアについての記述を読み、まさに私の言いたいことはこれだ!という閃きのようなものが全身を駆けめぐりました。
「健康とはものごとの自然な秩序のことである」
人間の体はそもそも秩序を持っているものであり、それが正しく働いている時には人は健康である。そしてその秩序が乱れた時に病が起きる。
秩序を乱すものは何か、そしてその乱れをいかに戻すのか。
それは「健康とは何か」という根源的な問いに対する答えを示すものでした。
現代医学の分野では、遺伝子レベルでの病気の原因究明や新薬開発が日進月歩で進んでいるけれど、あまりに枝葉的な追求が多すぎて、そもそも健康ってなんなのか、健康を保つためには何が必要なのか、ということが忘れ去られている気がします。
このブログでは具体的に健康であるための方法ついて、いろいろ書いていくつもりです。
そんな訳で、新しいクリニックはヒュギエイアに因んだものにしたかったのですが、ヒュギエイアでは覚えづらいし、言いづらいので、英語読みのハイジーアにしたと言う訳です。
ハイジーアも結構聞き返されますけどね(^ ^;
ちなみにクリニックのロゴマークは、ヒュギエイアのシンボルである「ヘビの巻きついた杯」を表したものです。
ローマ時代の昔から、ヘビは何度も脱皮することから「永遠の生命」を象徴するとされ、医学や長寿などのシンボルとされました。
また、ヘビの毒が薬として治療にも使われていたそうです。
ヒュギエイアは治療に使うヘビを養育する役目も持っていたので、ヘビの巻きついた杯(薬杯)がヒュギエイアのシンボルとなっているのです。
ヒュギエイアには薬学の神様という意味もあるので、外国では薬局のマークによく使われているようです。
ちなみにアスクレピオスのシンボルは「ヘビの巻きついた杖」です。
豆知識でした。
今日の一冊
アンドルー ワイル, Andrew Weil, 上野 圭一
癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか
(ヒュギエイアに関する記述は前書きの中のほんの一部です)