花粉症の栄養対策
そろそろ花粉症の季節ですね。
花粉症はアレルギー性疾患の一つですが、アレルギー対策で大切なポイントのひとつが、粘膜を丈夫にすることにあります。
鼻や胃腸の粘膜は、人体と外界を分けるまさにバリアであり、免疫反応の最初の関所として重要です。
粘膜を丈夫にするために重要なことは、ビタミンAとタン白質です。
栄養療法では、粘膜や皮膚のトラブルがある場合、粘膜を健やかに保つ目的でビタミンAを使います。
ビタミンAは「細胞の分化(未熟な細胞がそれぞれの機能を持った成熟した細胞に分かれていくこと)」に関わっています。
丈夫な皮膚や粘膜をはじめ、血液・骨・肝細胞なども、それぞれの組織がきちんと作られるためにはビタミンAが非常に重要なのです。
(なのでビタミンAは、皮膚疾患・胃腸疾患・がん・慢性炎症性疾患・白血病・肝臓病・骨粗鬆症などの治療にも非常に重要です)
ビタミンAにより粘膜を健康に保つ=粘膜でのバリア機能を維持する、というわけです。
また、鼻の粘膜(腸などもそうですが)を覆う粘液を産生するためには、ビタミンAが必要となります。
もちろん、粘膜はタン白質でできているため、タン白質をしっかりとることがとても重要です。
また粘膜のコラーゲンをきちんと作るためにはタン白質と鉄とビタミンCが必要です。
鉄欠乏では粘膜が弱くなるため、感染やアレルギーを起こしやすくなりますので、注意が必要です。
花粉症の方や風邪を引きやすい方は、粘膜の機能が落ちている可能性が高いです。
そういう場合はまず栄養欠乏を疑って、動物性蛋白を含めて食事をしっかり摂る、サプリメントを利用する、などの対策をとることをおすすめします。