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ハイジーア通信 クリニックハイジーア

タン白質

2006年02月06日


そして、肉食をすすめる理由のひとつは、人類の食の歴史から見ても肉食は生理的だと考えられること、そしてむしろ、現代の炭水化物中心の食生活のほうがかなり不自然だと考えられるからだ。


人間の食の中心はこの200万年ほどの間、肉であった。

(主食はマンモスの肉だったんだから!)

人間は長い歴史のほとんどで「狩猟と採集」で食をまかなってきたのであり、現代社会のように炭水化物を摂ることは非常に少なかった。

現代のように精製された炭水化物を当たり前のように食べている時代は、人類の歴史上初めてのことなのだ。


現代人が抱える問題、例えば、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病などの原因となる肥満やメタボリックシンドロームは、「インスリン抵抗性」がベースに存在していることが明らかになっている。

(インスリン=血糖値を下げる唯一のホルモン)
これらの病態は太ることから始まるが、なぜ太るのかと言うと、もちろんカロリー過剰や運動不足も原因のひとつだが、精製された炭水化物が多すぎることがそもそもの原因と考えられる。
インスリンをもっとも分泌させるのは炭水化物(糖質)だ。
インスリンが過剰に分泌されることで肥満が起こり、インスリン抵抗性を引き起こし、それがさらにインスリンを過剰に分泌させて、血糖調節異常や高脂血症、高血圧等が起こる。
メタボリックシンドロームだ。

それがゆくゆくは動脈硬化、心筋梗塞等の生活習慣病の原因となっていく。


ということは、主に悪さをしているのは実は炭水化物だと言えるわけで、実際には肉食がそういった生活習慣病の原因であるという根拠は非常に乏しいのだ。


肉食に問題があるとすれば、ω3脂肪酸とω6脂肪酸の比の問題があるけど、それはほかで是正できる要因だ。

また、肉好きの人は肉ばっかり食べて野菜を食べない人もいるが、もちろんそれはよいことではない。野菜はちゃんと食べるべきだ。


そのような食べ方の問題がクリアできれば、肉は健康によくないどころか、むしろ不足するタン白質や微量栄養素を摂るために積極的に利用するべき食材である、といえるのだ。


 

と、肉食について今まで説明してきたのはあくまでも栄養学的見地からの見方で、BSEなどいろいろな問題もある。

それらについては個別に対処する必要があるが、私は肉食を見直すことで、得られるメリットは非常に大きいと考えている。


世の中の常識も徐々に変遷しつつある。健康や栄養についても同様だ。


この現代だからこそ、肉食を見直してみたらいかがだろうか?



 

2006年02月05日


現代人(特に女性)のタン白質不足についてお話してきたが、そこでこの本の中身である。



肉がよくないなんて、誰が言った

ニコライ ヴォルム, Nicolai Worm, 佐々木 建, 花房 恵子
肉がよくないなんて、誰が言った

 


私はこの本を見つけた時、よくぞ言ってくれました、と感激したのだが、どうして「いまどき」肉を食べろなどと言うのだろうか?

だって世の中の趨勢に明らかに逆行している。

「お肉は体に悪いんじゃないの?お豆腐や納豆ではダメなの?」と思いますよね。

もちろん植物性タン白質が「悪い」わけではないのだが、いろいろな理由でお肉は優れた食品なのである。



第一章「肉が身体によいわけ」を抜粋してみると


     必須栄養素

肉に含まれるタン白質は動物の種類に関係なく、必須アミノ酸をすべて含有している。(植物性タン白質は肉ほど完全ではない)

脂質の種類は必須の一価および多価不飽和脂肪酸が多い(5570%)。(いわゆる脂身の部分は確かに飽和脂肪酸が多い)

ビタミンAB1B2B6B12を多く含んでいる。

若い女性に重度の欠乏が認められる、鉄や亜鉛のよい供給源である。

     栄養不足

前述したように現代の若者、特に若い女性はあまり肉を食べないので亜鉛と鉄の不足が認められる

     植物性のタン白質に比べ、栄養密度が高い

脂肪の少ない肉では低カロリーで多くの栄養素を含んでおり、栄養素とエネルギーのバランスがよい


などなど。


タン白質と各種微量栄養素(ビタミンB群やビタミンAE等の脂溶性ビタミンなど)を同時に摂れるのが、肉食の最大のメリットと言えるだろう。

もちろん野菜もきちんと食べるべきであるが、野菜からの栄養素はなかなか吸収しづらいので、それだけで十分な栄養素を摂ることは実際には難しい。






つづく。

2006年01月31日


要するに何が言いたいかというと、しつこいようだけど


「ほとんどの日本人には、



タン白質が全然足りていなあ~い!!


