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分子栄養学

2009年05月28日

 

お久しぶりです。

 

すっかりご無沙汰しております。

 

 

久しぶりの更新なのになんですが、とても残念な事が起こりました。

 

Orthomolecular Medicineの巨匠、カナダのAbram Hoffer博士が、今朝お亡くなりになったそうです。

 

くわしくはよくわからないのですが、去年お目にかかったときはかくしゃくとしていらしたので、驚きました。

 

 

分子栄養学に携わっている者で知らない者はいないと思われる偉大な先生で、Hoffer先生がいらっしゃらなければ今の私はないかもしれません。

 

 

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

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2008年03月16日

 

先日ホッファー先生を訪ねた時のことを書いておこうと思います。

 

 


ホッファー先生は1917年生まれ(歴史を感じます。。)、農学の分野で化学博士号をとった後、医師となり精神医学を専門とされました。

 

精神疾患の原因を脳の生化学的な異常に求め、その異常を薬でなく自然な栄養素を用いて整合し、治療するということを、すでに1950年代から行っていらっしゃいました。

 

カナダの精神科学会の会長を務めた先生でもいらっしゃいます。

 

世界で初めて二重盲研法による臨床試験を行い、ビタミンB3が統合失調症に有効であることを実証されるなど、その業績は歴史に残るものばかりです。

 

また、分子整合栄養医学の世界唯一のジャーナル、Journal of Orthomolecular Medicine の設立者であり、編集長でもいらっしゃいます。

 

まさにこの分子整合栄養医学の礎を築いた先生であると言えるでしょう。

 

私をはじめ、栄養療法を行う世界中のドクター達にとって、神様のような存在の方です。

 

 

ナイアシン(ビタミンB3)をずっと飲み続けていらっしゃるホッファー先生は、御年90を超えても非常に頭脳明晰でいらっしゃり、そんな偉大な先生を前にして、私はまるで教授の口頭試問を受ける医学生のような気分だったのでした。。

 

そのホッファー先生に、治療に難渋している患者さんや、栄養療法についての質問などをさせていただくことができました。

 

 

 


難しい病気(主に精神疾患)を改善するために重要なことは、

 

 

○まず砂糖をやめること


○精製炭水化物をやめること

 

 

これは言わずもがなですね。。

 

 

またホッファー先生は、「食物アレルギー」の重要性について、強調しておっしゃっていました。

 

日本ではあまりなじみのない概念ですが、食物アレルギーがうつや統合失調症など、多くの精神疾患の原因となる場合があるのです。

 

うつの75%には食物アレルギーが関与しているともおっしゃっていました。

 

多いのは乳製品ですが、大豆でも卵でも牛肉でも果物でも、どんな食品にも起こりえるのです。

 

私が前から思っていた、低血糖症の患者様はいろいろなものの中毒になりやすい(カフェインやアルコール、ドラッグなど)ということも、同じことをおっしゃっていました。

 

 


いろいろなことを伺ったのですが、とても感銘を受けたのは、どんな困難な患者さんであっても、「決してあきらめない」ということでした。

 

 

「Never Give Up !」

 

 

患者さんがすぐにはよくならなかったとしても、私たちがあきらめてしまってはいけない。

 

あきらめなければ道は開ける。

 

また、現代医学では治療法もなく、絶望的とされている病気でも、この治療法では患者さんが治っていくのを見ることができる。

 

つまりそこには「希望」があるということである。

 

患者さんに希望を与えることは、治療を行っていくうえでとても重要なことである。


そしてそれは患者さんにとってだけでなく、治療者にとってもハッピーなことだ…。

 

 


ホッファー先生は、若かりし頃、絶対的に入院が必要と言われていた重症の統合失調症の患者様を、自宅に連れてきて一緒に住んで面倒を見られたそうです。

 

 

なかなかできることではありません。

 

 

 

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Dr. Hoffer and Ms Fuller

 

 

 

I' d like to thank you two very very much !!

 

 

I'm looking forward to see you again.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2007年05月28日

私のクリニックには多種多様な「具合が悪い」患者様がいらっしゃいます。


普通の病院へ行って検査を受けても「異常ナシ」と言われ、大抵は対症療法の薬などを処方されますが、効果がないことが多く、何軒も病院のハシゴをして「病院ジプシー」になってしまっている方も多いです。


そういった方の血液データを拝見すると栄養欠乏はほぼ必発であり、お困りの症状の多くが栄養欠乏の症状に当てはまることを説明すると、多くの方が驚かれます。
(このデータから栄養欠乏を読み取るという方法が、分子整合栄養医学独特のものなのです)


そして栄養療法を行い、栄養欠乏が改善していくと、かなりの方が改善されます(効果には個人差がありますが)。


それほど、栄養状態と健康状態は関連が深いものなのですが、一般的に認識されていないのが現状です。



さて、そのような栄養欠乏にはいくつかのパターンがありますが、最近立て続けにみられたのが、「かなりの血液濃縮」がある、というパターンです。



・精神症状(情緒不安定、イライラ、うつ、やる気が起きない、人と付き合うのが面倒、etc)
・だるい
・朝起きられない
・異常に疲れる
・冷え性
・むくみ
・etc…



これらのような症状があり、とにかく何をするにもおっくう、と言った感じの患者様が多いのですが、このような患者様の中には、採血をさせていただくと採血用の真空管に血液が入っていく速度が異様に遅いことがあり、「ん?」と思うことがあります。


医学的な言い方ではないのですが、いかにも

血液ドロドロ!

