また会う日まで。
お久しぶりでございます。
自分自身のQOLの確保のため、長らく放置しておりました。
のぞきにきていただいた皆様には感謝申し上げます。
さて、前回の内容に引き続いてになってしまいますが今日も、ある偉大なドクターの訃報に関連する記事です。
今日はいつもの栄養に関する話とはちょっと違いますが、よろしければお読みください。
私のクリニックで提供させていただいている治療法の一つに、サイモントン療法があります。
これはもともとアメリカの放射線専門医でいらしたカール・サイモントン先生が開発した、がんの患者様向けの心理療法なのです。
がんの患者様以外でも、当院では摂食障害や自律神経失調症、月経前症候群など、希望される方にお受けいただいています。
全員とは言いませんが、この療法を受けていただくことで、とても大きな変化をされる方がいらっしゃいます。
若い方では、「別人??」と思うくらい、大きな変容を遂げる方もいらっしゃるほどです。
私自身もとても大好きな治療法なのです。
この療法の創始者であるサイモントン先生が、残念ながらこの6月に亡くなられました。
そして日本の関係者による「旅立ちの会」が先日開かれ、それに参加してきたのです。
この療法のユニークな点のひとつは、病気や死の捉え方です。
通常、「死」はとてもネガティブなイメージを持っています。
がんという言葉がネガティブな響きを持っているのは、そのイメージがネガティブな「死」と直結しているからでしょう。
がんに限りませんが、死は忌み嫌われるものであり、「死=敗北」と言うイメージが、一般的にはあると思います。
しかし本当にそうなのでしょうか?
本当に「死=敗北」であれば、死に至る患者はすべて敗北者であり、それに携わる医療者もすべて敗北者です。
生きとし生ける者はすべて敗北者になってしまいます。
決してそうではない、というのがこの療法の立場です。
(だからと言って、決して死を「座して待つ」ということを推奨しているわけではありません。これについては長くなるのでまたいずれ)
そういった療法なので、この旅立ちの会も、博士を名残惜しみながらも、和やかで穏やかで希望に満ちた、とてもよい会でした。
死は新たな旅立ちであり、決して悲しむべきものではない、と、おそらく会場にいた全員が思っていたことでしょう。
博士の業績についてはまたの機会に書こうと思いますが、栄養療法とはまったく違うものの、とても素晴らしい業績を残されて旅立った偉大な先生の旅立ちを祝う会に同席することができて、とても光栄だと思いました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。