ということだ。本当ですよ。


そしてそれらが、慢性疲労や貧血、冷え性、むくみ、肌トラブル、心のトラブル、新陳代謝の低下、老化、肥満、そのほか様々な代謝異常や疾病の土台を作っているというのは、前に書いたとおりである。


しかも女性の場合、タン白質だけじゃなくて、鉄や亜鉛などのミネラルも欠乏している場合が多いし、ビタミンB群の欠乏も深刻だ。


その証拠に、というわけではないが、最近若い女性を見ていて「健康的だなあ」と思うことが少ない私なのだが、皆さんそう感じませんか?


まだ若いのに、肌が荒れていたり、くすんでいたり、ニキビがたくさんあったり、疲れていたり、むくんでいたり、冷えていたり、うつだったり。。。


特にこれから妊娠出産を控えた若い女性にそれらの栄養欠乏が多いことは、産婦人科医としての立場からみてもとっても由々しき問題だ。


妊娠中は胎児を育てるために自分の体をまかなう以上の栄養素が必要なのに、母体に必要なぶんの栄養素ですらまかなえていないというのが、残念ながら現実だからだ。


妊婦の栄養欠乏が、生まれてくる子供の様々な健康問題の原因を担っているとは、最近ようやく認識され始めたことだ(これについてはまたの機会に)。


ちょっと話がそれてしまったが、妊婦にとってもタン白質欠乏は大きな問題で、栄養と言う視点から見ても日本の将来にとても不安を抱いている私なのだ。


そして!それらの問題を解決するのに、一番手っ取り早くて、安価で、効果が高いのが、お肉を食べることなのだ。



つづく。


(なんだかダラダラ書いてしまってますが、結構書くの大変なんです~(> <)お許しを。)



 


2006年01月29日


タン白質が重要だということはわかったとしても、ではどのくらい摂ったらいいのか、という話になってくる。


タン白質の必要摂取量は、世界的にもほぼコンセンサスが得られているが、蛋白質研究奨励会(大阪大学)の計算式はこうである。


成人のタン白質所要量

0.64× 100/80 × 1.1 × 1.3 ≒ 1.14 (g/kg


詳しくは省略するが、要するに、成人は体重1kgあたり約1gのタン白質を、毎日(タン白質は食いだめが出来ないので)摂取する必要があるということだ。


もちろんこれは普通の人の場合で、成長期の子供や妊婦・授乳婦、スポーツ選手などは2~3g/kg/日が必要だといわれている。


これが実は、摂っているようで摂れていないのである。


例えば、今日はお肉を100g食べたからタン白質100g摂っちゃったわ!と思っている人がいるかいないかはわからないが、もちろんこれでは摂れてはいない。


五訂日本食品成分表によると、豚肉の「大型種肉、かた、赤肉、生」では可食部100g中タン白質含有量は20.9gである。ほかのお肉や魚も大体同じような感じで、100g中にタン白質は約20g前後だ。


でも、これは生(なま)の場合。


火を通すと、メイラード反応等の影響でアミノ酸が破壊されるために、実質的に利用できるタン白質としては半分に減ってしまうと言われている。


ということは、体重50kgの人が、豚肉を食べることで必要なタン白質を摂ろうと思ったら、毎日500gの豚肉を食べなければ摂れないことになる。





・・・これってなかなかできることではない。





もちろん、お肉だけではなくて、魚、豆製品、乳製品などで満遍なく摂っていくことが必要だが、実際に必要なタン白質をきちんと摂ろうと思うと、意外と難しいということがわかっていただけると思う。





タンパク質ものがたり

蛋白質研究奨励会
タンパク質ものがたり―私たちの生命を支えるもの

2006年01月27日



タン白質とは、アミノ酸がペプチド結合したもの(分子量10,000以上のもの)言う。


最近アミノ酸がまるで新しい機能性素材のようにもてはやされているが、タン白質が分解されればアミノ酸になる。
それぞれのアミノ酸にも治療的意義はもちろんあるが、まずはタン白質が全体として足りていることが、健康維持には必要である。
なので、今流行のアミノ酸系飲料などが悪いとは言わないけど、特別なアミノ酸を摂るということを特別に行うよりも、プロテインスコアの高い質のよいタン白質を十分量摂るほうがよっぽど意義があるだろう。