という感じなのです。


で、後で楽しみに(失礼!)血液データを見てみると、総蛋白の上昇(基準値を超えた)、赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットの上昇、尿比重の上昇などが見られ、「ものすごく血液が濃い」ことがわかるのです。

 

極端にこのような異常値がみられれば、血液濃縮があることは医師であればわかると思いますが、患者さんは別に脱水状態になるような嘔吐や下痢などを起こしているわけでもなく、水分も普通に摂っていて、血液濃縮になる理由がないため、原因がわからない、ということになりますし、体調が悪い理由と血液濃縮を結びつけて考えることもおそらくないと思われますので、対処の方法がないことになります。


実は、このような状態になる理由は、タン白質の摂取量が非常に不足していることによるのです。

 

以前の記事にもありますが、タン白質(特にアルブミン)は血液の濃さを調節しています。
アルブミンは血液中に水を保持するスポンジの役割をしているので、血液中にアルブミンが充分あれば血液中の水分量が多く保てるため、血液は理想的な濃度(濃すぎず、薄すぎず)を保つことができます。


しかし、タン白質不足(摂取不足や需要亢進によるタン白質の消費)などにより、アルブミンが減少すると、血液中の水分量が減少するため、血液が濃くなるのです。


血液が濃くなると言うことは、それだけでも血行不良の原因となり、酸素や栄養素が末端の細胞まで届きにくくなるため、色々な症状が起こりますし、循環血漿量が減少しているため低血圧や易疲労、冷え性、むくみなどの原因となります。


これを改善するためには、まずタン白質を摂取すべし、ということになるのですが、タン白質の多い食材というともちろん、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品です。


中でも、私達ヒトがもっとも効率よくタン白質を利用できるのは、動物性タン白質です。


一般的には血液ドロドロというと、お肉や卵は控えよう!!となるのが普通ですが、その逆で、むしろ積極的に食べたほうが良い…という話になるのです。


もちろん血液ドロドロにも色々なドロドロがあって(笑)、この場合はタン白質不足によるドロドロですが、中性脂肪などが高い場合のドロドロもあります(いわゆるメタボです!)。


この場合も、動物性タン白質を控えるのではなく(脂肪分は摂り過ぎないほうが良いですが)、むしろ体内で最も脂肪に変わる物質、すなわち

糖分(炭水化物)を控えなさい!!

ということになります。


ちなみにデータが基準値内で一見全く問題なく見える場合でも、タン白質不足がある場合には血液濃縮はほとんどあると言えます。


いわゆる「常識」とされている健康情報には多くの点で誤りがある…、ということがお分かりいただけることと思います。



2007年04月21日


先日たまたまある7才のお子さんの血液データを拝見する機会がありました。


私が直接には存じない患者様なのですが、そのお子さんが(ご家族が?)困っていらっしゃることは、


・極端な偏食である(食べる量が少ない、野菜をほとんど食べない、お肉は食べる、糖質系はよく食べる)

・あばら骨がみえるほどやせている

・背が伸びなくて体が小さい


ということでした。


元気はよく体調的にどうということはないそうなのですが、データを見ると


・貧血

・低蛋白

・鉄欠乏

・低コレステロール

・低中性脂肪

・ALPが低い(成長期の割には)


と明らかな栄養失調状態でした。


蛋白と貧血の値は正確にはわからなかったのですが、総コレステロールが130しかなく、そして中性脂肪がなんと11(!!)しかありませんでした。

中性脂肪の理想は100前後です。


中性脂肪11、総コレステロール130というのは、総摂取カロリーが極端に少なく、栄養不足(タン白質不足)であることを表しています。


コレステロールはホルモン(性ホルモンやステロイドホルモン)や細胞膜の材料として必須であり、その不足は成長に影響を及ぼします。

(なぜタマゴにコレステロールが多いのか…?受精卵がヒナになるために必要だからです!タマゴの栄養についてはこちら


またALPは600台でしたが、6~9歳の子どもにしては低い…、このくらいの子どもは大人の基準値の上限の3倍はALPがないと発育に問題を来たします。


つまり800~900くらいはないと背が伸びない…、というわけです。


ALPは含亜鉛酵素なので、亜鉛の不足で低下します。

つまりALPの低値は亜鉛の不足を意味しているのです(大人であればとても高い数値ですが…)。


亜鉛は細胞分裂に必要なので、発育、成長には必須のミネラルです。


タン白質不足・貧血・鉄欠乏・亜鉛欠乏(おそらくビタミンB群欠乏もあるでしょう)では大きくなれません。

 



私の恩師が、「ソマリアの子どもの血液データを持っているけど、この子はそれと同じデータだね…」と言っていました。



この患者様が特殊なケースであることを願いたいものですが、今の子どもの食環境を考えると、怖ろしいことに決してそうは思えないのです。


この日本で、ソマリアの子どもと同じ栄養状態の子どもがいるとは…(決して虐待されているわけではありません!)。




深く考えさせられた一件でした。



この場合、まず親御さんに啓蒙をきちんとしなければいけないね…、という話でした。


2007年04月17日


前回は、栄養療法の効果を充分に発揮するためにはタン白質が重要なポイントである、ということについてお話しました。


プロテインがなかなか飲めない、という方は多いのですが、そこをしっかりとやっていただくかいただかないかで、結果に違いが出てくるのです。


プロテインが飲めないのは、単純に面倒だから(水や牛乳などに溶かさないといけないので)、という場合もありますが、多くの場合は「胃が張る」「気持ちが悪くなる」「ガスが出る」などの胃腸症状が出るために、飲むのが嫌になってしまうことが多いようです。


当クリニックで使用しているプロテインは、ペプタイド加工といって低分子加工しているので、市販されている普通のプロテインに比べると胃腸症状が出にくいのですが、それでも胃が張る…、という方は結構いらっしゃいます。


これらの症状は


・ 胃酸の分泌が少ないために(日本人の多くは胃酸の分泌が少ないのです)ペプシノーゲン→ペプシン(タン白質分解酵素)への変換がうまく行われず、タン白質が切断されずに大きな分子のままとどまってしまい、胃から腸へ送られにくいため、いつまでも胃が張ってしまって気持ちが悪くなる


・ タン白質がアミノ酸まで消化されずに大きな分子のまま腸へ移動すると、腸内細菌のエサになってしまうため、ガスが多く出る


などの理由によって起こります。


これらは確かに嬉しくない症状ではありますが、我慢して栄養療法を続けていただくと、徐々に良くなってきます。


胃酸を分泌する細胞をはじめとして、消化管の細胞もタン白質でできています。
消化管の平滑筋を丈夫にして消化管の動きを活発にするにもタン白質が必要です。
タン白質をはじめとした栄養素を摂取していくことで、消化機能も改善していくのです。


