What’s American culture ?
今更ながら、「ボウリング・フォーコロンバイン」を観ました。
想像したより過激じゃなかった、というのが印象です。
銃社会アメリカの実情を描いて物議をかもした有名な映画ですが、銃やNRA云々に関しては知識がないのでコメントを避けますが(根が深すぎて解決するのは難しいでしょうね…)、コロンバイン高校で起きた悲惨な銃乱射事件に、アメリカの極悪な栄養状態が関係しているのは間違いないでしょう。
主犯の生徒がうつのために抗うつ剤を内服していたというのは有名な話ですが、微量栄養素の欠乏は精神神経機能に大きな影響をもたらします(事件が発生したことそのものは抗うつ剤の副作用のせいだとも言われています)。
何しろ、以前取り上げた「スーパーサイズ・ミー」という映画でも出てきますが、学校給食がひどい。
給食が、ピザ、ハンバーガー、菓子パン、パスタ、フライドポテトなどのジャンクフードの嵐です。
そして学校にはコーラやスプライトの自販機があって、子どもがガンガン飲んでいるのですから、キレないほうがおかしいです。
(最近になってアメリカの学校内での清涼飲料水の販売が禁止になったのは記憶に新しいところですが)
しかしこれは学校も苦しいところで、福祉にかける予算が少ないために学校はお金がなく、安価な外食産業に頼らざるを得ないと言う事情もあります。
これらのジャンクフードは、脂質・糖質過剰で、タン白質やビタミン・ミネラルが欠乏した、最悪の食事です。
家で食べる食事だって似たようなものでしょうから、家でも学校でも、ほとんど毎日こんなものばっかり食べているわけです。
これらの食事では脳神経機能を正常に働かせるビタミンB群が徹底的に不足していますし(昔から栄養学の世界では「B足りんは脳足りん」と言うそうです)、砂糖やブドウ糖果糖液糖などをはじめとする精製された糖分の過剰摂取により、低血糖症が起きる可能性が非常に高いのです。
低血糖症は、脳がエネルギー源として必要とするブドウ糖の代謝異常ですから、うつや統合失調症、パニック障害、強迫神経症、凶暴性など、実に多彩な精神症状の原因となります。
私が思うに、いわゆる月経前緊張症(PMS)も低血糖症が主犯格でしょう(症状が非常に良く似ています)。
低血糖症は、糖尿病患者さんがインスリンを打ちすぎた時に起こるアレではなく、精製された糖質の摂取により、インスリン分泌が過剰反応して、結果的に低血糖に陥る、というものです。
これは老若男女を問わず、広く現代人を蝕んでいます。
甘いものは体に良くない、というのは真実です。
(低血糖は非常に深いテーマなので、今度書きます。。。)
もちろんビタミンB不足や低血糖症だけでなく、体の材料であるタン白質や鉄や亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル、食物繊維なども足りません。ないない尽くしです。
ファストフード世代・コンビニ世代である我々が親となっている今、子どもたちの栄養状態は、想像をはるかに超えて悪いのです。
私には関係ないわ、とお思いの方。
決して、これはアメリカだけの話だと思わないでください。
アメリカよりは多少ましですが、日本も同じようなものです。
これはまたの機会に書きますが、今、日本の子どもたちが食べているものも、悲惨です。そして大人も。
そんな21世紀、日本がアメリカに誇れるものがあります。
それは、学校給食です。
いま、日本の子どもたちの食文化をかろうじて支えているのは、栄養と愛情をこめて作られた学校給食なのです。
VIVA!! 日本の学校給食!!
(冗談抜きで)
学校給食がないオトナのあなた。
あなたの栄養状態は大丈夫ですか?