まずタン白質がどんな働きをしているかを見ていこう。


     皮膚・毛髪・爪を作る

     骨・歯・筋肉を作る

     内蔵(肝臓・胃腸など)を作る

     血管を作る

     血液を作る

     酵素を作る

     ホルモン(およびレセプター)を作る

     抗体・インターフェロンを作る


このように、タン白質は体中で様々な役割を担っている。主には構造タン白質としての働き、つまり体を作る材料としての働きと、機能タン白質として、たとえば生化学的な反応をつかさどる酵素としての役割、ホルモン・神経伝達物質などの体内環境を調節する役割、免疫をつかさどる役割などである。


なので、タン白質が不足すると(上記の働きに対して)


     美しさ・しなやかさがなくなる

     弱くなる、もろくなる

     衰える、弱くなる

     もろくなる(高血圧・脳卒中)

     貧血になる

     代謝がにぶる

     体の調節がきかなくなる

     最近・ウイルスに感染しやすくなる


などの症状が起きてくる。



…これって、何か共通したイメージありませんか?


一言でいえば、「 老化 」である。



タン白質不足・アミノ酸不足では組織の蛋白合成の低下が起きるため、当然組織の機能低下が起こる。
そして自律神経やホルモン分泌にも影響が起き、ホメオスターシス(生体恒常性)の乱れを引き起こし、老化や疾病を起こす土台を作っていく。
タン白質を摂れば病気にならないとか老化しないとはもちろん言えないが、そうなりにくい土台を作るためにタン白質は非常に重要なのである。

 

つづく。


 


 

2006年01月24日


栄養療法を行う上で、もっとも大切な栄養素とはなんだろうか?


ビタミンB?ビタミンC?カルシウム?鉄?


もちろん、それらもとっても大事なのだが、もっと大切なものがある。


そう、それはタン白質だ。


ビタミン・ミネラルを気にしている人は多いけど、タン白質がおろそかになっていては元も子もない。片手落ちもいいとこだ。



実は日本人の多くは、タン白質が絶対的に不足している。


強固に刷り込まれた「コレステロール悪玉説」のせいなのか、コレステロールを気にして動物性蛋白質(お肉)や卵を控えている人が多いことも、タン白質が不足する理由のひとつだと考えられる。


もちろん、コレステロールの代謝異常を起こしている人の中には動物性蛋白質を控えたほうがいい場合があるのは確かだけど、多くの日本人はさして気にする必要もないコレステロール値に過敏になりすぎている。


現代人が何を食べているかと言うと、圧倒的に精製された炭水化物が多いのだから、特に食の細い女性は必然的に、タン白質の摂取量が少なくなる。


タン白質の不足が、実は多くの体調不良の原因になっているということは、残念ながらあまり認識されていない。

 

 

タン白質は、体の全ての細胞の基本的な材料と言っていい。


タン白質を必要としない細胞は、人体の60兆個の細胞のうち、一個たりともありはしない。


例えて言うと、人間の体が木造住宅だとしたら、タン白質は木材のようなものだ。


木材がなかったら木造住宅を作ることはできないだろう。

(単純な例えですみません・・・)



タン白質は食べ物でいうと、肉・魚・卵・豆類・乳製品などだ。


これらのうち、タン白質や他の微量栄養素を効率よく摂取するのに何が一番いいのかと言うと、動物性タン白質だ。自分の種に近い種類のタン白質のほうが体内での利用効率が高いと言われている。


また、鉄を摂るのにもっともよい食べ物はお肉である。野菜などの植物に含まれている鉄は実は人間の体には吸収しづらいのだ。


野菜に含まれるビタミンなども実はなかなか吸収しづらいが、動物性タン白質は脂質も含まれているので、脂溶性のビタミンなども吸収されやすいという利点もある。(もちろん野菜を食べなくていいと言うわけではない)


肉食を嫌う風潮がある昨今だが、お肉を食べることには様々なメリットがあるのだ。

(殺生はよくないという倫理的な思想は今はおいておいて)


 

だからあえて、体調が悪い、と嘆いている方、特に若い女性に、私は断固として、

 

お肉を食べなさい

 

と申し上げたい。



肉がよくないなんて、誰が言った

ニコライ ヴォルム, Nicolai Worm, 佐々木 建, 花房 恵子
肉がよくないなんて、誰が言った

つづく。


 

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未来の医者は薬を使わず、食事を重視し、病気の本来の原因を探し、予防するという、人間の基本を大切にして治療をするであろう。
トーマス・エジソン
(1847-1931)

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「冷えに効く漢方薬」のページでお話をさせていただいています。



妊娠中の栄養素の話の転載をしていただきました。



こちらも低血糖症の記事を転載していただきました。