タン白質を一番摂っていただきたい消化機能の低下した方ほど、プロテインを飲みにくい、というのは困ったことですが、それだけ消化機能が落ちていると言うことなので、しっかりとそれを改善するつもりで飲んでいただきたいと思います。


また、一度に多くのプロテインを(と言っても普通1回10g程度のものですが)摂っていただくのがつらい場合は、


・ 小分けにして飲んでみる
・ 好きな飲み物に混ぜてみる(カフェオレ・ミルクティー・シェイクなど)
・ 料理に混ぜてみる(味噌汁・ヨーグルト・ホットケーキ・カレー・シチューなど)

・ 消化剤などを併用してみる


などの工夫をしていただいて、とにかくタン白質をしっかり摂る…、という努力をなさっていただきたいと思います。


ちなみに、日本人は胃酸の分泌が少ない人が大多数です。

なので、安易に「○スター10」などの制酸剤を飲んでも逆効果であることがありますので、胃の症状がある場合はペプシノーゲン等の検査をお受けになられた上で薬を処方してもらうことをお勧めします。





タン白質の重要性についてはこちら



2007年04月16日

栄養療法の効果には、当然ながら個人差があります。


3ヵ月後の再診で、ほとんどの例で著名な改善~何らかの改善効果を認めますが、期待したほどの改善効果が得られない場合ももちろんあります。
(*病態によっては、病態改善に時間がかかるため3ヶ月では効果判定には早すぎる、という場合もあります)


その場合、考えられる理由として、栄養素の量が必要量より少なかった、または栄養素の吸収能力が低下している、などの理由が考えられますが、実は栄養療法の効果に大きく影響する要素の一つが、

「タン白質が十分摂取できていたかどうか」

なのです。


・ カプセルや錠剤などの粒は飲めるけれど、プロテインだけが飲めなくて余ってしまう
・ サプリメントで摂っているからいいや!と食事できちんとタン白質を食べていない


などの場合、効果が全くでないということはありませんが、期待した効果が得られない場合が多いのです。

それは何故なのでしょうか?


栄養療法の目的のひとつは、体の中を
「異化=同化」
の状態にするということです。


異化とは「体の組織が壊される」ことであり、
同化とは「食べたものが体の組織になる」ことです。


人間の体は活発にターンオーバー(新陳代謝)しており、常に「異化」と「同化」を繰り返しています


タン白質は必ず古くなると壊され、細胞は寿命がきたら必ず死にます。
小腸粘膜の細胞は2日、皮膚細胞は28日、赤血球は120日で寿命がきます。
つまり人間の体は、放っておいたら壊れていく、「異化」の方向に進んでいくのです。


しかし、壊れっぱなしだったら人間の体はすぐに老化して死んでしまいますが、実際には細胞が分裂することにより、細胞が死んだ分をカバーしています。
つまり「同化」です。


細胞が死んでも、その分の数や質を保って細胞が生まれ変わっていれば、老化も病気も起こりにくい、ということになります。


細胞がちゃんと新陳代謝して、望ましい状態でターンオーバーするには、当たり前の話ですが材料が必要です。

その基本的な材料は何か…、当たり前ですが、タン白質なのです。


体を木造建築に例えると、タン白質は木材そのものです。
ではビタミン・ミネラルは何か…、というと大工道具に当たります。例えば釘やトンカチ、ノミやのこぎりなどと思っていただければわかりやすいでしょう。
釘やトンカチも必要ですが、それだけあっても材木がなければ家は建たないのと同じで、ビタミン・ミネラルだけ摂れていても、タン白質が不足していてはターンオーバーがうまくいかないのです。


一般的な日本人はタン白質不足なので、

異化>同化」のパターンになっています。


「異化>同化」では老化します。
また病気になりやすくなります。


「異化=同化」の状態にすることが、病態改善、老化防止(アンチエイジング)には必要不可欠なのです


逆に言えば、ターンオーバーは「材料次第」です。


粗末な材料しかなかったら粗末な家しか建たないのと同じように、口から入ってくる栄養素が乏しければ、それなりのターンオーバーしかできないのです。


つまり、「異化=同化」の状態にし、最適な健康状態を保つために、栄養療法の効果を出すために、タン白質は必要不可欠であり、最重要ポイントである、と言っても過言ではないのです。



また、体の中でいろいろな化学反応を行っている「酵素」(血液データで見ている項目の多くを占めているのは酵素です)はタン白質でできていますから、タン白質不足では酵素活性に変化が起こりにくく、データが変わらない、要するに体内環境が改善しない、ということになります



栄養療法をせっかくやっているのだから、やっていただいているのだから、できうる限り最大限の効果を出したい!


そのための重要ポイントがタン白質、すなわちプロテインでありアミノ酸であり、食事でのタン白質摂取です。


一番面倒くさいですし、人によっては症状のため摂りづらい…、ということも確かにあるのですが、タン白質の重要性をしっかり理解していただき、努力して摂っていただきたいと思います。

 


タン白質の重要性についてはこちら




2007年02月06日

そろそろ花粉症の季節ですね。


花粉症はアレルギー性疾患の一つですが、アレルギー対策で大切なポイントのひとつが、粘膜を丈夫にすることにあります。


鼻や胃腸の粘膜は、人体と外界を分けるまさにバリアであり、免疫反応の最初の関所として重要です。


粘膜を丈夫にするために重要なことは、ビタミンAタン白質です。


栄養療法では、粘膜や皮膚のトラブルがある場合、粘膜を健やかに保つ目的でビタミンAを使います。


ビタミンAは「細胞の分化(未熟な細胞がそれぞれの機能を持った成熟した細胞に分かれていくこと)」に関わっています。


丈夫な皮膚や粘膜をはじめ、血液・骨・肝細胞なども、それぞれの組織がきちんと作られるためにはビタミンAが非常に重要なのです。

(なのでビタミンAは、皮膚疾患・胃腸疾患・がん・慢性炎症性疾患・白血病・肝臓病・骨粗鬆症などの治療にも非常に重要です)


ビタミンAにより粘膜を健康に保つ=粘膜でのバリア機能を維持する、というわけです。


また、鼻の粘膜(腸などもそうですが)を覆う粘液を産生するためには、ビタミンAが必要となります。


もちろん、粘膜はタン白質でできているため、タン白質をしっかりとることがとても重要です。


また粘膜のコラーゲンをきちんと作るためにはタン白質ビタミンC必要です。


鉄欠乏では粘膜が弱くなるため、感染やアレルギーを起こしやすくなりますので、注意が必要です。


花粉症の方や風邪を引きやすい方は、粘膜の機能が落ちている可能性が高いです。


そういう場合はまず栄養欠乏を疑って、動物性蛋白を含めて食事をしっかり摂る、サプリメントを利用する、などの対策をとることをおすすめします。

2007年01月26日


分子整合栄養医学を勉強していると、人体の生命活動のあまりにも巧妙な仕組みに感動することがよくあります。


生命活動とはすなわち、栄養素が体の中でどのような化学反応を受け、代謝されていくのか、ということです。


遺伝子を中心とした指令システムの中で、私たちの知るまでもなく、60兆個の細胞の中で膨大な数の化学反応が日々行われ、生命は維持されています。


それらの全ての元になるのは、何はなくとも「栄養素」なのです。


体内における栄養素の活動こそが、生命活動であると言えるのです。



分子整合栄養医学の根本になるのは生化学であり、生理学です。


医学生の頃、あんなにつまらなかった(失礼!)生化学も、栄養素の働きと臨床とを結びつけて考えると、「なるほど!」と思わず膝を打ちたくなります。


そして、このような栄養素の働きについて知れば知るほど、患者様が普段摂っている食事と疾病とを結び付けて考えることをほとんどしない現代医学のあり方に、深い疑問を持たざるを得ないのです。



以前ご紹介した「栄養と犯罪行動」という本の中で、印象に残った文章がありました。



 

「もしあなたが一枚の木の板を芝生の上に落とすと、一週間後、その下の草がよく育たなかったことに気づくだろう。

近づいてよく見ると、その草の多くの葉は死に、ある葉はかろうじて生きており、そして別の葉は比較的健康であるのがわかるであろう。

ハイテクノロジー医学の最良の考え方は、それらの草の葉の発生学的相違を分析し、非常に経費のかかる実践と結びつけて、死につつあるものを生き生きさせようと努力することである。

まず第一にそこに板を落とすべきでなかった、という認識が一つの洞察なのであるが、それは公衆衛生と環境改良の運動家に限られている。」

 




膨大な費用をかけて常に新薬は開発され続けています。

中には素晴らしい薬もありますが、鳴り物入りで世に出ても何年か後にその効能・効果が否定され、はあっさりと市場から消え去る薬剤は数知れません。


遺伝子治療やより非侵襲的になっていく外科治療など、現代医学の発展は目覚しいものがあります。


しかし、その前にもっと大切なことがあるのではないか、私たち医師は足元を見失っているのではないか、と思うのです。


2006年11月19日

昨日、ドクター向けに行われている分子整合栄養医学講座で症例発表させていただきました。


大慌てで作ったスライドですが、臨床の先生方のお役に少しでも立てればいいと思いました。


この勉強会は、かなりクローズドな形で行われている会ですが、参加していらっしゃるドクターたちの熱意は並々ならぬものがあるようでした。


懇親会での自己紹介の時間に、


「学生時代にこんな講義があれば・・・」


「10年前にこの治療法を知っていたら・・・」


と言う声が多く聞かれました。


私もそうでしたが、やはり臨床でどうにもならない、難しい患者様を前にして困っているところへ、分子栄養学をいう学問を知ると、目からウロコが何枚も落ちるようです。


医師としては大先輩の方が多かったですが、このような「同志」がこれからもっと増えてきて欲しいと思います 波

2006年10月07日

世の中に体調の悪い方は数多くいらっしゃいますが、病院に行って診断がつくような病気の場合にしろ、そうでない場合にしろ、そのほとんどの場合には、なんらかの形で栄養欠乏が存在しています。


この飽食の日本で栄養欠乏なんて、と思う方が多いかもしれませんが、栄養欠乏は現代人の体調不良の大きな原因になっているのです。


いわゆる「病気(疾病)」はまた別かと言うとそうではなく、そもそも病気になるような体内環境は栄養欠乏がベースとなって引き起こりますし、栄養と一見関係のないような病気であっても、栄養欠乏は病気を修飾し症状を増悪させる厄介な因子になります。


「栄養」と「体の状態」を関連付けて考えない現代医学のあり方には、非常に大きな欠点があると言えるのです。


(製薬会社主導で薬剤の投与が治療の中心となっているのが大きな理由です)



栄養失調というと、アフリカの難民の子どもを思い浮かべる方が多いでしょう。


やせ細ってまるで骨と皮だけになり、お腹だけがぽっこりと出ているような、そんな状態だけが栄養失調なのではありません。


現代型の栄養失調の特徴は、「カロリーはちゃんと摂れている」ということです。


糖質・脂質は過剰なのに、体を構成したり機能させるために必要なタン白質やビタミン・ミネラルは摂れていないのです。


だから栄養失調でもやせているわけではなく、逆に太りやすくなったりします。


何が不足するのかと言うと、もう根本的に人体を構成するのに必要不可欠なものが不足しているのです。



・タン白質・アミノ酸

・ビタミンB群

・鉄

・カルシウム・マグネシウム

・亜鉛

・ビタミンC

・ビタミンE

・ビタミンA

・カリウム

・食物線維

・必須脂肪酸など



これらのものは、現代日本人の食事からは非常に摂りづらいものです。


食べ物自体の栄養価の低下、加工食品・精製食品が中心の食事、炭水化物が多い偏った食事、砂糖の大量消費、消化機能の低下、間違ったダイエット…。


いろいろな理由で私たちは簡単に栄養失調を起こします。


自分の体を作るものは、自分が口に入れる食べ物以外にはありえないのです。


そういうことにあまりに無頓着な人が多すぎます。


栄養失調を治さずして薬を飲んでも、うまくいけば症状は取れるかもしれませんが、本当の意味での「健康」にはなりえません。



体調が悪いのには必ず原因があります。


そしてそれを治せば必ず体調は回復し、元気になるのです。


しかし、一度出来上がった栄養失調状態を、食べ物だけで治すのはかなり難しいことです。


欠乏状態を埋めるのは相当な量の栄養素が必要だからです。


だからサプリメント療法、栄養療法が必要なのです。



何を食べるか、体の中に摂り入れるかは、どう生きるかと同じです。


血液データは、その人の「人となり」を表していると私は思います。


いろんな血液データの人がいます。


症状も人それぞれです。


でも血液データは、必ずその原因を私たちに語りかけてきます。


本当の意味での健康を手に入れるために、自分の体内環境を知り、そして栄養療法を利用していただきたいと思います。

 

2006年06月28日


今日は分子栄養学(正確には分子整合栄養医学)の話しをします。                    

 

分子整合栄養医学に基づく栄養療法を行う際に重要なのは、血液検査です。

病院や人間ドックなどで、血液検査をお受けになったことのある方は、沢山いらっしゃると思います。

しかし、この血液データの読み方が、一般の医師と、分子栄養学を行っている医師では、かなーり違うのです。

このデータの読み方が、栄養療法のキモであると言ってもいいでしょう。

(ちなみに、もうひとつのキモは治療に使うサプリメントです。残念ながら日本で治療に耐えうる良質のサプリメントを提供している会社はごくごくわずかです)

 

症状があって病院にかかった時、血液検査では何の異常も見つからず、原因がわからなかった、という経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

例えば、頭痛や腹痛などいろんな症状に対し、医師は必要に応じて、検査を行います。

血液検査のみならず、超音波やレントゲン、CTMRI、細菌検査など、現代西洋医学の検査技術は非常に素晴らしいものです。

しかし、いろいろな検査を行っても、原因が見つからない!!ということは、よくあることです。

その場合にどうするかと言うと、明らかな原因が見つからなければ生命に別状があるわけではないことが多いので、差し当たり症状をとるための治療を行います。

痛かったら痛み止め、かゆかったらかゆみ止め、眠れなかったら眠り薬、と言う具合です。

これがいわゆる「対症療法」というものです。

西洋医学による治療法には、こういった対症療法がとても多いのですが、これは西洋医学的な検査では「機能的な問題」による病態を診断するのが非常に難しい、ということによります。

 

機能の問題に関してはまたの機会に書きますが、血液検査でなぜ問題が見つからないのか?

 

それは、血液データの解釈の仕方にあります。

 

一般の医師は、私も分子栄養学を勉強する前はそうでしたが、血液データを見る時にその数値が「基準値の中に入っているか否か」で、正常なのか異常なのかを判断します。

しかし、この「基準値」というのがくせものなのです。

 

基準値とは、そのデータをとった母集団のうち、(およそ)95%の人の数値がその範囲の中に入った、という程度の意味でしかありません。

もちろん目安にはなるのですが、基準値の中に入ったからと言って、その数値が「望ましい数値」であるわけではないのです。

基準値=正常値ではない」のです。

 

確かに、基準値の中に入っていれば、「病気ではない」と言えるかもしれませんが、基準値の中に入っていても、様々な分子栄養学的な問題点を見つけることができます。

 

タン白質不足、ビタミンB不足、鉄欠乏、亜鉛欠乏、低血糖、インスリンの過剰分泌、脂肪肝、肝機能低下、ストレスの度合い、などなど。。。

 

一般のどんぶり勘定的な見方ではわからない、栄養素の欠乏状態やそれに基づく代謝の異常を把握すると、患者さんの訴えてる症状の多くが当てはまるのに驚きます(自覚症状の感じ方には個人差がありますが)。

例えば、頭痛やめまい、うつなどの精神症状、月経困難症、にきび、肥満などの原因が、データから読み取れるのです。

 

血液データは思った以上に、体内環境を雄弁に語ってくれています。

そもそも、エネルギーの産生や体蛋白の産生、ホルモンや神経伝達物質の生成など、(後天的に)体の機能がどのように働いて生命が維持されるのかと言うことは、ほぼ体の中に入ってくる栄養素によって決められるのです

そしてそれらの不足やアンバランスにより、様々な代謝の異常が起こり、それらがいずれ病気となって現れるずっと前から、きちんと血液データには現れてくるのです。

しかし、「基準値の中に入ってさえいればOK !」という見方をしている限り、それらを読み取ることができないので、結局「原因不明」になってしまうのです。

ということは、治療は対症療法に頼らざるを得なくなり、根治療法は難しい、と言うことになります。

 

残念ながら、このデータの読み方は医学部では教わらないことなのです。

まあその判断ができても保険診療では薬を出すことしかできませんから、根本治療(つまり栄養素を使った治療です)は難しいのですけれどね。

 

アメリカの開業医の60%は、何らかの形で栄養素を治療に取り入れていると言われています。

日本でももっとそういう考え方を持つ医師が増えてくれるといいのに、と思います。


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2006年03月25日


更新しなさ過ぎです。はい。


無駄に忙しいのです。もっと建設的に働かなくては。。


さて今日は、現代人と炭水化物の関わりについて、貴重な示唆を含んでいる本を紹介したいと思います。


分子栄養学を行っていると、現代人の食べ物が実はものすごく偏っていることを実感します。


何に偏っているかと言うと、炭水化物が多すぎるのです。


何につけても便利な現代、お金さえ払えば、お腹がすぐにいっぱいになるものが、しかも安い値段で、簡単に手に入ります。


コンビニのサンドイッチやおにぎり、魅惑的なお菓子類など。


それらのほとんどは炭水化物です。


私たち現代人は炭水化物を摂り過ぎなのです。


それによって栄養の代謝がくずれてしまっていることが、現代病の一端を担っていると言えるでしょう。



炭水化物は、糖質です。


食べ物で言うと、ごはん、パン、めん類、イモ類、お菓子、砂糖、などです。


糖質ですから、食べると当然血糖値が上がり、インスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)が分泌されます。

(分泌される速さやレベルなどは、糖質の種類や一緒に食べたものにも影響されます)


炭水化物が多い、すなわちインスリンを分泌しやすい食事をしていると、最初のうちは低血糖の傾向が出てきます。


炭水化物中心の食事、または甘いものや砂糖が多く含まれた食べ物を摂ると、血糖値が急速に上がり、それに反応してインスリンが過剰に分泌されるために、結果的に低血糖に陥るのです。


この低血糖というのが、慢性疲労やうつ病・統合失調症などの精神疾患など、種々の病態の原因のひとつになっているのですが、日本の医療現場ではほとんど問題視されていません。


低血糖についてはまたの機会に書きますが、それらの病態が長く続くと、インスリンの過剰分泌による肥満、高脂血症、血糖調節異常、高血圧などが起こり、いわゆるシンドロームXの状態になります。


これが生活習慣病の土台であることはすでに常識になっていますね。


糖尿病も同じです。


インスリンが過剰に分泌される状態が続くと、すい臓が疲弊してゆくゆくはインスリンが分泌されなくなります。


そうすると血糖値を下げることができなくなり、血糖値が高くなる。


つまり今度は糖尿病に移行していくのです。


血糖値を最も上げるもの何か。


当たり前ですが糖質です。


だったら、糖質を摂らなければ糖尿病患者の血糖コントロールはうまくいくのではないか、ということを実践したのがこの本の内容です。



現代栄養学の糖尿病の食事療法では、カロリーと単位に基づいて食事内容を決めていますが、必ず糖質も入ってきます。


しかし、いくらカロリーを抑えても、糖質を摂っている限り(それがGI値の低い玄米などであろうとも)、血糖値をあげてしまうために、血糖コントロールが難しくなり、インスリンや血糖降下薬などから離脱するのは難しくなります。

しかし、炭水化物(主食)を控えた食事療法、この本で言うところの「糖質制限食」を行うと、血糖のコントロールがかなりの率で良好になると報告されています。


血糖値を上げるものを摂らなければ血糖値が上がらないというのは、考えてみるとごく当たり前だと思うのですが、この考え方もあまり一般的とはいえません。


なぜかと考えると、常識的には「主食は必ず摂るべき」となっているので、その固定概念を取り外すのが実は難しいことなのでしょう。


しかし人類の歴史から見れば、これほど精製した炭水化物を浴びるように(!)摂っている時代はないわけで、インスリンが出まくりでそれによって異常が起きている、と考えるのが自然のように思います。

 

私自身は実際にそんなに糖尿病の患者さんを診ているわけではないので実例としては挙げられませんが、血糖値のコントロールに困難がある方は、試してみる価値が充分にあると思いますし、おそらく効果があるのではないかと思われます。


 

で、この本の内容や私個人の考えをまとめた結論としては、糖尿病や種々の生活習慣病の治療や予防のためには、炭水化物を控え、タン白質と野菜(きのこや海草などを含む)を中心とした食事をしたほうが良い、ということです。


正常な人なら極端な糖質制限はしなくてもいいかと思いますが、私はなるべくなら減らしたほうが良いと思います。


糖質を過剰に摂ることでただでさえ足りないビタミンB群を消耗しますし、糖質が多いということはその分タン白質の摂取量が必然的に減少しますから、代謝に負担をかけることになります。


そして実際に糖尿病まで行かなくても低血糖の兆候がある人はとても多いのです。

 (血液検査ではHbA1cやグリコアルブミン、HOMA-R、IRI等で判断します。)


体調不良のある方は、まず甘いものや糖質を減らしてみることをお勧めします。


タン白質については「タン白質の重要性」をお読みください。

2006年02月14日

いやー、間が開いてしまいました。

 

この週末、ドクター向けの分子整合栄養医学講座がありました。

 

そこで4名のドクターが症例発表を行い、私も3例の症例を発表したのですが、実は私自身の体験も発表しました。

 

症例:○○歳女性(←隠してどうする)

主訴:易疲労、肩こり、腰痛、食欲不振、胃もたれ、腰痛、むくみ、冷え性

 

血液検査結果より、

 

     タン白質不足

     潜在性鉄欠乏

     糖質の摂取が多い

     低コレステロール血症

 

と診断されました。

 

そこで、プロテインとアミノ酸、ヘム鉄を中心に、ビタミンB・Cとカルシウム・マグネシウム、マルチミネラルを処方し、4ヵ月栄養療法を行ったところ、上記の症状はほとんど改善しました。

(肩こりだけはまだありますが、肩こりの原因は複雑なので仕方ないでしょう)

 

低コレステロール血症と言うのはあまり聞かないかもしれませんが、コレステロールは高いより低いほうが死亡率は高いので、低いのはよくありません。

私の家族はほとんどコレステロールが低く、脳卒中が多い家系で、祖父は脳出血で50歳そこそこで亡くなっています。

このように昔、日本人に脳出血が多かったのは、コレステロールが低かったからです。

私の場合は、治療前は141mg/dlだったのが、栄養療法にて195 mg/dlに上昇しました。

通常問題にされるのはコレステロールが高い場合ですが、栄養療法を行うと脂質代謝が正常化するので、いい具合に下がってきます。

もちろん、太っている方はやせることも大切です。(これが難しいのですけどね)

 

それと、人体実験と称して肉体改造に挑戦した時のデータも発表しました。

これも自分的には興味深かったのですが、これについてはまた次回。

 



今、トリノの男子スピードスケート・ショートトラックをライブ中継しています。

日本勢頑張れ~~!!

2006年01月08日

こんばんは。


本当に寒い日が続きますね。

冷え性の女性にはつらいシーズンです。

ちなみに、冷え性に栄養療法はとっても効果的です。

(経験者は語る)


詳しくはまたの機会に。



さて、これまで、分子整合栄養医学(分子栄養学)とは何ぞや、と言うことを説明してきました。

 

今までのポイントは、分子栄養学にもとづく栄養療法とは、「至適量の栄養素を補給することによって、異常な分子を正常化し、体の調節機能を整えて、病気の治療・予防をする」治療法だということです。

 

具体的な治療は、サプリメントの摂取によって行われます。

 

そして、栄養療法が食事療法と違っている点、また市販のサプリメントを買って飲むこととも違う重要な点は、「栄養素の量」にあります。

 

栄養療法において、もっとも重要なのがその「量」であり、そして最も誤解されているのも「量」なのです。

 

今日はその「量」についての話をしたいと思います。

 

 

皆さんご存知のように、栄養には必要栄養所要量というのが定められており、それに沿って栄養を摂りましょう、ということに一般的にはなっています。

 

しかし分子栄養学に基づく栄養療法では、必要栄養所要量に比べると、ケタ違いに多い量の栄養素を治療に用います。

 

このことから、分子栄養学は「メガビタミン療法」「ビタミン大量療法」などと呼ばれ、その量が非難の的になってきたという歴史があります(今でもです!)。

 

しかし、分子栄養学の目的と概念から考えると、60兆個あると言われる人間の細胞を望ましい状態に整えるためには、栄養所要量に定められているような微量の栄養素(ビタミンB1なら11mg程度)では、到底まかないきれない、というのが実際のところなのです。

 

そもそもビタミンの発見は、ビタミン欠乏症の研究から始まっています。

 

壊血病、脚気、ペラグラ、くる病、夜盲症(鳥目)、悪性貧血など。

 

これらは今でこそ、ビタミンの欠乏症だということは常識になっていますが、昔は原因が全くわからない「奇病・難病」とされていた病気です。

 

その病気を研究していったら、ビタミンと言うものがあって、それが不足しているために起こっている病態なのだ、ということがわかり、ビタミンは発見されてきたわけです。

 

ビタミンの歴史は、言うなればビタミン欠乏症の歴史なのです。

 

こういう経緯から、栄養所要量は定められています。

 

つまり必要栄養所要量とは、「欠乏症を防ぐための量」なのです。

 

そして、この栄養所要量がきちんと摂れればOK、とするのが旧来の栄養学の考え方なわけです。

(ちなみに日本人の平均的な食事ではこの量すらも充分に摂れていないということが明らかになっています)

 

しかし、分子整合栄養医学の目的はあくまでも「欠乏症を防ぐ」ことではないのです。

 

欠乏症を防ぐというレベルを超えて、「体の調節機能を高めて疾患の予防・治療を行う」ことが目的ですから、そのために必要な栄養素の量は、栄養所要量の100倍以上になる場合もあります。(当然食事だけでは摂れません!)

 

栄養療法の効果は「用量依存性」であり、そのような量の栄養素を使わないと治療効果は実際には現れないのです。

 

そしてそのような(旧来の概念からすれば)大量のビタミンを治療に使っても、現実には副作用はほとんど起こりません。(起こるとすればサプリメントの質的な問題があると考えられます)

 

巷ではもっともらしく「ビタミン過剰症」についての危険性が取り沙汰されていますが、ここは非常に誤解をされているところです。

 

栄養学とは突き詰めれば生化学・生理学であり、その分野は常に進歩しています。そして栄養素が果たす役割の大きさが日々明らかになっています。

 

そして栄養素に、今まで常識的に捉えられていた以上の様々な治療的な効果がある、ということがわかってきているのです。

 

それでも、一度定着した固定概念を払拭することはなかなか難しいようで、栄養所要量以上の多いビタミンを摂ると過剰症が起こり、危険である、と、いまだに言う人たちがいます。

 

そのような意見に対して、我々栄養素を治療の武器とする医師たちは、こう答えます。

 

Where are theBODIES?

 

ビタミンを大量に摂取して死んだ遺体はどこにあるのか?と。

 

 

アメリカにおける薬害による死亡者数が年間10万人を超えている(Starfield B. JAMA 2000, 284, 483.)ことを考えれば、栄養素による治療がいかに安全であるかは明白です。

 

また、十分でない量の栄養素を摂っても意味がないとは言いませんが、治療効果は望めません。

 

私たち現代人は毎日の生活の中で、栄養素が脱落した不自然で非生理的な食べ物を食べ、運動もせず、ストレスに晒され、たくさんの有害物質を体に取り込んでいます。

 

病気までは行かなくても、体内の分子には既に変化が起きている人がほとんどだと言えます。

 

だからこそ、栄養療法が効果を発揮するのです。

 

 

またまた長くなってしまいました。

 

分子整合栄養医学に基づく栄養療法について、ご理解をいただければ幸いです。

 

今後は具体的な症例などについてもお話していきたいと思います。

2006年01月07日

 

昨日、わかっていながら体を冷やすようなことをしたので、ギックリ腰になってしまいました。

 

同時に悪心に襲われ、吐くかと思いましたが、お灸をあちこちしまくったら胃腸が動き出し、その後休んだらだいぶ良くなりました。

 

私の場合、胃腸の不調と腰痛がセットになってくる(東洋医学的に言うと脾腎両虚)のです。

 

栄養療法でほとんど良くなったのですが、不精してはいけないということですね(> <)

 

反省です

moxa.JPG
手首にお灸をしているの図。

 


さて、前回の話の続きです。

 

栄養療法とはどんな治療法なのでしょうか。

 

私の言う栄養療法は(*人によって異なるものを指す場合もあります)、

分子整合栄養医学(分子栄養学)」と言う学問に基づいた、治療学の一分野です。

 

 

「分子整合栄養医学」とは、英語では、

 

Orthomolecular Medical Nutrition

または

Orthomolecular / Nutritional Medicine

 

と言います。

 

その定義は

 

 

もともとある生体内物質を、至適量となるまで補給することによって疾患の予防・治療を行うこと

( http://www.orthomolecular.org/ より)

です。

この言葉は、ビタミンCの研究で有名な、故ライナス・ポーリング博士の造語です。

 

ortho=整える、矯正する

molecule=分子

medicine=医学

 

つまり、私たちの体を作っている分子=栄養素 を 至適濃度に整える ことにより、病態を改善する、という治療法なのです。

 

 

そもそも健康とは何なのか?というところに立ち戻ってみましょう。


健康とは、「体を作っている分子が本来あるべき正常な状態である」ということです。

 

細胞を作っている分子が正常な望ましい状態であれば、細胞は正常に機能します。

 

細胞が正常に機能すれば、細胞で作られている組織(内臓などの器官)は、ほかに理由がなければ、正常に機能しているはずです。

 

言い換えれば、「健康とは体が本来持っている機能を十分に発揮できる状態」、とも言えるでしょう。

 

ところが、様々な要因、つまり栄養欠乏、ストレス、農薬・公害・食品添加物・煙草などの有害な化学物質、適切でない生活習慣、生まれ持った体質などによって、体を作っている分子には異常が起こります。

そして、細胞の機能が低下し、臓器の機能が低下します。

また、ホルモンや自律神経の異常を引き起こし、体の機能が円滑に働かなくなってしまいます。

 

その結果、様々な症状や病気が起こってしまうのです。


ということから、「体(細胞)を構成している分子を正常な状態に整えること」が、病気の治療や健康を手に入れることに関して、もっとも根本的なアプローチであることがおわかりになると思います。

 

この考え方が「分子整合栄養医学」なのです。

 

そして体を構成している分子とは、当然のことながら、栄養素です。

 

つまり、至適量の栄養素を補給して分子の異常を正常化し、健康を取り戻すという方法が、「分子整合栄養医学に基づいた栄養療法」なのです。


残念ながら、現代医学の薬剤中心の治療アプローチでは、「起きてしまった病的な変化」に対して、局所的に変化を起こして(代謝をストップさせて)その症状を取ることはできます(追記)が、そもそもその原因となった分子の異常(多くの場合は複合的に起こります)を正常化することはできません。


薬剤は人体にはそもそも存在しない化学物質であり、ほとんどは単一な薬効しかないからです。

 

これが、現代医学のほとんどが「対症療法」であり、根治療法でない理由です。

 

 

またまた長くなってしまったので、この続きはまた次回。





 

 

 

(追記)たとえば、アラキドン酸カスケードをブロックする抗炎症薬や、HMG-CoA還元酵素を阻害するコレステロール低下薬など。

 

 


 

2006年01月05日




こんばんは。

音楽話より本業の話をしなくちゃいけませんね。


今日は、「今なぜ栄養療法が必要なのか?」と言うお話です。


実は、ほとんど全ての慢性疾患は栄養欠乏が関与していると言われています。

と言うことは、栄養療法が効果を示す病態は、実はとっても多いと言うことです。


現代社会は食べ物で溢れています。

特にわが国・日本では、幸せなことにほとんど飢えた人はいませんよね。

それより廃棄される食べ物が多すぎて問題になっている位ですから。

ですから、昔の食べ物のない時代と違って、「栄養が足りない」なんて言うことはあまり認識されないことが多いです。


しかし残念ながら、「お腹いっぱい食べられる」ことと、

「栄養素をきちんと摂れる」こととは、

全く別の問題

です。


私たち現代人の食べものは、ある意味、史上最悪だと言っていいでしょう。

その理由には以下のものが挙げられます。



食品工業の技術が進んで、食べものを精製して食べるようになった

(精製する過程において多くの微量栄養素は破壊される。

例えば、米・麦などの穀物や油・塩・砂糖などの調味料なども)

加工食品の摂取の増加(加工している間にも栄養成分は減少する)

保存技術の進歩(保存している間にも栄養成分は減少する)

農作物自体の栄養価の低下

ジャンク・フードの氾濫(カロリーだけあって体に必要な栄養素はほとんど入っていない、「エンプティ・カロリー」の代表選手)

食品添加物・農薬などの濫用

ストレスに溢れた生活(ストレスはビタミンCなどの栄養素を消耗する)

などなど。

と言うわけで、現代社会は残念ながら、「栄養素をとても摂りづらい社会」になってしまっています。

そのため、実は都会に住む現代人のほとんどは、

カロリー過剰の(隠れ)飢餓状態

 

なのです。

カロリーばかり多く、タン白質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素は絶対的に足りていません。


別に脅かすわけではないのですが、これは事実です。



間違いなく、現代人の体調不良、病気(老化を含む)の一因は、栄養素の欠損によるものなのです。

 

じゃあ、食事をきちんと摂りさえすればいいんでしょう?

 

とおっしゃりたいあなた。

 

栄養療法は、「食事をきちんと摂る」ということとも違うのです。

 

もちろんちゃんとした食生活(何をもって「ちゃんとした」とするかが問題ですが)をしたほうが良いに決まっています。

 

余程ひどい食生活をそれまでしていた場合は、食事を変えるだけで良くなる症状もあるでしょう。

 

しかし、食事から摂れる栄養素の量には限界があり、「病態を改善する」と言う目的からすると、期待する量をとることは難しいのです。

 

この、「栄養療法と食事療法の違い」は、実際なかなか理解されづらいところです。

 

長くなるので、この続きはまた次回。

 

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∥矢崎智子から皆様へ∥

Optimal Health オプティマル・ヘルスとは、「最高の健康状態」を意味する言葉です。
「病気ではない」という消極的な意味での健康ではなく、エネルギーに満ちた快適な状態でいられること。
その人らしい人生を思う存分過ごすこと。
すべての患者様にOptimal Healthを得ていただくことが、私達の願いです。


∥∥プロフィール∥∥

杏林大学医学部卒
日本産科婦人会学会専門医
日本内分泌学会会員
World Society of Anti-Aging Medicine 認定医
高濃度ビタミンC点滴治療学会理事

1969年長野県にて、漢方医の家に生まれる。
産婦人科医としての経験を積んだ後、2005年11月、分子整合栄養医学に基づく栄養療法と東洋医学を中心とした統合医療を行うクリニック・クリニックハイジーアを開設。

趣味:
声楽(ソプラノ)、音楽鑑賞(クラシック・オペラ・JAZZ・etc.)、美術鑑賞、ベランダガーデニング、旅行、ダイビング、etc.

最近気になる人(敬称略)・
モノ:
伊藤京子、森麻季
スミ・ジョー、幸田浩子
Susan Boyle
三浦大知


The doctor of the future will give no medicine,
but will interest his patient in the care of human frame, in diet and in the cause and prevention of the disease.
Thomas A. Edison
(1847-1931)

未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。

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